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寿命のオカルト

2019.09.07 (Sat)
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今回はこういうお題でいきます。どんなことが書けますでしょうか。
じつは寿命って、オカルト史とはたいへんに深い関係があります。
なぜなら、西洋でも東洋でも「不老不死」は人間にとっての一つの
到達点と考えられていたからです。これをめざして、
さまざまなオカルトが発生してきました。

中国の道教では、冥界はこの世とあまり変わりのないものです。
そこで、修行を積んで死ぬことのない仙人になるのが究極の目標と
されました。秦の始皇帝がその晩年、不老不死を追い求めて、
東方海上にある蓬莱山に方士、徐福を派遣したのは有名な話ですよね。

錬金術師
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不老不死になるため、具体的な方法として「煉丹術」を実行します。
これは外丹と内丹にわかれ、外丹は草木や鉱物から調合した薬を
服用します。これにより、中国では漢方薬が発達したんですが、
水銀や砒素を服用して命を縮めた者も多かったようです。

内丹は、人体の中で気を練り、火を起こす炉のようにして長命を得る
という方法で、瞑想や呼吸法が重視されました。
これが「気功」のもとになったのは間違いないですし、仏教の禅宗に
おける座禅の源流の一つであるとも言われます。

ただ、不老不死の仙人であっても、事故で死ぬことや殺されることは
あります。また、仙人になるには仙骨という生まれつきの素質が
なくてはダメで、誰でもがなれるわけではありません。道教で祀られる
神様には、中国のさまざまな時代で仙人になった人物がいます。

関連記事 『仙人になるには』 『仙道・道教について』

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西洋では、錬金術で不老不死が求められました。錬金術の大きな目的は
2つあり、一つは卑金属から金を作り出すこと。もう一つが、
生命の水「エリクサ」を用いて万病を治し、長命を得ることでした。
この研究が現在の化学に発展していきましたし、修道院で作られる
リキュール類もここからできたものですね。

さて、では、人間はどのくらい生きられるんでしょうか。一説には、
120歳が人間の生物学的な寿命の限界と言われていますが、
これについては後でふれます。現在、ご存命の日本の最高年齢の方は、
1903年〈明治36年〉生まれの田中力子さんで、116歳。
同時に世界最長寿でもあります。しかし明治36年というのはすごい。

田中力子さん
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103歳のときに初期の大腸癌で手術をしましたが、それ以外に
大きな病気はしたことがなく、頭のほうもしっかりしていて、毎日オセロを
やっているそうです。なるほど、オセロはルールは単純ですが、
そのわりにゲーム性が深いので、ボケ防止にいいのかもしれません。

では、すでに亡くなった方で世界最高長寿はどのくらいかというと、
ギネスブックが認定した記録では、世界最高が、フランスの
ジャンヌ・カルマンという女性で、122歳で亡くなっています。
ただ、この記録には疑問があり、自分の娘とどこかの時点で
入れ替わっている可能性が指摘されています。

さて、ギネス非公認の記録に目をやると、これはありえない世界になっていて、
世界最長寿記録は中国の李青曇(り せいどん)という人で、なんと256歳。
生まれたのが1677年、1933年に亡くなりました。職業は漢方医で、
山中で仙人から八卦掌(拳法)と内気功を教えられたということです。
身長は2m近くあり、残っている写真を見るとたしかに大きい人ですね。

李青曇
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長寿の秘訣は、基本的に自ら採取した薬草、霊芝やクコの実、朝鮮人参、
ドクダミ、ツボクサ、あと米酒だけを口にする生活を続けていたためと
されます。まあねえ、256歳はとうてい信じられませんが、清朝時代の
「1827年、李青曇150歳の誕生日を祝った。1877年には200歳の
誕生日を祝った」と記された公文書が発見されているとも言われます。

あと、170歳、161歳の男性もいたようですが、どちらもアフリカの
人物であり、その信憑性には大きな疑問符がつきます。
で、最初のほうに書いた話に戻って、世界の長寿の人物を記したWikiの
表を見ていると、110歳代の人が多いんですよね。
その多くは120歳までいかずに亡くなっています。

テロメア
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やはり生物学的な限界点があるのかもしれません。「ヘイフリック限界」
という言葉を聞かれたことはあるでしょうか。1961年、人間の細胞の
分裂回数には限界があることが発見され、その発見者の名前から
つけられています。なぜ限界があるのか、
ここで注目されたのが「テロメア」です。

テロメアは染色体の末端部分にあり、クリップのような形をしています。
生まれたばかりのときは長かったテロメアが、年齢を重ねるにつれて
だんだんに短くなり、細胞の分裂限界は50回、
これによって、人間の寿命は最長でも120歳までと見られてるんです。

怖いのは、正常な細胞が遺伝子変異した癌細胞はこれを持っていない
ことで、つまり不死性を獲得していることになります。
ですから、手術などの物理的手段で切り取ることができなければ、
現代の科学では治療法がないんですね。

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さてさて、では、どうしてあらかじめ寿命の限界が定められているのか。
これは、遺伝子は種全体を繁栄させるのが最大目的で、
子どもを産み育てた時点で、その個体にはこの世から退場してもらう。
言葉は悪いのですが、自然による姥捨てと言っていいのかもしれません。
癌が存在するのも、そのシステムの一つだという説もあるんです。

最後に、日本の平均寿命は長いですよね。香港についで世界2位だったと
思います。ですが、健康寿命はそれほどでもありません。
これは、世界でも類を見ない異常な延命治療が貢献していると言われます。
医療の延命中心主義による人工呼吸や胃瘻など、スパゲッテイ症候群と
呼ばれるものですね。では、今回はこのへんで。

関連記事 『サン・ジェルマンの憂鬱』 『医者はなくなる?』 『歴史を変えた重金属』

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