誰が最初に

2013.12.09 (Mon)
 前の項で、家ものホラーはミステリのクローズド・サークルものと
似た部分があると書きましたが、
ミステリの場合は登場人物がどういう順番で殺されていくかは、
犯人の動機やトリックとからんだ必然性がある場合が多いですよね。
その順番でないと犯行が意味をなさなくなってしまうとか。
それに対してホラーの怪物(ジェイソンとか)は
手あたり次第気ままに殺していっていいはずですが、
やっぱり順番があるんですね。
これは論理的な理由より、ホラーの映画文法的な理由からであることが多いです。

 『13金』のような典型的な殺人鬼ものの場合、
殺される順番よりも先に登場人物の設定がまず決まりきっています。
できちゃったばっかりでやりたい盛りのカップル、
リーダー気取りで何かと主導権をとろうとするが実は無能なやつ、
頭からっぽの体育系マッチョ、黒人または東洋人系
(これは人種的配慮と観客の非白人系のため)
この他にお調子者、いじめられ系、麻薬を吸うやつとかも出てきます。
短時間で観客に登場人物の個性を把握させるためには、
この書割のようなステロタイプにあてはめていくのは、
それが予算の少ないB級であればあるほど大切なことなのですね。

 殺される順番としてはまずカップルかな。
いちゃいちゃし始めたところをばっさりという感じで。
次が麻薬とか吸うやつ、次が体の大きい体育系・・・、非白人もこのあたりで殺られます。
リーダー気取りの嫌味なやつや、怪物の存在を信じようとしないやつは中盤の終わりころに
特に残虐な殺され方をするとか。
カップルやヤク中が早く殺されるのは、観客に対する倫理的な配慮もあるかもしれません。
アメリカは基本、避妊に反対する人も多いキリスト教国ですし。
まず観客が自分はこれほどバカでもふしだらでもないと思うような、
殺されて当然?のやつらが殺されて、観客が物語の中に入り込んでから、
じっくりと真面目な主人公とその協力者が怪物と対決するのを見せるという作り方。

 ただこの手の映画が数多く作られるようになるにつれて、
スタッフが裏をかく場合も多くなりました。
登場人物の中で他の映画にも出てて比較的有名な女優が、
この人は最後のほうまで生き延びるだろうと思っていたら、あっさり殺されてしまうとか。
あと『13金』シリーズでは、公開前にウエブで「死ぬ順番当てクイズ」のようなことをやってて、
自分も応募しましたが、おしかったですけど完答はできませんでした。

『13日の金曜日』順番当てクイズ
 

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