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地蔵を洗う話

2019.06.29 (Sat)
あ、どうぞよろしくお願いします。主婦をしています。結婚3年目で、
子どもは昨年、男の子を授かりました。はい、それほど夜泣きなどもせず、
手のかからない子です。それで、これからお話するのは、
ほとんどが夢で見た内容なんです。ですから、怖くありませんし、
バカバカしいと思われるかもしれません。それでもよろしいでしょうか。
最初に夢を見たのは、去年、子どもが生まれて3ヶ月目くらいのときです。
育児のためにずっと家にいまして、夫は7時過ぎに帰ってきます。
夜は、ベビーベッドのある和室に寝ているんですが、
そのときの夢が最初だと思います。いえ、もちろんそれまでにも
夢は見たことがあります。ですが、その夢はそれまで見たのとはどこか
違ってたんです。妙にはっきりしていて、起きてからもよく覚えてる・・・

まず、その夢の中で私は山の中にいました。ずっと石段が続いてて、
それを登っていく。道の両脇は深い藪で、抜けていくことはできません。
一本道の石段を上へ上へと登るうちに疲れを感じてきたんですが、
何かにせかされるように、足を止めることができませんでした。
そうしていると、急にぽっかりと開けたところに出ました。
まだ、頂上ではなかったと思います。8合目くらいの高さなんでしょうか、
よくわかりませんでした。その場所には木はほとんど生えてなくて、
広い草むらがあり、一軒の家があったんです。そうですね、
藁葺き屋根の昔の農家という感じでしたが、かなり立派な造りでした。
豪農のお屋敷といっていいかもしれません。
で、私はふっとその中に入っていったんです。表戸は開いてまして、

声をかけたんですが返事はありません。そのとき、私、何か探しものを
してる気になったんです。どうしても見つけなくちゃいけないものが
この家の中にある。変ですけど、そういう気持ちが強くなって、
うろうろと歩き回りました。はい、家の中には誰もおらず、
家具や調度も少なかったんです。平屋建てですが、部屋の数は10ちかく
あったと思います。ほとんどの部屋はお座敷で、床の間があって
掛け軸が飾ってました。中には箪笥が置いてある部屋もあったんですが、
引き出しを開けたりはしませんでした。どういうわけだか、私が
探している物はその中にはない気がしたんです。黒塗りの大きな
仏壇がある部屋もあり、仏壇の扉は固く閉まっていました。
やがて、すべての部屋を抜けると、土間の台所になってたんです。

昔のかまどが2つ並んでましたが、火は入ってなく白い灰が溜まってました。
その横に水甕。探しものはこの近くにある、と思ったんです。
それで台所中を見て回ると、奥のほうの棚に手桶と使い古した
雑巾がありました。ああ、これだ、この手桶・・・持ち手をつかんで
下におろしたとき、すごい安心感というか達成感がありました。
そこで目が覚めたんです。おかしな夢ですよね。藁葺の家なんて入った
こともないですし、手桶を何に使うのかもわかりませんでした。
そのときは2月でしたが、びっしょり汗をかいてました。
着替えようと立ち上がり赤ちゃんの様子を見ましたら、よく眠っていました。
わけがわからない、でも夢ですから、そういうこともあるかと、
そのときはあまり気にしてなかったんです。

怖い夢、というわけでもなかったですから。それから・・・次に夢を見たのは
翌月の14日の夜でした。気がつくと・・・という言い方は変ですが、
私は夢の中にいて、片手に手桶を下げてたんです。前に見た手桶だ、
というのは、そのときにはわからなかったです。手桶には水が入ってました。
場所は、外ですが山の中などではなく、街の辻のようなところで、
あたりは薄暗くて、朝方か夕方かもわかりませんでした。
道に出ている人はいなかったです。それで、私の正面に少し木がある場所があり、
そちらに歩み寄っていくと小さなお堂があったんです。
一間四方と言うんでしょうか、赤い幕が下がっていて、
中にお地蔵さんが一体だけあったんです。私の腰ぐらいまでしかない
小さなお地蔵さんで、赤い頭巾とよだれかけをされてました。

石を彫ったお地蔵さんなんですが、顔は柔和で、少しだけ自分の子に
似てる気がしたんです。ただ、体のほうには、びっしりと白い灰のようなものが
かかってたました。ああ、かわいそうにと思い、そのときに、
自分が手桶を持ってる意味がわかった気がしました。手桶の水の中には
雑巾もありました。それで、その場にしゃがんで雑巾をしぼり、
お地蔵さんの体を拭きはじめたんです。白い灰は粉のように見えてもけっこう固く
お地蔵さんの体にこびりついていて、力を入れないととれませんでした。
だんだんに手桶の水が白くなっていき、お地蔵さんはピカピカになって、
すごい満足感がありました。手桶の水を離れたところの側溝に捨てると、
お地蔵さんの前にお供えの餅のようなものが見えました。
あれ、さっきこんなのあったっけ? そうですね、草餅に似ていた気がします。

で、私、それ無性に食べたくなったんです。いえ、こう言うとあれですが、
神仏のお供えを取ったりしたことなんて一度もありません。
ですがそのときは、すっと近寄って餅をつまみ、ぱくっと口に入れちゃったんです。
甘い餡の味がしました・・・そこで目が覚めたんです。
もちろん、口の中には餅なんてなかったですし、味を感じたりもしなかったです。
変な夢だったなあと考え、そのとき前に見たあの山の中の農家の夢を
思い出したんです。それと内容がつながってるような、そうでないような。
でも、そのときの夢の中に出てきた手桶は、前に見たのと同じもののような
気がしました。それからです、4月、5月、6月と、
まったく同じ夢を見たんですよ。場所も同じ、辻にある地蔵堂。
私は手桶を持ってそこにいて、汚れたお地蔵さんの体を丹念に洗っている。

洗い終わってからお供えの餅を食べてしまうのも同じです。
夢を見るのは決まって14日の夜・・・15日の早朝なのかもしれません。
不思議ですよねえ。夢のことは夫に話してみたんですが、「夢だから何でもありだろ、
 前に見た夢のことが気になってるから、同じのを見るんじゃないか」
こんなことを言って、私も「そうかな」と思ってたんです。
あとそうですね、14日ということについても心あたりはありませんでした。
家族の誕生日ではありませんし、親族の月命日も14、15日というのはなかった
はずです。もしかしたら私が掃除しているお地蔵様の縁日なのかもしれないとも
考えたんですが、しょせんは夢の中のことだし・・・
それで、先月の14日のことです。やはり夢を見たんですが、
最後だけ、今までの夢とは違っていたんです。

お地蔵さんを洗い終わって、一息ついてから餅を口にしたところまでは同じだったん
ですが、その餅の味がおかしかったんです。傷んでるというのとは少し違います。
なんというか、青臭い、山菜をアクを抜かずに食べたような味で、
吐き出そうかと思ったんですが、飲み込んでしまいました。
それで、起きて歯を磨いたときに胃がムカムカしたんです。
でも、買い置きの薬を飲んだら落ち着きました。いつも午前中は、
ベビーカーを押して、買い物がてらお散歩に行くことにしていました。
私は住宅地に住んでまして、スーパーまでは10分ほどでいけます。
近くには小さな商店街があり、そこに銀行や郵便局もあって便利な場所なんです。
その日は天気がよく、舗道を歩いてると、また急に吐き気がこみ上げてきたんです。
思わずベビーカーから手を離し、街路樹の根元に駆け寄って吐いてしまいました。

出てきたのは朝食ではなくて、白いドロドロしたものでした。
はい、お地蔵さんの体に付着してたものに似ている気がしました。
そのとき、上のほうでボンという音がし、間髪をいれずガシャーンと何か
大きなものが舗道に落ちてきたんです。ベビーカーを停めた2mほど手前です。
はい、落ちてきたのはエアコンの室外機でした。それがまず店のアーケードの上に
落ち、そこでバウンドして舗道に落ちた。もし・・・私がベビーカーをそのまま
進めていたら、直撃していたかもしれません・・・まあ、こんな話なんです。
私が吐いたことと、夢の中の餅の味がおかしかったこと、
関係があるかどうかもわからないんですけど・・・あの、お地蔵さんのお堂、
それから最初に入った山の中の農家も、実際にどこかにあるんじゃないかという
気がするんですよ。今月ももうすぐ14日です。またあの夢を見るんでしょうか。




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