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天使のオカルト

2019.10.01 (Tue)
sy (4)

今回はこういうお題でいきます。youtubeなどの動画サイト、
あるいは画像検索でもいいですが、「Angel caught on camera」
で検索してみると、さまざまな天使がカメラにとらえられています。
その大きさも、昆虫程度の小さいものから、人間くらい、
あるいは空いっぱいに大きいものまでいろいろ出てきますね。

これらは作り物ではなく、実際に撮影したと投稿者が主張する
場合がほとんどです。日本だと、心霊画像、動画の投稿が多いですが、
海外では似たようなことが天使で起きてるんですね。
では、なんで日本には天使の目撃例は上がってこないのか?

『受胎告知』に登場する中性的な天使
sy (5)

これは、日本がキリスト教国ではないから、という答えが最も正解に
近いんでしょうが、さすがにそれだと身もフタもないですよね。
天使は基本的に神の御使いです。ですから、異教徒あるいは
無神論者だらけの日本にこそ、神が天使を派遣する理由がある
と言うこともできなくはないでしょう。

さて、天使はキリスト教のもとになったユダヤ教にもいますし、
イスラム教の天使はキリスト教と重なってたりするんですが、
本項では、主にカトリックにおける天使の話をしていきたいと思います。
天使(angel)の語源は、 ギリシア語の(angelos アンゲロス)から
きていて、伝令という意味。ラテン語じゃないのはちょっと意外です。

天使はもちろん神がお創りになったもので、最高の創造物とされています。
ただし、神は全知全能ですが、天使はそうではありません。
天使は肉体を持っているのかどうか? これはキリスト教内でも
古くから議論が分かれてきましたが、基本的には肉体を持たない存在で、

ヤコブと力比べをする天使
sy (6)

必要があれば姿形をともなって人間の前に現れる、と考えられることが
多いようです。その場合、多くは白いトーガのようなものを着て、白鳥の
翼を持った中性的な姿で描かれます。ただ、初期のキリスト教絵画では
翼はありませんでした。天使が翼を持つようになったのは、おそらく、
ローマ帝国でキリスト教が国教化された頃からだと思われます。

次に、天使には性別はあるのか? これは、ないと考えられています。
多くは女性的な姿で描かれますが、天使の中には、
ヤコブと力比べをした者や、戦場に槍を持って現れた者もいますし、
やはり、その場にふさわしい姿をとることができるようです。

天国から堕ちるルシファー
sy (3)

『新約聖書』のマタイ伝、最後の審判の描写には、「復活の時には、
彼ら(復活した人)は娶ったり、嫁いだりすることはない。彼らは
天にいる天使のようなものである」と出てきていて、これが天使に
性別がないことの根拠になっています。ですから、中世までの
絵画には、天使は、顔は女性的でも胸のない姿で描かれていました。

それがルネサンス期になり、ギリシア神話のエロス、ローマ神話の
キューピッドとイメージが混じりあって、現在はかなり何でもあり
になってきています。次、天使には人格や個性があるのか?
見逃されがちですが、これはたいへんに重要な論点なんです。

ローマ神話のキューピッド(クピド)
sy (8)

キリスト教では、神は自分の姿に似せて人間を創りました。
そして現在ももちろん、全知全能の神は人間の社会を見守っています。
じゃあ、それなのに何で、人間社会は貧困や犯罪などの暗い部分があるのか。
「神が人間に自由意志を与えたため」と解釈されることが多いですね。
ですから、人間の中には自らの意思で悪を為すものもいます。

また、神は同じように、天使たちにも自由意志を与えました。
そのため、天使の中には神に反抗し、天国から堕ちたものもいます。
堕天使です。天使ルシファーは南極に落ち、そこでサタンになったと
されます。まあ、悪魔は堕天使だけではないんですが、
人間の心にさまざまに働きかけ、堕落の世界に引き込もうとしてきます。

漫画『デビルマン』のラストシーン
sy (2)

人間に自由意志があるからこそ、最後の審判のときに神によって
裁かれるわけです。すべての死者がよみがえり、
自らの意志で善行を積み、信仰に生きた者は天国へ、
逆に、自分から悪の道に入ったものは地獄行きと決定されます。
キリスト教の教義の根幹にかかわる部分なんですね。

さて、天使をあつかった作品はいろいろありますが、小説で自分が
気に入ってるのは、SF作家フレドリック・ブラウンの短編集
『天使と宇宙船』の中の「ミミズ天使」というお話。
主人公のもとで、ありえない奇妙な出来事が連続して起きる。
例えば、ゴルフ場でミミズに羽が生えて天に昇っていったりします。

『ベルリン 天使の詩』
sy (1)

ミミズは(angle)、天使は(angel)で、つづりが少しだけ違います。
ネタバレになってしまいますが、天国にある神様のタイプライターが
故障しており、4文字目と5文字目が入れ替わってしまってるんですね。
それに気づいた主人公は、修理をするために知恵を絞って
天国へと向かいます。ひじょうにアイデアの秀逸な作品でした。

映画だとそうですね。ヴィム・ヴェンダース監督の『ベルリン 天使の詩』。
ここでの天使は不死ですが、何の力も持たず、ただ人間世界を
見守ることしかできません。そうした天使の中には、天使の地位を捨て、 
寿命のある人間となって地上に降り立つ者もいる・・・映画の中では、
刑事コロンボを演ずる俳優ピーター・フォークも元天使という設定でした。

さてさて、ということで天使のオカルトについてみてきました。
プロテスタントと天使、あるいはイスラム教の天使、このあたりのことも
書きたかったんですが、余白がなくなってしまいました。
また機会もあるでしょう。では、今回はこのへんで。

sy (7)



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