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癌ビジネスの実態

2019.08.13 (Tue)
東京の健康食品販売会社の社長ら4人が、「がん細胞が自滅する」
などと効能を宣伝し、がん患者に健康食品を高額で販売していた
として逮捕されました。

同社は「フコイダン」という成分が含まれた原価約3000円の商品を
5万円を超す値段で販売。3年間に28億円余りを売り上げていました。
このように、がん患者さんを相手に医学的根拠のない治療を高額で提供し、
利益をあげる業者は後を絶ちません。
(山本健人氏のブログ)

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今回はこういうお題でいきたいと思います。これは個人ブログからの
引用で、ブログ管理人の山本健人氏は消化器外科専門医ということです。
それにしても、原価3000円を5万円で売るのはボロい商売ですね。
ただ、これも健康食品として売る分には罪にはなりません。

医薬品ではない食品を、「癌が治る」 「癌に効果がある」こういう
宣伝文句で売った場合、薬事法に違反するんです。ちなみに
フコイダンとは、主に海藻に含まれるヌルヌルした成分のことです。
実験用マウスなどでは、癌に対する効果は認められるものの、
人間での治験は行われていません。

さて、何から書きましょうかね。はたしてこのフコイダン、癌に効果があるのか。
自分はないだろうと思ってます。もし本当に癌に効果があるなら、
世界の巨大製薬会社が黙ってるはずはありません。彼らはアマゾンの奥地に
分け入って毒矢の成分を調べたりなど、薬効のあるものを探し求めています。

今井雅之氏 テレビで病気を明らかにした途端 さまざまな代替療法の案内が送られてきたそうです
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当然、フコイダンについても実験を重ねているはずです。そのうえで、
これは使い物にならないと放棄した。これで数百億円かかる治験を
実施しても損になるだけと判断したんでしょう。実験用マウスで薬効効果が
認められたという成分はいろいろあります。しかし、じゃあそれが
人間にも効くかというと、そこには大きな壁があるんです。

マウスの場合、ただのお茶(緑茶)やウコンエキスを注射しただけでも、
癌が消えたり縮小したりするんです。フコイダンだけでなく、
アガリスク(キノコ)、メシマコブ(キノコ)、プロポリス(ミツバチが
巣に塗る成分)、ブロリコ(ブロッコリー由来の成分)、霊芝(キノコ)
深海鮫エキスなどについても同じです。

まあ、これらの健康食品には即時的な副作用はないだろうと思われます。
ですが、本当に副作用がないかどうかはわかりません。ニンジンに多く
含まれるβ-カロテンについて、アメリカで大規模な臨床試験が行われ、
その結果、β-カロテンを主成分としたサプリメントを常用していた群で、
喫煙者では肺癌の罹患率が上昇していることがわかったんです。

小林麻央氏 糠風呂をはじめ いろいろな民間療法をやられていたようです
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日本でも、癌にはニンジンジュース、野菜ジュースというのが浸透していて、
乳癌で亡くなったアナウンサーの小林麻央さんも飲んでいたようですが、
効果がないどころか、かえって癌リスクが高まってしまう。
これは考えてみれば当然で、ある成分の過剰摂取が体にいいわけがないです。
体液のバランスが崩れて細胞を傷つけてしまうでしょう。

さて、では、どうしてこういう高額な健康食品に手を出してしまう人が
いるんでしょうか。これはいくつも原因が考えられます。まず、
ふだんから自然食品などの信奉者である場合。アップル社の共同設立者の
一人であるスティーブ・ジョブズ氏は、IT企業に身をおいていながら、
ニューエイジ思想を実践していました。

ITとニューエイジって相性がいいんですね。彼は膵臓の神経内分泌腫瘍に
かかっていると診断され、手術を勧められたものの拒否。絶対菜食、ハリ治療、
ハーブ療法、瞑想などで癌を消そうとしました。ですが、再検査で癌の
増大が判明して、結局は手術を受けます。最後は肝臓移植までしたんですが、
最終的に癌のために亡くなります。

スティーブ・ジョブズ氏 彼ほどの資産家でも転移・再発した癌は治りません
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まあ、自分の主義主張で、最後まで西洋医学の治療を拒んだというなら
それは一つの生き方でしょうが、ジョブズ氏は最初に手術しなかったことを
強く後悔していたと言われます。もちろん、早期に手術したとしても、
完治できたかはわかりません。アメリカにはこういう自然主義者は
多いものの、日本ではそれほどの数はいないと思われます。

2つめは、癌と診断され、ショックのあまり何かできることはないかと
すぐにネットを検索しまくったケース。ネットには、その手の健康食品、
代替療法、民間療法などの広告があふれていて、ショック状態にある人は
たちまちひっかかってしまうんです。あまりに氾濫してしまっているので、
とても取り締まるのは不可能という気がします。

膀胱癌にかかった元プロボクシングのチャンピオン、竹原慎二氏も
このケースで、ネットで見つけたフコイダン、1本3万のものを
とりあえず24本買ったそうです。その心理はよくわかります。
竹原氏は余命1年を宣告されたものの、膀胱摘出、再建の
最新治療を受け、現在もお元気です。

膀胱癌を克服した竹原慎二氏
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3つめ、これが最も深刻な理由だと思いますが、再発・転移してしまった
ステージⅣの癌は、現代医学では治す方法がないことです。
抗癌剤治療は症状の緩和、延命が目的です。技術的な限界点であり、
どうしようもないんですが、患者にしてみればあきらめきれない、
やはり完治したいですよね。

そこへ、代替療法の業者が「治りますよ」 「いっしょに治しましょう」と
声をかけてくれば、怪しいとは思いながらも話を聞いてしまう。
そうすると向こうはプロですから、さまざまな手口を使って
お得意様に引き込んでいく。その結果、何百万から千万以上の
お金を使って、最終的には亡くなります。

自分も目撃したことがあるんですが、そういう業者は大病院のPET検査室の
前の待合室にいて、患者の家族が深刻な顔で座っていると、「たいへんね
・・・わかりますよ」などと言って近づいていくんです。その業者は、
1本5万円、月40万円以上かかる「癌の治る水」を売っていました。

アメリカの病院に付随したチャペル
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死人に口なしですし、家族もそういうのに引っかかったのが恥ずかしくて
表沙汰にできないという構図があるんです。自分はオレオレ詐欺と同じような
もんだと思ってますが、問題なのは、現役の、あるいは退職した大学教授などが
お金をもらって業者に名前を貸していたりすることです。医学博士、元〇〇大教授、
そういう名前が出てれば、ころっと信用してしまう人もいます。

さてさて、長くなってきたのでそろそろ終わりますが、解決は難しいですね。
一番いいのは「健康保険で行う標準治療で癌が治ること」それができれば、
代替療法など一掃されるでしょう。ですが、癌は手強い敵です。
取り締まりを強化すればいいと思われるかもしれませんが、
健康食品としてそれらを売るのを止めることはできません。

あと、日本人の死生観の問題もあります。ほとんど無宗教の日本人は、死を忌避し、
ふだんから話題にすることを避け、見ない触れないようにしています。自分の死を
受容できない人がとても多い。だから逆に、心霊の話が流行ったりもします。
自分がアメリカにいたとき、病院内にチャペルがあり、余命宣告を受けた人が祈りを
捧げているのを見ました。死は神のおそばに行くことなんですね。
では、今回はこのへんで。





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