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古代宇宙飛行士説について

2019.10.26 (Sat)
アーカイブ175

ペルー南部の乾燥した高原地帯に残る世界遺産「ナスカとパルパの地上絵」。
巨大な地上絵は空から眺めない限り全体の把握が困難なほどだが、
最近ではドローンを使った考古学調査が進んでいる。
そんな中、大きな発見があった。

パルパの砂漠に埋もれていた新たな地上絵が50個も見つかり、
しかもそれらは紀元前500年~西暦200年ごろに作られたのだという。
これまで発見された地上絵は西暦200~700年ごろに作られたと
考えられており、今回の地上絵を作り上げたのはよく知られた地上絵を描いた
ナスカ文化の前、この地に栄えていたパラカス文化の時代の人々と見られる。
(ナショナル ジオグラフィック)



今回のニュースはこれですが、自分が書きたいと思っているのは、
少し別のことです。さて、この発見のきっかけは、
遺跡保護調査のためのドローンを飛ばしたことだそうですが、
ペルーには、地上絵を含めて、まだまだ発見されていない、あるいは、
存在は確認されてても未調査の遺跡がたくさんあるんですね、

上の引用記事にあるとおり、今回見つかったのは、有名なハチドリや
サルなど、ナスカ文化の地上絵よりも、500年から1000年ほども古く、
ペルー南部のパラカス半島を中心に栄えた、
アンデス文明の形成期文化の人々によって描かれたもののようです。

大きな特徴としては、ナスカの地上絵が幾何学的、抽象的であるのに対し、
戦士などの人物を描いたものが多いということです。
それと、パラカス文化の地上絵は、平地に描かれたナスカのものと違って、
山の斜面にあり、麓の集落から見ることができたという点です。
ま、日本の京都の大文字焼きみたいなものなんですね。

さて、ナスカの地上絵に関しては、その巨大さ(ハチドリが96m)から、
どうやって描かれたのか、さまざまな説が立てられてきましたが、
現在では、「拡大説」が定説になっています。
これは、まず、ある程度の大きさを持った元図形を描き、
その各部に定点をとり、ヒモなどを使って拡大していくというものです。

「ハチドリ」の地上絵


拡大のための杭を打った跡が確認されていますし、地上絵の元になった
元図形も発見されているので、それで間違いないでしょう。
ただし、ナスカの地上絵は、さえぎるもののない平地だからできたのであり、
今回、山の斜面に描かれたものが、拡大説で説明できるかはわかりません。

ナスカの地上絵を描いた人々が、古くからあるパラカスの地上絵を
参考にしたのは間違いないでしょうが、ナスカの地上絵は、
そうとう上空からでないと、その全容を見ることはできず、
何のために描かれたのかについて、さまざまな説が出されています。

ユニークなのは熱気球説ですね。ナスカの人々は熱気球の技術を持っていて、
宗教的な儀式として、地上絵を高高度から眺めていたとするものです。
たしかに、ナスカ文化には気球に使用できるような高密度の布はありましたが、
気球そのものは発見されておらず、また技術も後代に伝えられていないため、
これは、根拠の乏しい仮説の域を出ません。

ナスカでの熱気球実験


さて、ここから本題です。このような「古代の」 「巨大で」 「精密な」
技術について、必ず出てくるのが「古代宇宙飛行士説」です。
簡単に言えば、「人類史上の古代または超古代に、宇宙人が地球に飛来し、
人間を創造し、超古代文明を授けたという説」のことですね。

これを唱える人物としては、スイスの実業家、エーリッヒ・フォン・デニケン
が最も有名でしょう。彼の著作は、1970年代に各国でベストセラーになり
ました。デニケンは日本にも1975年に来ていて、
青森の「遮光器土偶」を宇宙飛行士であると断じたのは、よく知られています。

で、自分はこの「古代宇宙飛行士説」があんまり好きじゃないんです。
この説の論点は、① 古代にはありえない技術で作られた遺跡・遺物がある。
② 古代の遺物には、宇宙人や宇宙船を思わせる絵画や彫刻がある。
③ 古代の神話には、宇宙人の飛来を疑われる内容が含まれている。

まあ、こんな感じなんですが、自分は特に①が気に入りません。
自分は大学で考古学を専攻したんですが、学べば学ぶほど、
古代人の知恵に感心することばかり出てくるんですね。こんな高度なものは
古代人に作れるはずがない、というのは単なる先入観です。

古代人と言っても、数千年前の人間と現代の人間の知能は何も変わりません。
例えば、古代ギリシアなどを見ればよくわかりますが、
ホメロスの叙事詩が書かれたのは、今から2800年前のことですし、
ピタゴラスは2600年前、アルキメデスは2300年前、
ナスカの地上絵が描かれたより、ずっと古い時代の人物です。

現代の人間は、各方面からの知識の集積によって、
古代人よりも多少は物を知っているでしょうが、じゃあ、
ピタゴラスの定理やアルキメデスの原理を、何も予備知識のないところから
発見できるかといったら、ほとんどの現代人はできないでしょう。

「現代人の目から見て高度な技術だから、古代人にできるはずはない。
宇宙人が知識を授けたのではないか」・・・これは大きな勘違いなんです。
ですから、安易に宇宙人を持ち出すのは自分は感心しません。
ま、砂漠の中から、古代の宇宙船が発見されたとかいうのなら話は別ですが。

さてさて、引用のナスカ、パラカスなどの遺跡は、破壊の危機にさらされています。
車で遺跡の上を走り回ったり、ゴミを捨てたりすることが後をたたないんですね。
国力の大きくはないペルーだけで遺跡を保護するのは難しいでしょう。
世界的な協力が求められています。では、このへんで。

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へなkしうあ




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