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宇宙人を探せ3

2019.06.22 (Sat)
ロシア生まれの資産家ユーリ・ミルナー氏の出資によってスタートした
「ブレイクスルー・イニシアチブ」プロジェクトは6月18日、
同プロジェクトの一部である「ブレイクスルー・リッスン」のもと、
地球外の知的生命体による活動の痕跡がないかを
観測した結果を発表しました。

観測結果は研究チームを率いたカリフォルニア大学バークレー校の
Danny Price氏らによって論文にまとめられました。観測の対象と
なったのは、地球から160光年以内にある1327個の恒星です。
研究チームはアメリカのウェストバージニア州にある

「グリーンバンク天文台」の直径100mの電波望遠鏡と、
オーストラリアのニューサウスウェールズ州にある「パークス天文台」
の直径64mの電波望遠鏡を使い、文明活動によって生じた痕跡
(通信による電波など)を2015年から探し続けています。
(sorae)

xsderttyyu (2)

今回はこういうお題でいきます。これはロシアの大金持ちが行った
個人によるSETI(Search for extraterrestrial intelligence
地球外知的生命体探査)みたいですね。いや、世の中にはたいへんな
資産家がいるもんです。施設使用料や人件費など、
これにかかったお金は莫大なものでしょう。

で、結果から言うと、3年以上の時間をかけて1327個もの
恒星を調べたにもかかわらず、知的生命体が発したと思われる
電波は見つからなかったんです。これは残念ですねえ。
ほんの少しでも怪しいものが見つかったら夢が広がるのに、それもなし。

この研究について少し注釈を入れると、160光年のかなたから届く
電波は160年前のものです。それと「1327個の恒星」という
部分に注目してください。ご存知のように、われわれの住む太陽系は、
水・金・地・火・木・・・と8個の惑星で構成されています。
ですから、実際に調べた星の数はもっと多いことになります。

xsderttyyu (4)
アメリカ、SETI研究所のアレン・テレスコープ・アレイ

この研究自体は電波を解析するだけなので、高度な内容を含んでいる
というわけではありませんが、ひじょうに面倒なものであることは
間違いありません。一つ一つの電波を慎重に調べて、観測所の近くで
生じた地球上のものなどを排除しなくてはならないからです。

これは笑い話ですが、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の
電波望遠鏡が、なんと17年間も宇宙の一定方向からくる謎の電波に
悩まされており、知的生命体からの通信という説も当然出たんですが、
よくよく分析してみると、天文台のスタッフが昼食を温めるのに
使用していた電子レンジからのものだったことが判明したんです。

SETIの活動は、1960年のアメリカ、オズマ計画から始まり、
現在まで60年の歴史があります。アメリカ、ロシア(旧ソ連)を
中心に100以上のプロジェクトが実施されましたが、
はかばかしい成果は得られていないんですね。

オズマ計画で使用された電波望遠鏡
xsderttyyu (1)

では、どうして、宇宙からの(知的生命体による)電波は地球に届かない
んでしょう。いくつかの理由が考えられます。まず、宇宙には気の遠くなる
ような数の星々があり、その中に知的生命体がいたとしても、
たまたまその電波は地球に届いてきていないというもの。
まあ、これは十分ありえる話です。

2つ目は、宇宙の知的生命体の中には通信手段として電波を利用しない
ものがいるかもしれない・・・SFだと、精神力が発達し、テレパシーによる
通信を行っている宇宙人がよく出てきますが、でもどうでしょうかねえ。
すべての原子は、原子核のまわりを電子が回っている構造です。少しでも
動くものがあれば静電気が発生しますし、宇宙では電気はありふれたもので、

それをあえて利用しないというのは考えにくいですよね。
3つ目は、じつは生命の誕生はひじょうに稀有な現象であり、
もしかしたら全宇宙で地球だけしかないのかもしれない・・・
うーん、その可能性はあります。幾重にもわたる偶然が積み重なって
生命が登場した地球は、もしかしたら特別な星なのかもしれません。

xsderttyyu (6)

「ハビタブルゾーン habitable zone」という言葉をご存知でしょうか。
宇宙の中で生命が誕生するのに適した環境を持てる天文学上の
領域のことで、「生命居住可能領域」と訳されます。これをわれわれの
太陽系で見ると、生命に必要と考えられる液体の水を維持できる範囲は、
それほど広いわけではないんですね。

ですから、生命の発生できる星は、宇宙の中で思いのほか少ないのかも
しれません。ただ、この議論は「地球は神が創造した特別な星である」
みたいな宗教的な主張を勢いづかせるという側面も持っているんです。
自分は、宇宙全体の天体の数を考えれば、地球のような星は
まだまだあるんじゃないかと思うんですがねえ。

4つ目はちょっと怖い話になります。これはたしか有名な科学者が
述べたものだったと思いますが、誰だったか忘れてしまいました。
「電気を利用できるようになった文明の、その後の寿命は短い」
という内容で、この意味がおわかりになりますでしょうか。

太陽系のハビタブルゾーン


電気が使えるほどの文明は、当然 核爆弾やその他の大量破壊兵器を
生産できるだけの科学力を持っているはずだ。そうした星は、
電気を使えるようになってから数百年程度で、核戦争などで滅んでしまう
のではないか、といった話なんですね。ですから、宇宙に電波を
出している期間が、宇宙全体の歴史と比較すればごく短い。

さて、話をSFのほうにふって、前も少し書いたんですが、
奇才と呼ばれるSF短編小説の名手、フレドリック・ブラウンの作品に
『電獣ヴァヴェリ』があります。古典的名作と言われてますので、
お読みになった方も多いでしょう。地球の大気圏上に、
ヴァヴェリと名づけられた異星生物が住みつき、地球の電気をすべて

食べてしまった。地球人は大混乱におちいるが、やがて電気のない生活に
慣れ、かえって以前より心の平穏を感じるようになる。
人々はテレビから離れてアコースティック音楽や舞台劇を楽しむなど、
人間的な暮らしに戻っていく。ただヴァヴェリのために
雷光を見られなくなったのが残念・・・といったストーリーでした。

アルファ・ケンタウリをめざすライトセル
xsderttyyu (5)

さてさて、最初に書いたように、これを個人でやるというのは
スゴイことです。よほど宇宙人に対して情熱を持ってるんでしょうね。
このチームでは、他にも超小型・超軽量の探査機に薄い膜で
できた帆を取りつけ、レーザー光によって光速の20パーセントまで

加速したものを「アルファ・ケンタウリ」星系に送り込む計画を立てています。
アルファ・ケンタウリは太陽系から最も近く、距離は4.3光年ほどしか
ありません。ですから、その速度なら20年ほどで着くはずです。
では、今回はこのへんで。

関連記事 『宇宙人を探せ1』 『宇宙人を探せ2』

xsderttyyu (3)



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