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笑いのオカルト

2019.09.03 (Tue)
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今回はこういうお題でいきます。「笑い」についてWikiを見ると、
いきなり最初に、「動物の中で笑うのは人間だけである」と出てきて、
自分は疑問を持ってしまいました。なぜなら、これについては、
動物も笑うことができるとする研究もあるからです。

例えば、ドイツのフンボルト大学の研究では、ネズミはくすぐられると
笑うという結果が発表されています。え、でも、おかしくて笑うのと、
くすぐられて強制的に笑わされるのは違うんじゃない、
と思われるかもしれませんが、両者の区別は難しいんですね。

人間もやはりくすぐられると笑いますが、これは体表にある
感覚皮質の神経が興奮するためです。で、この神経が興奮すると、
脳内のある部位に信号が伝わって笑いが生じます。
ただまあ、ネズミの場合、ギャグマンガを読んだり、
落語を聞いて笑うということはありませんよね。

笑うネズミ
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そういう知的活動がほとんどできないためですが、結果として、
くすぐられて笑うのも、ギャグを見て笑うのも、脳内で起きる最終的な
反応に大きな差はないんです。ですから、上のWikiの内容も、
「動物の中で知的な笑いができるのは人間だけである」とすれば、
より正確なんじゃないかないかと考えます。

『今昔物語』に、これに関係した話が載っているのでご紹介します。
生まれつき数学(当時は「算道」といったようです)の才能のある男がいて、
日本に来ていた唐人について、さらに道を極めることになりました。
平安時代、算道は呪術の一種と考えられており、天変地異を起こしたり、
人を呪い殺したりすることができると信じられていたようです。

男はすぐに上達し、唐人からさまざまな術を習いましたが、
人を殺す術だけは教えてもらえませんでした。それは自分の弟子として
中国に渡ったら教える、と言うんですね。当時の算道は、「算木」という
積み木のような直方体の棒を並べて計算をしていたようです。

算木とその使い方
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余談ですが、江戸末期から明治初期にかけて、復古神道と呼ばれる
一種の新興宗教が流行し、算木は「天津金木 あまつこんぎ」と呼ばれ、
天地の神秘を解き明かすためのものとされました。これを大成したのが
大石凝(おおいしごり)真素美という人ですが、このあたりはかなり
専門的なオカルトになるので、興味を持たれた方は検索してみてください。

話に戻ります。男は唐人の師に恩義は感じていたものの、
中国に渡るのが嫌だったので、約束をすっぽかしてしまいました。
腹を立てた唐人は、一人で中国に戻る船の上で、その男に算道の呪いをかけ、
そのため、聡明だった男は呆けてしまい、何を聞いてもすぐに忘れる
という状態になります。その後、男は法師になってあるお屋敷に仕えます。

そこでも満足に受け答えもできないので、大勢いる使用人たちに
バカにされていました。ある夜、女房たちが集まって物語の会をしたとき、
一人の女房が、男に向かって「眠気が出てきたので、なにか面白い話をして
笑わせてほしい」と言います。まあ、できないだろうと侮っているわけです。

自分もよくわかりませんが、きわめて高度な計算ができるようです
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男は、「とても私にはおもしろい話などはできませんが、
ただ笑わせることならできます」そう言って、算木を持ってくると
床に積み上げ、その様子がおかしいと、女房たちはますます
バカにします。ところが、その算木を男がはらりと崩すと、
女房たちのあちこちで爆笑が起こり、ついには全員が

転げ回って笑い出したんですね。体をよじり腹を押さえ、
涙とよだれを流しても、いつまでも笑いは止まりません。女房たちは
笑いながら、「このままでは死んでしまう、どうかとめてください」と
男に向かって手を合わせ拝むと、「では」男はさらりと算木の形を崩し、
すると女房たちの笑いはピタリと収まったんです。

笑いを司る脳の部位は?
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あんまり笑いすぎたため、全員がそこらにごろごろと横になって、      
病人のような状態からしばらく回復しなかったそうです。
この話なんかは、算道をやっているところを見ていた人が、
その様子に神秘的なものを感じて できたものだろうと思います。

あ、『今昔物語』を紹介しているうち、もう字数が尽きかけています。
笑いの話に戻って、アメリカのエモリー大学の研究で、
電気刺激を与えると笑いが生じる脳の部分が発見されています。
「帯状回 たいじょうかい」という下図の部分で、感情を司り、
大脳辺縁系の各部位を結びつける役割を果たしているようです。

「帯状回 」
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これは、てんかんの発作を起こす部分を探しているうちに偶然発見されたん
ですが、患者はその刺激によって「愉快でリラックスした気分」を
感じていたそうです。何かの治療に使えるかもしれません。
ところで、youtubeで、笑う赤ちゃんの動画が出てますよね。

大人が変な声を出したり紙を破ったりすると、0歳児が際限なく笑います。
下の動画がそれですので、ぜひご覧になってください。
赤ちゃんは、まだ脳内の神経系の発達が十分ではないため、
回路が大人のようにつながっておらず、こういう現象が起きるようです。

さてさて、笑いについて見てきました。笑うことが健康にいいのは
間違いないみたいですね。免疫をつかさどるNK細胞が活性化し、
癌の予防になるそうです。山形大学は今年度、めったに笑わない人は、
よく笑う人に比べて死亡率が2倍になり、脳卒中などの心血管疾患の
発症率が高いことを発表しています。では、今回はこのへんで。

「Laughing baby」





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