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刃物のオカルト

2019.12.26 (Thu)
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今回はこういうお題でいきます。刃物というのはかなり
幅広い概念で、一口で言うと「物を切る道具」なんですが、
鎌などの農具、包丁などの調理用具、カッター等の工作用具
あるいは文房具、あとは刀や槍などの武具といった具合に、
用途によってさまざまに分類できます。

今回はおそらく、武具についての話が中心になると思いますが、
その他の刃物についても、いずれ取り上げてみたいと考えています。
さて、刃物のオカルトというと、大きく2つあるかと思います。
一つは、「呪われた刃物」に関するもの。もう一つは、
刃物の持つ「破邪性」を強調したもの。

これ、相反するような内容なんですが、オカルトの場合、
こういうことは珍しくありません。どちらも有名な怪談になって
いますね。どっちからいきましょうか。まずは破邪性のほうかな。
破邪というのは、言葉どおり、邪悪な魔物を打ち破る、
寄せつけないという意味です。

骨董品の刀 この手のものは気をつけたほうがいいとも言われます
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刃物は、当然ですが触れれば切れます。また、つくった刀匠、
鍛冶師の精魂がこもっている。そのため、刃物を見せてギラリと
刃を光らせると、魔物はおそれて近寄ってこない。昔は、
狐狸に化かされていると感じたときには、持っている刃物を
見せびらかすようにするとよい、などとも言われました。

まあ、動物にとって金属はなじみのない物ですし、光の反射や
臭いなどを嫌がるということは考えられなくはありません。
ある地方では、亡くなった人の遺骸が魔物にとられるのを防ぐため、
胸の上や枕元に刃物を置いていました。

お通夜のときの守り刀
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火車という妖怪がいますよね。一般的には、猫の化けたものであり、
遺体には猫を近づけるな、またがせるななどの伝承もあります。
で、この火車から遺体の魂をとられないために、胸や棺桶の上に
刃物を置く地方があります。あれ、なんか見えてきませんか。

猫は光るものが嫌いと言われますよね。猫の通り道に水を入れた
ペットボトルを置いておくと、光の反射を嫌って近づかなくなる
という俗説があります。ほんとうに効果があるかどうかは
わかりませんが、もしかしたら、遺体のそばに光る刃物を置くのは、
このことと関係があるのかもしれません。

ただ、これは火災の危険があると言われており、ペットボトルの中の
水がレンズになってボヤを起こした例が、実際に愛知県で報告されて
います。そのときは近くにあった古タイヤが焦げたくらいでしたが、
やめておいたほうが無難かもしれません。

試し斬り(据物斬り)
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江戸時代に流行した百物語の正式な作法では、刀は百物語を語る
部屋には持ち込みません。当時は武士だけではなく、
町人も脇差を持っていたんですが、これは魔物が刀を嫌うためです。
百物語で怪異を出現させるためには、刀はあってはならない。

ですが、みなが刀を持たないかわりに、部屋に名刀と言われるものを
飾っておくという流派もあったようです。さて、次に、
刀が祟るほうの話に進みたいと思います。江戸幕府徳川家に、
村正という刀が祟りをなすという話は有名ですよね。
これについては、以前に詳しく書いてますので、

関連記事 『妖刀村正の話』

合戦絵巻
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興味を持たれた方は参照されてください。武器としての刀は人を斬る
ための道具で、いくら見てくれがよくても実用に適さないものは
ダメです。そこで、身分のある武士が刀を新しく手に入れた場合、
研ぎとともに、試し斬りの依頼を出しました。

江戸時代は、山田浅右衛門家が一手にそれを引き受けていました。
このあたりのことも過去記事に書いています。試し斬りには
罪人の死体が使われ、胴体3つを重ねて切断すると「三ツ胴」です。
記録としては、一振りで7つの胴体を切断した七ツ胴までが
残されています。この記録は刀の茎(なかご)に彫られたりしました。

関連記事 『山田家の二股商売』



あと、戦場で使われた武具や馬具はどうなったでしょうか。
例えば古戦場と言われる場所を発掘しても、人骨は出てきても、
武具類が出土するのは珍しいんです。徹底的に回収されて
いたんですね。当時の合戦絵巻などを見れば、裸で横たわる武士が
描かれていますが、これは鎧や衣類を身ぐるみはがされたためです。

回収した刀などが味方のものだった場合、持ち主がわかる場合は
遺族に返されましたし、そうでなければ再使用されました。
いっぽう敵の武器の場合、よいものであれば勝ったほうが使う
こともありましたが、多くは武器商に売られました。
従軍する足軽や雑兵には手当が支給されていないことも多く、

『ジョジョの奇妙な冒険』のアヌビス神
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戦場では武具を拾い集めて売ってたんですね。また、
戦国時代も後半になると、戦いに慣れた農民が集まってきて、
戦死者から武具をはぎ取るということもあったようです。
ですから、骨董になっている古い刀や脇差、鎧などには
怖いいわれを持つものが多いんです。

さてさて、最後に、刀自体が命を持つという話があります。
マンガになりますが、『ジョジョの奇妙な冒険』第3部に登場する
アヌビス神は、本体を持たない刀のスタンドで、手にした人間を
操って人を斬らせていました。では、今回はこのへんで。

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