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妖怪談義3(付喪神)

2013.12.20 (Fri)
年も押し詰まり、大掃除などもそろそろ念頭に
おかなくてはならない時期となりました。
今夜は4つ目の忘年会なので、今回も軽く妖怪話でお茶を濁します。
大掃除のことを昔は「煤払い」と言って、12月13日に行っていたそうです。
今からすると早いですが、商家などでの奉公人の里帰りを
考慮してこの時期になっていたようです。

今回取り上げるのは「付喪神」(つくもがみ)です。
これは簡単に言えば器物の霊、器物妖怪のことです。
付喪神は「九十九髪」(白髪のこと、白は百に一足りないから)とも書き、
古道具が100年を経て長持ちすると霊力を得る、精霊が宿るとするところから、
99年たった道具は煤払いのときに廃棄する習慣があったと、
室町時代の『付喪神絵巻』に記されています。

ただこれは、雑道具類なら99年も持たなかったものが多いだろうし、
名品なら100年を越えても受け継がれるであろうと考えるのが常識的で、
「つくも」という語をかけた言葉遊びの面が大きいと思われます。
道具を100年持つくらい大切に使えというメッセージもあるのかもしれません。

付喪神のような器物の精霊や鳥獣の霊が古文献や絵巻に登場するのは、
鎌倉時代からじょじょに見られ始め、室町時代になって盛んになりました。
もともとあった神道的な万物に精霊が宿るとする意識に、仏教の「非情成仏」
(感情を持たない土石草木も仏性を持つ)
の考え方が上書きされて出てきたもののようです。

上記した『付喪神絵巻』でも、妖怪化した器物たちは
最終的に成仏するという形でしめくくられています。
このような付喪神たちが当時の民衆に
本当に怖れられていたとはちょっと考えにくく、
一種の漫画的なキャラクターだったのではないかという気がします。

さて怪談には古物の奇譚というジャンルがあります。
欧米では、命あるものとないものをきっちり分けるキリスト教的な考えからか、
物自体が自然に生命を宿すという話はあまり例がありません。
何らかの異教的な呪い、あるいは黒魔術がかかった
品物という設定が多いようです。

かの有名な「ホープ・ダイヤモンド」にしても、
所有者の不幸の原因はヒンドゥー僧の呪いということになっています。
また、人工物に生命を付加するという話は,
『フランケンシュタイン博士の怪物』のように
不幸な結末をたどるものがほとんどです。生命を創り出すのは、
やはり神の専権事項なのです。あとは人形の奇譚について
洋の東西の違いなども書いてみたいですが、これは長くなりそうなので
別に機会を設けたいと思います。

『百鬼夜行図』

付喪神  妖怪談義1  妖怪談義2




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