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アメリカで最も怖い都市

2020.02.22 (Sat)
アーカイブ228

今回はこういうお題でいきますが、ここでいう「怖い」は、
現実の犯罪があって怖いということではなく、オカルト的な意味です。
さて、みなさんはどこを思い浮かべられるでしょうか。
なかなか難しいんですが、アメリカ人に聞けば、
ニューオーリンズと答える人が多いんじゃないかと思います。

ニューオーリンズのヴードゥーショップ
タイトルなし

この間、「アメリカ裏オカルト観光」という記事を書きましたが、
あの中の、アメリカ最恐の幽霊屋敷と言われる「マダム・ラローリーの館」が
あるのがニューオリンズの街です。読まれていない方のために簡単に説明すると、
19世紀、当地の社交界の花形であったラローリー夫人が、その邸宅で、
たくさんの黒人奴隷を拷問・殺害していたのが発覚したんです。

その数は100人を超えるとも言われています。実際、邸宅が改修されたとき、
床下から75人の遺体が発掘されているんです。では、なぜラローリー夫妻は
奴隷を惨殺していたのか? 根底に、サディズムによる快楽殺人が
あるのは間違いないですが、それだけでは説明が難しい。

マダム・ラローリーの館 内部


ラローリー夫人の夫は医師でしたので、人体実験などとも言われましたが、
ラローリー医師は脊椎が曲がった患者の骨の矯正が専門で、
外科手術をしていたわけではありません。それに、奴隷の遺体の中には、
まぶたや口を黒糸でぎっちり縫われたものがあり、
これはヴードゥー人形に見られる特徴です。

ヴードゥー人形


みなさんの中には、ニューオリンズと聞けば、ディキシーなどのジャズを
思い浮かべられる方が多いでしょうが、じつは、ニューオリンズのある
ルイジアナ州は、アメリカで最もヴードゥー教が盛んな地なんですね。
ルイジアナ州の歴史は複雑です。長くスペイン、フランスの植民地であり、
1803年、ナポレオン皇帝によってアメリカに売却されました。

ルイジアナ州


その過程で、カリブ海の国ハイチから大量の移民が来ています。
そのとき、アフリカ由来の民間宗教であるヴードゥー教が持ち込まれました。
ルイジアナ州はメキシコ湾に面し、アメリカの中では
ディープサウスと呼ばれる地域です。赤道に近く、気候は高温多湿で、
たびたびハリケーンの被害を受けています。

たいへん住みにくい場所で、白人はプランテーションに入植したがらず、
黒人奴隷の労働によって発展してきた州なんですね。
州都はバトンルージュ市なんですが、日本ではあまり知られていません。
そして、最大の市がニューオリンズです。

『エンゼル・ハート』のヴードゥー儀式のシーン


さて、ジャズとヴードゥーですが、これも深いついながりがあります。
みなさんは、1987年、ミッキー・ロークが主演したアメリカのホラー映画、
『エンゼル・ハート』をごらんになったでしょうか。あの中で、
ジャズクラブで歌うのを仕事にしているヒロインが、ヴードゥーの儀式にも
参加していて、鶏の首を切って全身に血を浴びているシーンがありました。

また、ディキシーランド・ジャズのスタンダード「聖者の行進」は、
もともとは葬送のときの黒人霊歌で、ヴードゥーと関わりのあるものです。
ニューオリンズでには、ジャズクラブとともにヴードゥーショップも
たくさんあり、下の画像の「ヴードゥー博物館」は観光名所になっています。

ヴードゥー博物館
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さらに、ニューオリンズには吸血鬼伝説もあります。
ただ、ここのヴァンパイアは、普通の人間に混じってひっそり暮らしており、
自分たちのコミュニテイを持っていると言われています。
どうしてニューオリンズにバンパイア伝説があるかというと、
アメリカの他の地域と、墓地の形式が違っている点が大きいでしょう。

ニューオリンズは皿のような地形で、海面より低い場所が多いんですね。
ですから、遺体を地中に埋葬すると、洪水のときに水浸しになってしまいます。
そこで、墓地では地上に埋葬室を設け、棺はその中に収められます。
街最大の「ラファイエット墓地」も観光名所で、
アメリカで最も幽霊の姿が目撃される場所と言われます。

ラファイエット墓地
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トム・クルーズが主演した1994年のホラー映画、
『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』は、この墓地でロケが行われました。
あと、カリブ海に近いため海賊の伝説もあります。海賊といえば、
ディズニー映画、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のシリーズが有名ですが、
実際の海賊は残虐で、上陸して都市を襲撃することもあったんです。

最後に、この地をたびたび襲うハリケーン。2005年のハリケーン、
カトリーナでは、ニューオリンズの陸上面積の8割が水没して、
1600人近くが亡くなっていますが、このときの幽霊も、
夜になると出てきて街路をさまよい歩くとささやかれます。

さてさて、ということで、ニューオリンズはジャズ、ヴードゥー、幽霊、
ヴァンパイア、海賊などが渾然となった、アメリカで最も怖い都市なんですね。
アメリカの国内旅行を調べてみると、「ニューオリンズ・ゴーストツアー」
のようなものがたくさんあります。あと、アメリカ北部の人間は、
ルイジアナのようなディープサウスに、潜在的な恐怖を持っていると言われます。

『2000人の狂人』


1964年のハーシェル・ゴードン・ルイス監督によるホラー映画、
『2000人の狂人』は、世界初のスプラッタとされますが、
その筋は、南北戦争のときに滅ぼされた南部の住民が
集団で怨霊となってよみがえり、北部からの旅行者を次々と惨殺し、
バーベキューにして食べてしまうという内容でした。

じつは、アメリカ映画にはこの手のパターンのものがけっこうあるんですね。
南北戦争と奴隷問題が、アメリカの歴史に暗い影を落としている
ことがわかります。日本からニューオリンズまでは24時間以上かかると
思いますが、機会があったらぜひ訪問されてみてください。
では、今回はこのへんで。

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