幽霊について5

2014.01.13 (Mon)
 今回は前回とは別の面から考えてみたいと思います。
量子力学の「2重スリット実験」についてはご存知の方も多いと思います。簡単に説明すると、
二つの隙間(スリット)が開いたボードに向けて電子銃で電子を撃ち出します。
ボードの向こうには感光スクリーンを置いておきます。
電子を大量に撃ち出すと、スクリーンには干渉縞ができます。
電子が当たったことを示す点が、バーコードのような濃淡になって現れるのです。
これは電子が波の性質を持っていると考えれば特に不思議ではありませんね。
波であれば二つのスリットを同時に通り抜けることができるからです。

 ところが電子を1個ずつ撃ち出したとします。するとスクリーンには1個の点ができます。
さらに2つのスリットに電子がどちらを通ったか感知できるセンサをつけると、
電子は必ずどちらか一方のスリットを通っていることがわかります。
これは電子を粒子(つぶ)と考えないと説明がつきません。
しかし1個ずつ撃ちだしているはずなのに、それをくり返し続けると先の実験と同様の
干渉縞ができてしまうのです。
不思議ですよね。不思議ですが、何度も追試されているこの実験の結果に間違いはありません。

 どう考えればよいのでしょうか。もし電子が粒子であるならば、
1個ずつ撃ちだ出した(しかもどちらのスリットを通ったかわかる)のに、
干渉縞ができてしまうのはおかしいです。
また電子が波であるならば、1個を撃ち出したときに両方のスリットを通っていないのはおかしい。
どちらで考えても矛盾が起きてしまうのです。
 これに対する量子力学的な解釈はこうです。
このスクリーンに現れる干渉縞は、電子がどこに到達するかの確率の濃淡を表している。
電子は観測される前は波であり、
観測されたとたんに(センサで感知されたとき、スクリーンに到達したとき)粒子となる。
これをコペンハーゲン解釈といい、量子力学では主流になっています。

 ですが、これ以外の解釈もあります。
エベレット解釈と呼ばれるもので、多世界解釈とも言われます。
プリンストン大学の大学院生であったヒュー・エベレット3世が提唱したものです。
コペンハーゲン解釈では、電子は観測されないうちは波として広がっていると考えますが、
エベレット解釈では、観測された瞬間に電子がそれぞれ別の場所で観測された分だけ
世界が枝分かれすると考えるのです。
多世界解釈は並行世界(パラレルワールド)などと言われSFよく用いられますが、
学問的にはそれとはちょっと違います。
・・・ここまで簡潔に説明するつもりでしたが、うまくできず長くなってしまいました。

 さて、勘のいい方ならここから話がどう展開するかだいたい予想がついたのではないでしょうか。
幽霊の存在をこの多世界で説明できないかということです。
ここからは思い切り眉唾になりますので・・・w
 一般に、上記のような性質はミクロの場合において発現すると考えられています。
それはそうですよね。
野球のピッチャーの投げたボールが波のように広がり、どこにあるのかは確率的にしか言えない。
キャッチャーがキャッチしたとき、始めてボール=粒となって現れるなどということになったら、
こんな魔球はねらって打つことはできません。
バッターは確率が濃そうな空間に向けてバットを振りだすことしかできませんね。

 しかし、多世界的な重なりの中で、ある人が先ほど交通事故で死んだ世界に自分はいる。
ところが重なり合う平行世界では、その人が死んではいない世界が低い確率で存在する・・・
と考えることはできないでしょうか。
「シュレディンガーの猫」の思考実験でも、多世界解釈では、
観測の時点で、生きている猫を観測した観測者と死んでいる猫を観測した観測者の重ね合わせ状態に
世界が分岐することになります。
ここで、何らかの原因で混乱が起きてしまうことはないのでしょうか。
ある人が死んでいる世界に、生きている世界がごく微小に混じりこむ。
そこで目撃されたものが幽霊と呼ばれる・・・w

『2重スリット実験での干渉縞』



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コメント
すみません。
最初の話は、もう頭がこんがらがっちゃって、全然理解できなかったですけど(爆)

でも、最後のくだり。
読んでいて、以前TVで見たリサ・ランドール博士の異次元理論の話を思い出しました。

TVでは、2次元の人が3次元の物体(例として、球体)と見た場合の見え方っていうのをやっていて。
最初は、点が見えて。
その点が、小さな円になって。
円は次第に大きくなっていって、
やがて、また小さくなって、最後はまた点になり、そして見えなくなる…というように見えるはずだと。

それを聞いた、怪談オタクな私は、
それって、まるで幽霊じゃん!って思っちゃったんですね(笑)

ま、こっからは「トンデモ」ですけど。
「死」というものの正体は、次元の移行ってことはないんだろうか?って(笑)
4次元のもう一つの軸が時間なんだとしたら、つまり死んだ人が現れたって可笑しくないわけだし…みたいな(爆)


まーね。
それこそ、ツマンナイ学者(文型の学者含む)には怒られちゃいそうですけど、そういうことを考えるのってとっても楽しいですよね。
(ていうか、考えない学者が悪いんじゃん!なんて思ったり)

てことで、次なる思考を楽しみにしてます。
ひゃく | 2014.01.18 18:53 | 編集
多世界解釈については自分も実はよくわかって書いているわけではありません。
本来は多世界のそれぞれの世界は決して交わることはないんでしょうが、
もしもある人が死んだ世界に、その人がまだ生きている世界が干渉してくるようなことがあったら・・・というような妄想です。
あと時間については、われわれの時間というのは過去から未来への一方向ですよね。これがもし未来から過去にこれるというのであれば、未来はすでに決まっているという決定論的な話に
なっていくんではないでしょうか。
自分としては未来は決定しておらず、これからがどうなってゆくかは揺らいでいる、と考えたいです。
bigbossman | 2014.01.18 23:20 | 編集
それから、ホーキング博士が時間順序保護仮説というのを出していますよね。過去から未来にはいける(ウラシマ効果)けど、未来から過去にはこれない。無理な方法を考えて行こうとすると、量子力学的な力が働いてそれを潰してしまうというような話です。
bigbossman | 2014.01.18 23:24 | 編集
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