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神の概念、魂の概念

2019.12.05 (Thu)
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今回はこういうお題でいきます。まあ、内容はたわごとのような
ものになると思いますので、スルーされたほうがいいです。
さて、自分は大学で考古学を専攻したんですが、そのときにふと、
神の概念と霊魂の概念って、人類の中でどっちが先に
できたんだろう、という疑問を持ちました。

でもこれ、考古学者にとっては、あまり考えないほうがいい
内容なんですよね。考古学の対象になるのは、遺跡と遺物です。
つまり、モノを対象にした学問で、そこから古代人の内面を
読み取るのはなかなか難しいんです。どうしても推測が入ってきます。

考古学は実証的な学問をめざしているので、遺跡を発掘した場合、
計測、分類、整理が最大の仕事になります。出てきた土器片の
寸法を測り、洗って袋に入れ、出土した場所と対応するように
図面に記録し、形をスケッチして番号をつけて保管します。
それがえんえんと続く、たいへん地味な作業なんです。

中国神話の神 盤古
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さて、神の概念はひじょうに古くから見られます。世界の
四大文明と言われる、黄河文明、インダス文明、メソポタミア文明、
エジプト文明、すべてに神話があり、何らかの祭祀が
行われていました。また、すべてが多神教でもありました。

この四大文明、それ以外でも早い時期に生まれた文明の中で、
共通して出てくる神というと、世界創造神(この世界をつくった)
大地母神(生命の誕生を司る)、太陽神、海洋神、風の神、
雷の神、山の神、冥界の神などですね。日本神話にも、
これらの神がやはり登場します。

一神教が登場するのはその後です。世界創造神だけが特化して
信じられるようになり、その他の神は排斥されて消えます。
偶像は破壊され、唯一神以外の神は人間を惑わす悪魔、
とされたりしました。この世界のすべてのことは、ただ一人の
全能の神が調和をとって動かしている。

インド神話の神
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一神教は砂漠などの自然が豊かとは言えない環境、また、多部族に
分かれて生活している地域で生まれやすいなどとも言われます。
うーん、一神教と多神教ではどっちが多いんでしょう。
キリスト教、イスラム教は世界に広まっていますが、
人口が多いインドは多神教ですよね。

さて、多神教の神々の中で異質なのが、冥界の神です。
これは自然を擬人化したものではなく、死者が行くとされる場所を
支配する神です。ということは、人間には霊魂があり、
死後に行く世界があるということになります。

エジプト神話の神々
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ちなみに、日本神話では死者は「根の国」というところに行くとされ、
そこを支配するのはイザナミとスサノオとされます。
オオクニヌシノミコトも含めて、この三神は出雲の国と
深い関係があり、根の国の入り口(黄泉比良坂)は、
現在の島根県にあるとも言われています。

では、人間が霊魂を持っているという概念はいつできたのか。
これは難しいですね。家族の死体を埋葬する事例はかなり古くから
見られますし、ネアンデルタール人にも埋葬の習慣がありました。
明らかに人為的に掘られた穴に、膝を折り曲げ埋葬された化石人骨が
多数見つかっており、大量の花粉が同時に見つかった例もあります。

埋葬されたネアンデルタール人
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その穴に花を投げ入れていたということですが、ただ、埋葬例が
見られることで、霊魂を信じていたとまでは言えません。
愛する家族の遺体が、腐敗していったり、野獣に食い荒らされるのを
見たくないので埋葬したとも考えられます。

さて、多神教においては、自然神の中に、いつのまにか祖先神が
入ってきます。すでに亡くなった祖先、特に過去に偉大だった
部族のリーダーは、死後に霊となって部族を見守っている。また、
祖先神に祈ることでその年の豊作を成就してくれるなどの考え方です。

巨大前方後円墳
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日本では、巨大古墳に祀られている主には、首長霊という言葉が
使われます。古墳の上で儀式を行って、偉大だった前の首長の
霊魂を新しいリーダーが受け継ぎます。
食器と見られる土器が出土しており、神と人が食事をともにする
ような形だったと考えられます。

ということで、神の概念と霊魂の概念は、どちらが先にできたとも
いい難く、互いに影響を与えながら現在まで続いてるんだと思います。
ああ、またありきたりの結論になってしまいました。
まあでも、それはしかたのない面もあるんですよね。
みなさんが洞窟で暮らす石器人だったと考えてみてください。

穴居生活
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狩りに出た夫が夜になっても帰ってこない、あるいは子どもが熱を
出して起き上がれない。やはり何かに祈りたくなりますよね。
そこで祈る対象が神になります。また、病気の子どもは死んでしまったが、
完全に消え去ったとは考えたくない。どこか別の世界に行って
暮らしている、そこで霊魂の概念ができあがります。

さてさて、あとは社会進化論的な考え方が関係してきます。人間が定住して
集団生活を営むようになると、神を祀ることを仕事にする司祭階級が
できあがります。司祭階級は多くの場合、集団の中では地位の高い
特権階級になります。で、最初は単純だった神の属性と神を祀る儀式、
魂の概念はどんどん複雑化していくんですね。では、今回はこのへんで。

シュメール神話の神
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