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小人のオカルト

2019.08.26 (Mon)
sry (2)

今回はこういうお題でいきます。小人(こびと)って、どうやら
放送禁止用語みたいですね。ミゼットという言葉がかわりに使われたり
しているようですが、何か変だなあと思います。この場合の小人は、
小人症という病気の人をイメージしてるんだと思いますが、
小人には「小さい人の姿をした妖精」という意味もあります。

『ガリバー旅行記』には、小人国が出てきますが、これも近年は、
本の中に出てくる国名「リリパット国」が使われることが多いですね。
ちなみに、小人の対義語的な意味合いを持つ「巨人」は放送禁止では
ないようです。巨人症という病気もあるのに、

これが放送禁止用語にならないのは、「読売巨人軍」があるためだ、
などとも言われます。うーん、なんかおかしい。
今はあるのかどうかわかりませんが、昔は女子プロレスの前座で
小人プロレスというのをやってました。

sry (6)

この名前も、いつの頃からかミゼットプロレスと言い換えられるようになり、
だんだんに、小人プロレスそのものがよくないと言いだす人まで
出てきました。でも、本人たちは自分の仕事に誇りを持ってやってるんだし、
その活躍の機会を奪ってしまうのはおかしな話です。むしろ差別と
言うなら、小人プロレスがテレビに映らないほうが差別という気がします。

さて、日本神話における小人というと、「少彦名命 スクナヒコ」が
知られています。ガガイモの実の船に乗って海の彼方から現れ、
大国主命の国造りを手伝うことになります。異国の神なんですね。
そして国造りが終わると、草に弾かれて常世国(あの世)に
飛んでいってしまいます。

少彦名命
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別にいてもいなくてもいいような役割なんですが、これについて、
本居宣長は『古事記伝』において、大国主命の「大」と
少彦名の「少」を対比しているだけの意味しかない、
と解説しています。まあ、そうなのかもしれません。

日本の民話では、「山の中に小人が住んでいる」みたいな話は
あんまりないんですね。最初は小人として現れても、やがて大きくなる
という筋のほうが多い。一寸法師がそうだし、かぐや姫も、
最初は3寸ほどの大きさだったのが、ぐんぐん成長して
数ヶ月で一人前の娘になります。

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さて、3世紀の『三国志』魏志倭人伝には、倭地の近くに
「侏儒(しゅじゅ)国」があるという記述があります。
「又有侏儒國在其南 人長三四尺 去女王四千餘里」
この当時の中国の一尺は23cmくらいですから、これがほんとうなら、
70~100cmほどの人が住んでいる国ということになります。

自分はこれ、中国に古くから伝わっている伝説を書いただけだと
思うんですが、邪馬台国九州説の中には、
「魏志倭人伝はすべて真実を書いている」と主張する人もいます。
種子島から、弥生から古墳時代にかけての人骨の調査で、極端な
低身長のものが見つかっていて、これを侏儒国だとする意見もありますし、

インドネシアのフローレス島で発掘された2万年ほど前の成人の
遺骨から、今まで知られていない身長1メートル前後の骨格が見つかり、
ホモ・フローレシエンシス(フローレス人)と名づけられていて、
これをもって侏儒国はインドネシアにあったと主張する人もいるようです。

コナン・ドイルの妖精写真
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さて、西洋に話題をふると、小人の妖精の話はいろいろありますよね。
前に少し書きましたが、ヨーロッパにはキリスト教が広まる以前からの
民間伝承の流れがあり、小人もその中の一つです。
エルフ、ドワーフ、ホビット、ノームなど、国によっていろいろ呼び名があり、
身長もネズミくらいから1mを超える種族までさまざまです。

キリスト教が広まったことで、多神教と偶像崇拝は厳しく禁じられました。
妖精のようなものは悪魔の一種として見られたんですが、
民衆の間では、民話として小人の話は語りつがれ、『グリム童話』などにも
登場します。お手伝いをしてくれる「靴屋の小人」の話は有名です。

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これらの小人の多くは、はっきり人間に敵対しているわけではありませんが、
無邪気で残酷な、イタズラな子どもがそのまま大人になったような
性格をしていて、結果として人間に危害を加えるケースもあります。
以前、ドイツに長年駐在していた人から聞いたところでは、幽霊はほとんど
信じられていないが、地の精の小人のようなものを信じる年配者はいるそうです。

さて、小人をあつかったホラー作品で傑作なのは、イギリスの
ジョン・ブラックバーンという人の長編小説、『小人たちがこわいので』。
そう長い話ではないので、未読の方にはぜひ読んでいただきたいですね。
北アイルランドの港町で魚や貝の大量死が起き、工場排水による
環境汚染が疑われる。また、船舶の無人暴走衝突事故なども起きます。

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一方、北ウェールズの寒村に屋敷を買った主人公は、呪われた土地という
噂のある丘の発掘調査を始めますが、その調査を許可した
資産家の地主が、地元の伝説どおりの奇怪な遺体で発見されます。
また、この地主が経営している航空会社の飛行機の
排気音を聞いて幻覚症状が起きる事件が多発。

その飛行機を開発したソ連の技術者が、理由不明のまま西側に亡命
しようとしてソ連当局に射殺される。一見ばらばらで何のつながりも
なさそうな出来事ですが、主人公の活躍で、最後の最後に
超驚愕の真相が明らかになります。ネタバレはしないでおきましょう。

さてさて、ということで、小人のオカルトについて見てきましたが、
最初に余談を入れてしまったためにスペースがなくなってしまいました。
書くことはまだまだたくさんありますので、
いずれ続きをやるかもしれません。では、今回はこのへんで。

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sry (9)



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