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カエルのオカルト

2019.04.26 (Fri)
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邪馬台国の有力候補地とされる桜井市の纒向遺跡で、モモの種などが
多数出土した穴(3世紀中ごろ)からカエルの骨が100点以上出土していた
ことが分かった。専門家は祭祀(さいし)で供えたのではないかとみている。

カエルの骨は117個あり、ツチガエル(94個)、
ナゴヤダルマガエル(13個)、ニホンアオガエル(10個)と分かった。
少なくとも計12個体を確認した。推定体長は4~7センチ。

これら3種は現在の遺跡周辺では生息していないという。
ただ唐古・鍵遺跡でもこの3種の骨は出土しており、当時は奈良盆地の
低地で生息していたと考えられる。
(奈良新聞)

纏向遺跡出土 傷のついたカエルの骨
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今回はこの話題を中心に、カエルに関するオカルトを取り上げてみたいと
思います。まず、纏向遺跡で多数発見される土坑は人為的なもので、
水が出てくる深さまで掘り下げられ、祭祀で使われた土器や木製品、
供献品が廃棄されている場合がほとんどです。
以前、大量の桃の種が出土して話題を集めました。

カエルの骨が見つかったのは、纒向遺跡の中枢とみられる大型建物跡
(3世紀前半)の南側で、建物の解体後に掘られたと考えられています。
また、上記した桃の種と同じ土層からの出土のため、
時代も同じ3世紀前半から中葉頃のものでしょう。

今回はカエルの骨ということですが、自然に土坑に侵入してきたものとは
考えられません。あまりに数が多いですし、もし自然に入ってきて
死んだ場合は、ほぼ全身部分の骨がつながって出土するはずですが、
そうはなっていないからです。

纏向遺跡の大型建物遺構
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また、骨には傷がついており、人為的につけられた可能性があるそうです。
これらのカエルはおそらく、神にささげられた後、
祀りの出席者が食べ、骨を穴に捨てたんでしょうね。
ただ、日常的にカエルが食用とされていたのかは、よくわかりません。

出土例が少ないんです。鳥取市の青谷上寺地では、食用と考えられる
カエルの骨が出土していますし、奈良県田原本町の唐古・鍵遺跡では、
焼いて薬にしたとされるカエルの骨が見つかっています。ですが当時、
カエルは豊富にいたと考えられ、そのわりには出土例は多くはないんですね。

カエルについては、それが描かれた土器が出土していますし、
銅鐸絵画には、カメやカマキリ、水鳥などとともに描かれ、
当時の人にとっては、たいへんに身近な生物であったのは間違いないでしょう。
ただ、カエルが神聖視されていたかどうかはわかりません。
根拠はないですが、自分は、違うんじゃないかという気がします。

さて、カエルといえば、連想するのはまず「水」と「蛇」ですね。
古来から、日本では流れる水の祭祀が行われていました。纏向遺跡内では
大きな人工の水路(大溝)が見つかっていますし、巻野内では、
祭祀に使用されたと見られる導水施設が出土しています。ですから、
カエルが水と関連して祭祀に用いられたと見るのは不自然ではありません。

巻野内の導水施設遺構
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次に蛇のほうですが、纏向遺跡からのぞむ三輪山は、古来から神聖視されており、
その神の本体は蛇身であるという伝承があります。
ですから、蛇にカエルを捧げるとなると、これはぴったりなんですが、
やはり時代の異なる話なので、そう安易に結びつけるのはよくないんでしょう。

ちなみに、前にもご紹介してるんですが、邪馬台国の女王、卑弥呼ではないか
とする説もある倭迹迹日百襲姫は、『日本書紀』では、三輪山の神、
大物主の妻となったが、夫は夜、暗くなってからでないと姿を見せない。
そこで、姫が夫の姿を見たいと頼み込むと、

三輪山
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「明日の朝、櫛笥の中に入っている」と言われます。翌朝、櫛笥を開けると、
そこには小さな蛇がいたたため、姫が驚いて叫び声を上げると、
大物主は怒って空に上っていった。姫はは後悔してその場に座り込み、
そこにあった箸で陰部を突いて死んだので、葬られた墓を「箸墓」と
言うようになった・・・こういう記述があります。

箸墓には、卑弥呼の墓ではないかとする説もあります。また、
大物主は酒造りの神でもあり、考古学者の石野博信氏は、三輪山麓には
古代から聖水思想があり、纏向遺跡の井泉や導水施設は、井水を浄化して
聖水とするための施設ではないかと推測しています。

さて、古代史の話はこれくらいにして、カエルのオカルトというと、
ガマは魔力を持っているというような話がありますね。
中国では、10世紀ころに劉海蟾(りゅう かいせん)という人物がいましたが、
この本名よりも「蝦蟇仙人」として有名です。

蝦蟇仙人 歌川国芳
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蝦蟇仙人は、青蛙神という三本足の巨大な蝦蟇をつねに従えていて、
さまざまな妖術を使ったとされます。蝦蟇仙人はこの蛙を捕えるために、
金貨で釣り上げて従えたといわれ、そこから、 家の庭先にカエルがでると、
その家に金運があり、幸せが訪れるとされています。

この話が元になって江戸時代に創作された架空の忍者、
「自来也 じらいや」は、大蝦蟇に変身する妖術を使いました。
また、昭和の特撮テレビドラマ「仮面の忍者 赤影」には、
ガマ法師が出てきて、赤影を苦しめています。

さてさて、カエルで連想するものには「雨」もあります。
日照りのときに雨を呼ぶということで、岐阜県の日吉神社や、埼玉県の
姥宮(とめみや)神社では、カエルは神の使い、眷属とされています。
また、奈良県の吉野町では、県の無形民俗文化財の、
「国栖奏(くずそう)」という伝統行事で、神前にカエルが供えられます。

ということで、カエルについてみてきました。みなさんの中にも、
子ども時分にオタマジャクシを飼ったという人がいるんじゃないでしょうか。
古来から日本人にとって、身近にいる親しい生き物だったんですね。
では、今回はこのへんで。

仮面の忍者赤影と千年ガマ
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