FC2ブログ

壺のオカルト

2020.01.14 (Tue)
cc (2)

今回はこういうお題でいきます。前に「箱のオカルト」という
記事を書いていて、なんか似た内容になりそうな気がしますが、
なるべくかぶらないようにしたいと思います。さて、壺などの
容器がオカルトである点は3つくらいあるでしょうか。

一つは、長い年月を経てたくさんの人の手を渡っていること。
その間に呪いなどがかかってしまっているかもしれません。
もう一つは、中に何が入っているかわからないことです。
西洋では、「壺の中の悪魔」というモチーフがあります。

悪魔あるいは魔神が壺の中に閉じ込められていて、
壺の所有者になった人物に「出してくれたら願いを聞いてやる」
みたいにもちかける話ですね。童話にもなっていますが、
この起原はかなり古く、ギリシア神話のパンドラの箱や、

cc (6)

『千夜一夜物語』のアラジンの魔法のランプなどがもとに
なっていると思われます。ちなみに、アラジンのランプの中に
いるのは、童話ではランプの精となっていますが、原典では、
ジンという魔神です。ジンは中東で広く信じられており、
イスラム教の聖典もこの存在を否定していません。

で、この壺の中の悪魔と知恵比べをする人物には、歴史上の
有名人があてられたりします。一つだけご紹介すると、
誰がいいですかね。中世のスイス生まれの医師、パラケルススは
ご存知でしょう。前に当ブログでも取り上げていますし、
人工生命ホムンクルスを造ったと言われていますね。

ホムンクルスを育てるパラケルスス
cc (4)

このパラケルススは、閉じ込められていた悪魔を助けると言って
だまし、自分の持っている剣に封じ直したという話が残っています。
パラケルススの剣は「アゾットの剣」と呼ばれ、
何かことがあれば、悪魔を呼び出して使役したとされます。

さて、3つめは、壺は箱と違って口が開いていますね。
ですから、中に何かを入れるのが、多くの場合箱よりも容易です。
何が言いたいかというと、中国の『西遊記』に出てくる
金角・銀角の魔王兄弟が持っていた、名前を呼びかけた相手が
返事をすると中に吸い込まれてしまうひょうたんのことです。

金角・銀角と魔法のひょうたん
cc (7)

ひょうたんは壺じゃないと思われるかもしれませんが、
世界各地で、乾かしてから中に液体などを入れて携帯するという
壺と同じような使われ方をしていました。金角兄弟が
持っていたのは、「紫金紅葫蘆 しきんこうころ」という名前で、
時間が立つと、中の相手を消化液で溶かしてしまいます。

もしかしたら、食虫植物のウツボカズラなどがヒントになって
いるのかもしれません。このような、仙人や妖怪が持っている
不思議な力を持った宝器を、中国では「宝貝パオペエ」と
言います。『西遊記』には、他にも風を起こして火山の炎を
消すことができる芭蕉扇などが登場していました。

哪吒太子 8本の腕に8つの宝貝を持ち、さらに宝貝の円盤に乗って戦う
cc (5)

ここで少しパオペエの話をしましょうか。『封神演義』によれば
仙人はふだん、清らかで欲のない生活をしていますが、
1500年に一度、どうしても人を殺したい気持ちががまん
できなくなる「殺劫」があると説明されます。
ただし、一般人を殺してもしょうがないので、

相手も強力な仙人であると予想され、そのため、数百年から
千年以上をかけて、殺劫を破るときのための武器をつくって
るんですね。それで、宝貝には鞭や槍なんかが多いんです。
ちなみに、孫悟空が持つ如意棒も宝貝ですが、あれはもともと
武器ではなく、海底の深さを測る測量用具だったみたいです。

如意棒を持つ孫悟空
cc (8)

おっと、壺の話からそれてしまいましたね。少しオカルトから
離れて、壺というのは、日本では土器と考えてもいいと思います。
土器の用途は大きく2つ。一つは物を貯蔵するためのもので、
もう一つは中に食材を入れて煮炊きすることです。

そのため、火にかけても割れたりしない強度が必要ですし、
土器の肉厚が薄いほど、火の伝わり方がよく、煮炊きに時間が
かかりません。日本の考古学には土器編年というのがあり、
作られた時代時代のわずかな形式の変化を調べて
年代別に配列したたいへん精緻なものです。

縄文土器
cc (1)

他の国の考古学には、こういうのはあまりないんですよね。
年代を調べるには炭素年代が使われる場合がほとんどです。
縄文土器は、表面に縄を押しつけた模様がつけられていることから
名づけられましたが、では、弥生土器にはどういういわれが
あるかご存知でしょうか。

これはじつは、初めて発見された場所の地名がとられてるんですね。
1884年、東京府本郷区向ヶ岡「弥生町」の貝塚から、
丸みを帯びた土器が見つかったのが最初です。一般的な縄文土器と
弥生土器を比較すると、ずいぶん肉が薄くなっていることが
わかります。また火にかける方法も異なっています。

弥生土器
cc (3)

さてさて、ということで、壺のオカルトを見てきましたが、まだ
書きたりないですね。小説や映画の話題にもふれたかったんですが、
そこまでいきませんでした。また、続きを書く機会があるかも
しれません。では、今回はこのへんで。

cc (9)




関連記事
スポンサーサイト




トラックバックURL
http://scoby.blog.fc2.com/tb.php/2302-180aeb1f
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する