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四神相応と風水

2020.02.19 (Wed)


今回はこういうお題でいきます。カテゴリはオカルト論かな。
さて、「四神」については以前にも書いているので、
今回は簡単にふれる程度にしておきます。四神とは、玄武、白虎、
朱雀、玄武のことで、古代中国の霊獣であり、
大地の4つの方角を司っているとされます。

これはもともと、中国天文学の「天円地方」の宇宙観から
来たもので、下図にあるように、四神はそれぞれ四季と色も合わせて
象徴しています。ただ、これだと陰陽五行説との収まりが悪いため、 
中央に黄色を表す麒麟を置く考え方もあります。

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で、中国の風水では、都市を築く場合、この四神の配置に
かなう場所(相応)がよいとして選定されたと言われます。
日本の都、平安京は隋の都洛陽、唐の都長安を参考にして
造営されたのは間違いなく、四神相応が取り入れられているのは、
朱雀門などがあることでわかります。

また、大きな地形についても四神相応であるのが風水にかなうと
されます。具体的には、北の玄武が山です。山には龍脈が走っており、
それを都地に呼び込むことで繁栄が約束される。前方(南)は
朱雀で、海や湖沼などを表します。龍脈からの精気を溜めるわけです。

現代でも、華僑の人などは玄関先に水槽を置き、赤い魚を飼ったり
していますが、これは自分の家に四神相応をあてはめているんですね。
玄武を背にして右側(西)が白虎、左(東)が青龍で、砂(さ)と
呼ばれる玄武よりも低い丘陵であるのが理想的です。
三方を山で囲むことで、風を蓄え水を集めることができます。

フラワーホーン 華僑に人気 デコが大きいほうがよいとされ、中には数百万の個体も
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この考え方は日本に取り入れられましたが、その過程でやや
変質し、日本では四神を「山川道澤」ととらえることが
多かったという説があります。「澤」というのは止水の池です。
これが平安京を築くときにあてはめられた。

具体的には、北の玄武(山)が船岡山、西の白虎(道)が山陰道、
東の青龍(川)が鴨川、南の朱雀(澤)が巨椋(おぐら)池。ただし、
これがいちおうの定説ですが、論者によっては玄武を北山とするなど
差異があります。また、四神相応は考えられているが、
山川道澤とは違う形だという意見もあります。

このあたりは、平安京造営時の風水的な考え方が文章として
残っているわけではないので、何とも言いようがないんです。
あくまで後世の見立てなんですね。自分としては、背後に山、
前方に止水の部分だけは確かなんじゃないかと考えています。

風水羅盤 正しく使える人が日本にどれだけいるか
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さて、この四神相応は、江戸の街を築くときにも適応されて
いると言われ、それを行ったのが天海大僧正。
この名前はご存知でしょう。天台宗の僧であり、徳川家康の
ブレーンの一人でしたが、出自や前半生がよくわかっておらず、

じつは山崎の戦いの落武者狩りを生きのびた明智光秀である
という説まであります。さすがに眉唾な話ですが、天海は
100歳以上の長命であったとみられ、時代が合わないわけでは
ありません。本項では、この話は深入りしないことにします。

さて、では江戸の四神相応がどうなっているかというと、
よく言われるのが、北の玄武が富士山、東の青龍が平川、
西の白虎が東海道、南の朱雀が江戸湾(東京湾)になります。
ただ、江戸城からみた場合、富士山は真北から100度以上
方角がずれてるんですけどね。

明智光秀と天海僧正
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また、天海は鬼門および裏鬼門封じも行ったとされます。
鬼門は北東の方角で、裏鬼門はその点対称位置にある南西。
陰陽道では、鬼が出入りするとして、万事に忌むべき方角と
考えられてきました。ですが、中国の風水にこの考え方は
なく、あくまで日本独自のものです。

鬼門には強力な寺社を置いて、神仏の加護によって都を
守る。平安京の鬼門封じは、天台宗の比叡山延暦寺。江戸の場合は、
下図を見てもらえばわかりますが、鬼門に神田明神、
寛永寺、浅草寺。裏鬼門に増上寺などがあります。

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天台密教を学んだ天海が、このことを意識していたのは間違いない
とは思います。江戸が長く繁栄するように霊的な守護を配置した・・・
ただ、この手のことって、地図を見て探せば、
どの都市にも、あてはまるものがあるんですよね。

さてさて、中国の風水は、本格的に学べばひじょうに難しく、
自分もきちんと理解しているとはとても言えませんし、
これまで占いに用いたこともありません。ネットで検索すれば、
風水を謳ったホームページはたくさん出てきますが、
その多くは、南側に大きな窓をつくるとか、

水回りはこちらの方角にするとか、生活の知恵の域を出ないもので、
中国古来の本格的な風水ではなく、日本的に変質した家相学の
一部でしかないという批判があります。その批判はおおむね正しい
んですが、ブラセボ効果のようなものもあるかもしれません。
では、今回はこのへんで。

家相学と間取り クリックで拡大できます
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