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猿のオカルト

2019.10.04 (Fri)
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今回はこういうお題でいきます。猿のオカルトというと、最大のものは
UMA系の話になるかと思います。ヒマラヤのイエティ(雪男)、
あるいは北米のビッグフットなんかですが、これらについては、
いまいち書く気にはならないですね。

自分はオカルトのジャンルの中ではUMAが一番好きなんですが、
猿人系はそれほど興味をそそられません。もしいたとしても、
新種の猿だろうと思うからです。猿人やギガントピテクスの生き残り
というのは考えにくいでしょう。実際、マウンテンゴリラが
発見されたのは20世紀に入ってからのことです。

有名なUMA画像「モノス」 クモザルの一種の死体を無理に座らせたものと見られている
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ただこれ、よくUMAをあつかったサイトでは、ゴリラのような巨大な動物が
20世紀初頭まで発見されなかったのだから、他にも巨大生物が
生き残ってる可能性はある、みたいな書き方をされてるんですが、
未発見だったのはあくまでマウンテンゴリラ種で、ローランドゴリラ
などは19世紀からヨーロッパの動物園に入ってるんです。

さて、日本における猿のイメージは、「動物の中では賢いけれど、
やはり人間に比べれば劣っている」という感じでしょうか。
「猿真似」 「猿知恵」などという言葉がありますね。中国でも
「朝三暮四」という有名な故事成語の話に出てくるのが猿です。

いちおう説明すると、宋の狙公が宮廷で飼っていた猿に、朝に3つ、
夕方に4つ餌をやると言ったら怒ったので、朝4つ、夕3つにしたら
喜んだ。ここから「目先の違いに気をとられて、実際は同じであるのに
気がつかないこと」という意味で使われます。

日吉神社の神猿(まさる) 山王信仰とかかわりがある
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考古学的には、縄文時代、弥生時代の遺跡から猿の骨が
出土しますので、食べられていたのは間違いないでしょうが、
その数は多くはありません。これは、鹿と猪が大量にいたためと、
木の上で暮らし、すばしっこい猿は、狩るのが難しかったためで
あると思われます。猿肉が不味いからというわけではないようです。

『日本書紀』によると、675年、天武天皇が「牛、馬、犬、猿、鶏」
を食べることを禁じる法令を出しています。これは仏教の殺生戒を
重んじたためですが、4月から9月までの期間に限っていて、
農耕が行われない冬場は、そのかぎりではなかったようです。

さて、アジアでは、古くから猿を神仏の使いとしてみる文化が
ありました。中国の孫悟空、インドのハヌマーンは有名ですね。
日本でも、日吉神社では猿を眷属としていて、
神社のホームページを見ると、「神猿(まさる)」は「魔が去る」
に通じていて縁起がよいと出ています。

インドのヒーロー「ハヌマーン」 孫悟空のモデルともされる
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これは、日吉神社の御祭神の一柱が国津神である
大山咋(おおやまくい)神であることと関係があると思われます。
余談ですが、幼名が「日吉丸」、アダ名が「猿」であった豊臣秀吉は、
日吉神社への信仰が厚く、たびたび寄進をした記録が残っています。

神仏の使いとして尊ばれる一方、猿にはまた、妖怪「猿神」としての
話も残っています。『今昔物語』には、美作国(岡山県)での出来事として、
「猿神が年に一度、女を生贄に求めることが続いていて、その年は
ある若い娘に白羽の矢が立ち、両親ともども嘆いていたところ、
犬を連れた若い猟師が現れて娘のかわりに櫃に入り、

運ばれた先で大猿が100匹ほど手下の猿を連れて現れた。
猟師と犬はすべての手下の猿を倒し、大猿は二度と生贄を求めないと
命乞いしたので逃してやった」という内容が出てきます。
この類話は全国各地に見られ、戦国時代の実在の武将・武芸者、
岩見重太郎の狒々(ひひ)退治の話としてまとめられます。

岩見重太郎(薄田兼相)の狒々退治
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妖怪としての狒々は、猿に似ているがずっと体が大きく、
たいへんに力が強くて人間の女性を好み、襲ったり生贄として求めたり
するとされます。ただ、日本には大型の野生の猿はいないので、
中国から移入されたものでしょう。前4世紀の『山海経』には
狒々の話がすでに出てきていますね。

さて、ホラー小説で猿をあつかったものは、『猿の手』などがありますが、
ここでは史上初の推理小説と言われる、エドガー・アラン・ポーの
『モルグ街の殺人』をあげておきましょう。みなさんご存知でしょうが、
モルグ街のアパートメントの4階で、2人暮らしの母娘が
非人間的な方法で惨殺される。

この解決に乗り出すのが、素人探偵のオーギュスト・デュパンです。
映画だと、これもいろいろありますが、ジョージ・A・ロメロ監督作品、
1988年の『モンキー・シャイン』が印象に残っています。筋は、
ある陸上選手が交通事故に遭い、首から下が麻痺してしまいます。

『モンキー・シャイン』
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絶望した主人公に、友人の生物学者は身の回りの世話をする
ヘルパー猿、エラをプレゼントします。エラはたいへん賢く、役に
立ちましたが、これは密かに人間の脳細胞のエキスを注入されて
いたためです。うーん、映画として成功作とは言いにくいと思いますが、
ロメロ監督の密室劇は、異様な迫力はありました。

さてさて、ということで猿のオカルトについて見てきましたが、
いまいちまとまらない内容になったかもしれません。
記事としては、生物学関係で猿についてもう1本書ける
ような気がします。では、今回はこのへんで。

関連記事 『ハリ―・ハーロウの光と闇』

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