FC2ブログ

宮司さんから聞いた話

2019.09.15 (Sun)
今回は、自分(bigbosman)が仕事でお近づきさせていただいている
宮司さんからお聞きした話を書きたいと思います。いちおう
解説すると、宮司というのは神職の職階の最高位で、まあ簡単に言うと
その神社のトップということです。宮司の次の位は禰宜(ねぎ)ですが、
大きな神社では、間に権宮司(ごんぐうじ)が置かれることもあります。
また、宮司は宗教法人であるその神社の代表役員でもあります。
宮司は選ばれてなる場合もありますが、世襲の神社もけっこうあります。
世襲の場合、その家系は驚くほど長く続いていることが多いですね。
お話をうかがったのは、ある県の一之宮(その地域の中で最も社格の
高いとされる神社)の宮司を務めておられる方で、6世紀からずっと、
一族の中から宮司が選ばれる家系です。

どこの神社かという具体名は、いろいろさしさわりがあるので
書くのは控えさせていただきます。その宮司さんは、自分より10歳ほど
年長で、たいへん物知りな方です。大阪市内の自分の共同事務所近くの
ホテルのバーでお話をうかがいました。あ、ちなみに仏教とは違って、
神職がお酒を飲まれるのは何の問題もありません。
「ずっと〇〇社で修行されてるんですか」 「子どもの頃はそうでした。
 私が4歳くらいのときから修行が始まりましたね」
「どんな修行です?」 「滝行とかいろいろあるんですが、
 これはくわしくは言えません」 「ああ、そうですよね。その後は」
「神社本庁で修行した後、他の御社の禰宜になり、そこで20年以上
 お務めさせいただきました。宮司になったのは15年ばかり

 前のことです」 「さっそくですが、神社に務められて何か不思議な
 ことや、怖いことなどありましたか」 「ええ、いつのころだったか、
 私が25歳を過ぎたあたりかな、一般の方には見えないものが
 いろいろ見えるようになってきました」 「ははあ、どのような」
「まず龍ですね」 「え、龍?!」 「そうです、黒い龍と虹色の龍、
 2体おられるんです。はっきりとはわかりませんが、
 神様の化身なのでしょうね」 「中国の龍みたいなものですか」
「いや、ああいった顔ではありません。大きいですよ、
 神域の上の空いっぱいに広がりますから、数百mはあるでしょう。
 目も鼻もないけれど、口だけはあるんです。その口で
 参拝にこられたみなさんの願い事を食べるんです」

「どういうことですか」 「私どもの神社では、月に2回、縁日の朝に、
 まず最初に黒い龍がやってきます。そうですね、魚の鯉みたいな墨色を
 していて、大きく口を開けながら神域の上を旋回するんです。
 で、それがいなくなると今度は虹色の龍、それはそれは美しいものです」
「うーん、どうして2体おられるんでしょうか」 「おそらくですが、
 最初の黒い龍は、悪い願い事を食してるんだと思いますね」
「悪い願い事というと」 「こう言ってはなんですが、参拝される方の
 みながみな、まっとうな願い事をされるとはかぎりません。
 これは絵馬に書かれる方もいるんですが、〇〇に死んでほしいみたいな
 ことです」 「ああ、わかります。神様が絶対聞いてくれるとは
 思えないような、反社会的、利己的な願い事も中にはありますよね」

「はい、そういったことは、黒い穢れた気となって神社の上空に溜まって
 しまうんですね。それをまず先がけの黒い龍が食べて浄化する。
 その後にやってきた虹色の龍が、神様がお聞き届けになる祈りを
 体内に収めて戻っていくんです」 「ははあ、そうですよねえ、
 神様が何でもかんでも聞いてくれるわけがない。どういった形で
 願い事をするのがいいんですか」 「よく言われるのは、自分はこれこれを
 がんばりますので、どうか神様、力をお貸しくださいみたいな形」
「やっぱり、自分で努力することがベースにあるんですね」
「そうです。それができていれば、人智ではおよばない運の領域にある
 部分で、神様が力ぞえをしてくださいます。ほら、〇〇断ちという
 のがありますでしょう」 「ああ、お茶断ちとか五穀断ちとか」

「そうです。あるいはお百度参りとか。そういった形で神様にご自分の
 決意を示すのも一つの方法でしょう。言うじゃありませんか。
 神は自ら助くるものを助くと」 「納得できるお話です。他には何か」
「そうですね、これを言っていいのかどうかわかりませんが、
 神社には相性というものがあるんです」
「え、どういうことですか」
「参拝される方と、そこの神社の神様の相性ということです。
 例えば、その方の氏神様と、参詣先の神様の仲が良くないとか、
 日本の神様は大勢がおられますから、敵対というと言葉が悪いですが、
 相反する属性を持つ神様もおられます」 「ああ、なんとなくわかる
 気がします。月の神様と雲の神様みたいな感じですね」

「そうです。それで、そういう相性のよくない方がお参りすると、
 私たちの目にはすぐにわかりますよ」 「どうなるんですか」
「額に穴が空いたり、文字が浮かび上がったりするんです」
「うわあ、実際に穴が空くわけじゃないんですよね」 「もちろんですが、
 中にはこぶしが入るほどの大きな穴が空いて見える方もおられます」
「それ、どうなるんですか」 「鳥居から出ると穴はだいたい消えますね。
 ・・・この話、bigbossmanさん、ブログに書かれるんですか」
「そのつもりですが、うまくないでしょうか」
「いや、そんなことはないですが、でしたらぜひ、
 このことを書いてください」 「どんな」 「今ほら、神社巡りや
 パワースポット巡りというのを、されてる方がおられますでしょう」

「ああ、スピリチュアルブームですから」 「でもね、先ほどお話したように、
 同じ系列の御社を回るならともかく、地域が近いからと言って、
 1日に何社もの神社を回るのは考えものなんです」
「わかります。お守りとかもそうですよね。あっちの神社、こっちの神社と、
 いくつもいただいてきても、かえって具合の悪いことが起きたりするって」
「そうです。俗な言い方ですが、神様のほうでも、なんだ当方の力を
 信じちゃいないのかって考えられるでしょう」 「そうですよねえ」
「たしか新井白石でしたか。古事記などを研究して、神は人なりと
 看破されましたでしょう」 「そうです」 「ある面、それは正しいんですよ。
 日本の神々は一神教の絶対神とは違って、嫉妬や怒りなどの感情を持って
 おられますし、ときには理不尽な暴力をふるわれることもあります」

「そうですよね、荒ぶる神という言葉もあります」 「ですから、
 神様はそういう気まぐれなものだと考えておいたほうがいいと思いますよ」
「なるほど、納得できることばかりです。他に、神社にお務めされていて、
 怖いものを見たということはありますか」 「異形のものでしたらよく見ます」
「どんな」 「最近見たのは、そうですね、衣冠束帯を身に着けて、
 頭だけが丸太に荒縄を巻いたような姿のもの」 「それはいったい何でしょうか」
「おそらくは他の神社からのお使いだと思いました」 「他には」
「目が顔に30ほどもついているクリクリ頭の小坊主」 「小坊主というと、
 仏教の」 「そうです。神社と仏寺というのはまるで異なったものではなく、
 人々の願いを取りあつかうという点では同じですから、
 その小坊主も近隣のお寺さんからのお使いなのでしょうね」

「ははあ、他に?」 「そうですね、俗に言う幽霊も来られますよ。
 特に事故者の方が多いですね」 「というと」 「急な事故で亡くなって
 しまったので、とまどっているんでしょう。頭がつぶれたり、腕がちぎれかけた
 ような姿で現れます」 「どうなるんですか」 「ほとんどの場合、
 鳥居をくぐっただけで消えてしまいます。あるいは御神木の
 枝にふれるとかでも」 「そういう霊って怖くはないんですか?」
「いや、若い頃から見てますので、とっくに慣れっこになりました」
「うーん、自分のブログは恐怖を一つのテーマとしてるんですが、じゃあ
 宮司さんには怖いものはないと」 「いやいや、やはり人間が一番怖いです。
 私の場合は・・・奥さんですね。妻にはどうやっても勝てません。
 頭が上がらないですよ」 「・・・いや、貴重なお話、ありがとうございました」

吉川八幡神社_石鳥居_縦



関連記事
スポンサーサイト




トラックバックURL
http://scoby.blog.fc2.com/tb.php/2137-ad023706
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する