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食品のオカルト

2019.08.07 (Wed)
牛乳などの乳製品については、アメリカで賛否両論が起こっています。
日本の農林水産省に相当するアメリカ農務省は、乳製品は健康に良いと主張し、
食事ごとに摂取することを推奨しています。これに対して、ハーバード大学の
研究者たちは、「乳製品の積極的な摂取を勧めるエビデンスはない」
と否定しているのです。
(文春オンライン)

weeertyu (1)

今回は、科学ニュースからこういうお題でいきます。なかなか難しい話ですね。
自分は栄養学なんかはまるっきり素人ですので、今回の内容は
話半分程度で聞いていただけたらと思います。何から書いていきましょう。
まず、牛乳のことからにしましょうか。

自分はアメリカの中西部に2年ほど住んでたことがあるんですが、
アメリカ人ってすごく牛乳を飲むんですよね。当時自分がバイトしてた
スーパーに、毎日牛乳を買いにくる50代の白人のおばちゃんがいまして、
その人は身長180cm弱、体重120kgくらいでした。

で、向こうの容器はガロン表示なんですが、毎日約6Lの牛乳を買って
いきました。そこの家は4人家族だったので、1日に一人平均
1.5Lの牛乳を飲んでるわけです。アイスクリームも大量に
買ってましたので、おそらく食事のすべてがそういう量だと思われ、
ああ、こりゃ太るよなあと納得して見てたんです。

乳製品の摂取量は、日本人は世界の中でも少ないほうです。
ヨーロッパの国と比較して3分の1、アメリカと比べても2分の1以下です。
ヨーロッパのほうは、牛乳というより生クリームやバター、チーズなどが
多いんだと思います。ですから、アメリカなどの国の分析が、
必ずしも日本人にあてはまるわけではありません。

クリックで拡大できます
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少し前、世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関が、
ハムやソーセージなどの加工肉や、牛や豚などの赤肉を毎日食べ続けると、
発癌リスクが特に大腸癌において高まると発表し、日本でも話題を集めました。
ですが、日本は世界的に見て最もこれらの摂取量の低い国の一つで、
それほど気にする必要はないという反論もすぐ出てきました。
食生活、食文化の違いがあるので、単純に世界との比較はできないんです。

牛乳を含む乳製品については、昔から前立腺癌や乳癌など、ホルモンに関係した
癌の発症と関連があるのではないかと指摘されてきましたが、
近年になって、乳製品を多くとる人は、前立腺癌で7%、
卵巣癌で13%リスクが高まるという論文が出されています。

それにしても、ハーバード大学はよくやりますね。アメリカ農務省が
食事のたびに牛乳をとることを推奨しているのは、おそらく向こうの
畜産団体からの圧力が理由の一つとしてあると思われます。
それに対して真っ向から異を唱えているわけです。

ハーバード大医学部
weeertyu (2)

ハーバード大学では以前にも、アメリカで販売されるサプリの典型的な成分である
オメガ脂肪酸とビタミンDについて、中高年の人4万人を対象にした大規模な
治験を行い、どちらも癌の予防、心血管疾患の予防、そして死亡数に影響が
なかったことを明らかにしました。つまりまったく効いていない。

これにはサプリ業者は困ったでしょうね。ただ、アメリカは貧富の差が激しい
階層社会で、高額民間保険に加入している金持ちは
どんな治療でも思うままに受けられますが、数千万人いるとされる無保険者は、
癌になってもサプリくらいしか治療法がないんです。

さて、一般的に、食品の健康に対する効果を研究する場合、その資金は
食品会社や生産者団体から出されることが多いんですね。例えば、
チョコレートの生産者団体が資金を出して、チョコレートの健康に対する
影響を調べる。その場合、研究者は資金をもらってるもんだから、
どうしてもその団体に有利なほうに結論が傾きがちです。

ですから、「○○食品は健康にいいと研究者が発表」みたいなニュースは、
眉に唾をつけて見ることが大切です。上記のニュースで、ハーバード大が、
力のある生産者団体に対してはっきりものが言えるのは、アメリカの税制が
日本とは違っていて、主に卒業生でしょうが、大学に一般人からの多額の
寄付が集まるためもあるんです。お金をもらってないから正直なことが言える。

weeertyu (1)

さて、食品と健康について、例えば「コーヒーは体にいい・コーヒーは体に悪い」
という相反した内容の話題が出され、消費者が混乱する場合があります。
これ、どっちが正しいんでしょうか。じつは両方とも正しいんですね。
コーヒーは刺激物で胃に悪いが、肝臓にはよいという具合に、
人体は複雑ですので、さまざまな形の影響があっても不思議ではありません。

トータルしてどういう影響があるかなんて、不確定要素が多くて
調べようがないですよ。ただ一つ言えるのは、さまざまな食品を少しずつ
バランスよく食べるのがいいだろうということです。自分はアクアを
趣味にしていて、水槽で水草を育てたりもしています。植物の3大栄養素は
窒素・リン酸・カリウムで、その他に微量のミネラルなども必要です。

で、これがすごく複雑なんですね。ある成分はイオンの形でないと吸収
できないとか、単体では吸収されにくく、吸収率を上げる別の成分といっしょに
与えなくてはならないとか、とにかく難しい。人間の体も同じで、ある成分を
そのままとっても、吸収されずすぐに排出されてしまうことも多いんです。
ですから、体にいい成分を含んだサプリが、必ずしも効果があるとはかぎりません。

さまざまなサプリの中には効果の怪しいものも
weeertyu (4)

今、糖質制限が流行っていますよね。ご飯やパンなどの炭水化物を極力減らして、
その分を他の食品でおぎなう。たしかにこれをやれば体重は減ります。
ダイエット効果は実証されてますが、極端な糖質制限が体にいいかといったら、
よくはないでしょう。炭水化物は人体に必要な栄養素です。ただまあ、
それを承知で、どうしても痩せたいからやるというのは個人の自由ですが。

さてさて、引用ニュースに戻って、ハーバード大学の研究者たちによる推奨では、
牛乳は1日1~2杯、ヨーグルトは170~450グラムまでを
摂取の上限量としているようです。あたり前の結論で、アメリカ人は
常識的な量を飲んだり食べたりしなさいよ、ということなんですね。

ということで、食品についての研究にはかなり怪しいものも多いんです。
自分はなるべく、どっからその研究資金が出ているかをみるようにしています。
くり返しになりますが、食で健康になるためには、できるだけ多種の食品を
少しずつ食べることだと思います。では、今回はこのへんで。

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weeertyu (5)




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コメント
私は乳糖不耐症でして成分無調整だと400mlくらいで下痢になってしまいます。昔はアカディを飲んでましたが甘味があってあまり美味しくないです。この症状はアジア人だけかと思ってましたが、ヨーロッパ人でも、少ないが一定の比率でいるんだそうですね。でも、アメリカ人の消費量はすごいですね。牛乳だけで毎日1.5Lとは。その他にチーズとか食べるわけですからね。
形名 | 2019.08.10 09:23 | 編集
コメントありがとうございます
アメリカに旅行に行ったことがある方はわかると思いますが
そこらのファーストフード店に入って注文すれば
ポテトとか異常な量が出てきます
自分は体は大きいほうですが、さすがに食べきれませんでした
bigbossman | 2019.08.10 19:05 | 編集
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