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超古代文明と白人優越主義

2019.05.22 (Wed)


今回はこういうお題でいきます。まず、「超古代文明」というのは、
現在知られている古代文明よりも以前にあったとされる文明のことです。
例えば、メソポタミアにシュメール都市国家が出現したのが、
今から5000年ほど前ですから、少なくとも、
それよりも古い文明ということになります。

なぜこういう発想が出てきたかというと、人間に一番近い霊長類が
出現したのが500万年くらい前です。ところが人類に文明らしきものが
出てきてから1万年にもならないわけですね。ですから、
それ以前にもじつは文明があったのではないかと考えるのは、
そう無理のないことだと思われます。

ただ、もし超古代文明があったとしたら発掘で出てくるはずです。
恐竜など、億年レベルの古生物の化石が出てくるんですから、
痕跡が残ってないのはおかしい。そのため、超古代文明の場合、
アトランティスでもムー大陸でも、天変地異で海の底に沈んでしまい、
だから何も残ってないと説明されるわけです。

ムー大陸
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まあ、ここまでは問題ないと思います。オカルトとしても夢があります。
ただ、プラトンが書いたアトランティスはともかくとして、
近年に発表される超古代文明説は、その根底に差別的な内容を
含んでいるものが多いんです。白人優越主義のようなものですが、
このあたりは、なかなか日本人には理解しにくいんですね。

どっから話していきましょうか。やはりキリスト教かな。
キリスト教が生まれたのは現在のアラブです。イエス・キリストは
「ナザレのイエス」と呼ばれましたが、ナザレはイスラエルの都市で、
『旧約聖書』には古代イスラエルの物語が描かれています。

メキシコ テオティワカンの神殿ピラミッド
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その記述によれば、人類は神が創造したことになっていて、人種や
民族というものはなかったんです。民族が生まれたのは、創世記の
「バベルの塔」の話によります。人類が天高くそびえる塔をつくり、
その地に定住しようとして、「地に満ちよ」という神の教えに背いたため、

神は罰として人々の言葉を違うものとしました。
混乱した人々は、言葉の通じる者どうしが集まって世界各地へ
散っていったわけです。ですからキリスト教的には、
人種や民族による差別というのは、本来はなかったんですね。

じゃあキリスト教に差別はなかったかというと、これはありました。
異教徒に対する差別です。大航海時代、スペイン人の征服者が
南北アメリカ大陸に到達し、原住民を虐殺したり奴隷化したのは、
表向きは彼らが異教徒だったためです。異教徒はどうせ地獄に堕ちると
決まった存在なので、何をしてもかまわないとされました。

日本にも、戦国時代にフランシスコ・ザビエルをはじめとする宣教師が
来航しましたが、彼らが布教活動を行ういっぽう、
宣教師を船に乗せた商人たちは、日本人の子女を買い取って奴隷化し、
海外に売ってたんですね。これを知って激怒した豊臣秀吉は、
バテレン追放令を出すことになります。

で、この大航海時代に世界各地の様子を見聞きしたヨーロッパ人は、
西欧文明とは生活様式が異なる現地人に対して、
少しずつ差別意識をつのらせていったんですが、
19世紀になってダーウインが進化論を発表したことで、
「白人優越主義」もほぼ同時に誕生します。

フランシス・ゴルトン
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ダーウインの従兄弟で、初期の遺伝学者であったフランシス・ゴルトンは、
「優生学」という概念を提唱しました。生殖管理により人種を改良する
という発想です。この考え方はナチスドイツに取り入れられ、
「金髪、青い目のアーリア人はすべての人種の中で最も優越する」という
考えを生み出し、ユダヤ人迫害が起きるんですね。

ナチスの優生政策 体が大きく力が強く知能も優れたアーリア人
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さて、ここまで書いてきたことは、みなさんもよくご存知だと思いますが、
これが超古代文明とどうつながるかというと、
世界各地には、優れた古代の遺跡や文化遺産がありますよね。
エジプトのピラミッドや南米の神殿遺跡などなどです。

白人優越主義的には、劣等な古代のエジプト人や南米人がそんなものを
つくれるはずがない、ということになります。
超古代には、白人が支配する巨大な文明があったが滅亡してしまい、
その後世界各地に散った白人指導者が、今に残る世界各地の遺跡を
つくらせたのだと説明されるんです。

ムー大陸は、アメリカ合衆国の作家、ジェームズ・チャーチワードが
1926年から唱えた、超古代に太平洋上にあった大陸ですが、
「その支配者は白人」であったとされています。それが1万2千年前の
大地殻変動で一夜にして海底に沈没し、その生き残りが
環太平洋に残る各地の遺跡をつくったと説かれます。

ジェームズ・チャーチワード
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また、近年のグラハム・ハンコックによる『神々の指紋』でも、
エジプト・マヤ・インカなどの非白人系古代文明は、彼ら独自のものではなく、
「アトランティス大陸=南極大陸」にあった「白い肌の人間」の超古代文明を
受け継いだものに過ぎないとされています。まあ簡単に言えば、
世界各地の優れたものは、みな白人がつくったのだということなんです。

もちろん、これらの説には大きな批判があり、学問的にまともに
受け入れられてはいません。あまりに白人優越主義がむき出しですからね。
で、1960年代以降、白人のかわりに持ち出されるようになったのが
宇宙人です。遠い古代に地球を訪れた宇宙人が人類に文明を授けた。
これを「古代宇宙飛行士説」と言います。

関連記事 『古代宇宙飛行士説について』  『ケツァルコアトル伝説』

さてさて、自分から見れば、白人優越主義も宇宙人関与説も、
どちらも、たいへん古代人の叡智をバカにした話で、
なぜ素直にそのことを認められないんでしょうね。ということで、
オカルトの超古代文明説には、歴史的にこのような流れがあるんです。
では、今回はこのへんで。

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