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ワニのオカルト

2019.04.22 (Mon)
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「ギュスターブ」とされる画像

今回はこういうお題でいきます。ワニは古くからいる生物で、
恐竜と同時代にはすでに存在していました。
そして恐竜がすべて消え去った大絶滅を生きのびて現在にいたります。
じつに生命力が強いんですね。なぜ、ワニが巨大隕石衝突からの
大絶滅を生きのびたのか、理由は解明されていません。

さて、ワニは世界各地にいますが、大きく3種類に分けられます。
アリゲーター、クロコダイル、ガビアルですが、
この中で、人間にとって最も危険とされるのはクロコダイルです。
最大7m、1tちかくになり、海水中でも行動できると言われる
イリエワニはクロコダイルの仲間です。

上アリゲーター、下クロコダイル
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さて、日本には古代からワニはいませんでした。ですが、
『古事記』には、「ワニ」が出てくる有名な記述があります。
神武天皇の母親で海神の娘である豊玉姫が、神武天皇を産むとき、
「自分の姿を見るな」と言ったのに、夫の火折尊は言いつけを破って
見てしまいました。典型的な「見るなのタブー」ですね。

豊玉姫
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そしたら、『古事記』では、姫は「八尋和邇 やひろわに」
の姿をしていました。「八尋」は長さの単位で10数m。
まあ、巨大なという意味でしょう。「和邇」について3つの説があります。
① ワニは日本にはいないのでサメのことである
② ワニはそのままワニである ③ 伝説上の生物である竜のこと

まず①ですが、日本にはワニはいないので、中国から「鰐」という漢字が
伝わったとき、当時の日本人はワニがどういうものか頭に浮かばす、
同じ水中の危険生物であるサメと混同されてしまった、というもの。
まあそうかもしれません。それに対し反論したのが、
民俗学者の折口信夫です。

折口信夫
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②の折口説は、豊玉姫の出産の描写が「陸上で腹ばいになり、のたうつ」
とあることから、サメではなくワニであるとしました。
また、同じく有名なワニが出てくるエピソード「因幡の白うさぎ」で、
ウサギに騙されたのはやはりワニで、これは南方の神話が
そのまま伝わったためとしています。

最後の③説ですが、豊玉姫の父は海神で、おそらく竜神と思われるので、
その娘もまた竜だろうということです。うーん、どれもありそうというか、
どうでもいいというか、あまり本質的な議論ではないと思います。
自分は、あえて言うなら③説かなあ。

さて、ワニは危険な生物です。映画ではワニ物、サメ物のどちらもあり、
『ジョーズ』の影響でサメの危険性が知れ渡りましたが、
実際には、サメが原因で亡くなる人は、1年に世界中で10人程度です。
それに対し、ワニに襲われての死亡は1000人を越すと言われます。

アフリカコガタワニ
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これはもちろん、そもそもサメの出る海域で泳ぐ人はごく少数です。
それに対し、ワニは陸上の湖水、河川にいますし、東南アジアや
アフリカでは、水くみ、洗濯を川で行っている人はたくさんいて、
遭遇する機会が圧倒的に多いわけです。

危険なワニの伝説は各地にあります。アフリカで有名なナイルワニ、
「ギュスターブ」による犠牲者は300人、体長は6mで、
年齢は推定100歳以上。鱗は厚く固く、ライフル銃の弾をはじき、
致命傷を与えることはできないとされます、

このギュスターブですが、結局、捕獲されることはなく、
2008年を最後に目撃例は途絶えています。おそらくは、
自然死したんでしょうね。あと、300人の犠牲者と言っても、
すべてに目撃者がいるわけではないので、他のワニの被害が
ギュスターブのせいにされてる事例が多いんでしょう。

東南アジアでは、フィリピン南部のミンダナオ島で捕獲された、
「ロロン」というイリエワニが知られています。
12歳の少女の頭を喰いちぎり、成人男性2名を食べたとみられ、
捕獲されましたが殺されず、飼育中に死亡しました。
ギネスブックには、このワニが世界最大として記載されています。

捕獲された「ロロン」
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ギネスといえば、世界最大の動物による被害事件として、
ギネスブックには「日本軍のワニ被害」というのが載っています。
敗戦の年、1945年、現ミャンマーのラムリー島を奪還するために
イギリス軍が上陸して日本軍と戦った戦闘において、

日本軍が撤退するときに、マングローブの沼地に、
負傷者の血の臭いにさそわれたたくさんのイリエワニが集まり、
兵士1000名以上が犠牲になったと出てきます。しかしこれ、
さすがに眉唾です。おそらくは銃撃された戦死者の死骸を
ワニが食っているのを見てできた話ではないでしょうか。

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あと、youtubeなどの動画サイトには、イリエワニとホオジロザメが
戦うシミュレーション動画などが出てきますが、
実際に戦うことはまずないと思われます。出会う確率が低いですし、
たまたま遭遇しても、互いに本能的に危険を察知して
避けるんじゃないかと思いますね。

さてさて、ということで、ワニの怖い話を見てきましたが、
日本にはワニはいないので、やはり現実的な恐怖感がありません。
大陸では人食い虎の話もたくさんありますが、日本には虎もいませんし、
危険な動物はせいぜいが狼と熊といったところだったでしょう。
そういう意味でも恵まれていたと思います。では、今回はこのへんで。

関連記事 『アフリカのA子の話』 『動物ホラーについて』





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