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海賊の掟とマーローン

2020.04.06 (Mon)
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今回はこういうお題でいきます。これは世界史に入るのかな。
昨日、「デッドマンズ・ハンド」について書きましたが、
あの題材は映画から取ったものです。で、この記事も
元ネタはディズニー映画になります。

みなさんは『パイレーツ・オブ・カリビアン』のシリーズを
何作ご覧になられたでしょうか。ジョニー・デップフアンの
方なら全部見ているかもしれませんね。どの作にも、
海賊にまつわる伝説がうまく取り入れられていました。

一口に海賊と言っても、もちろんどの国のどの時代にも
いました。ただ、ハリウッド映画で海賊映画が作られる場合、
海賊黄金時代(17世紀後半から18世紀初頭)のカリブ海地域の
海賊のことを指します。バーソロミュー・ロバーツなどの名前は
聞かれたことがあると思います。

バーソロミュー・ロバーツ
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さて、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の第3作、
「ワールド・エンド」では、「海賊の掟」伝説が登場します。
あの中で、ローリングストーンズのギタリスト、
キース・リチャーズが、強い権限を持った掟の番人を演じてました。
作中では、掟はすべて分厚い本の中に書かれていて、

あらゆる海賊がそれに従わなくてはならない・・・
もちろん、実際に掟はありましたが、それは船の主である
海賊船長ごとに違っていました。そして、海賊船が水夫を
募集する場合、乗員はかならず掟の一覧を見せられ、
契約書にサインする決まりになっていたんです。

海賊船
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掟は意外にも民主的でした。まず最初に分け前の条項があり、
一般的には船長は平水夫の2倍の取り分。これって意外と少ないと
思われませんか。また、戦闘で後遺症が残ったり、手足を失った場合、
金貨、銀貨何枚が補償されるかなどの決まりもあり、
指一本にまできちんと値段がついていました。

さらに、物事を決める場合は投票で行われ、その投票権は奴隷以外の
全乗組員にあったんです。なぜこうなっているかはおわかりでしょう。
せまい船の中で、船長が最もおそれるのが乗員の叛乱です。
実際、船長に対して反旗を翻していい場合も決まっていて、
それを避けるために民主的にせざるをえなかったんですね。

有名な女海賊、アン・ボニー
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さて、その他の掟は、船内の事故や事件を徹底的に予防する内容です。
まずは船火事、これが起きるとアウトですので、キャップなしのパイプで
タバコを吸う、カンテラに入れず火のついたロウソクを運ぶなどは
笞打ちの刑です。次が賭博、船内でのカード、サイコロ博打などは
死刑の場合もありました。これも理由はわかりますよね。

船内への私物持ち込みはかぎられているので、賭博をする場合、
将来の分け前をやりとりすることになりますが、もし負け続けると
タダ働きになってしまいます。これで叛乱が起きたケースは
歴史的に多数あるので、賭博は厳禁だったんです。
それから船内に密かに女を連れ込んだ場合も死刑。

海賊の掟の本 映画だけの話です
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あと、船内での私闘、ケンカも禁止。ただし当時、決闘は海賊でなくても
法で認められていたので、名誉を侮辱され、決着をつけなければ
ならないと周囲が判断した場合、その2人はもよりの小島に降ろされ、
剣と銃による決闘が行われました。ですが、必ずどちらかが命を
失うというものでもなかったようです。最初に血を出したほうが負け。

あとは、相手の船を略奪した後、船大工などの特殊技能者や腕の立つ
船員は殺されず仲間入りを勧められましたが、そのときに掟に
サインさせられます。これで、もしその海賊船が捕らえられた場合、
掟に署名しているものは全員死刑です。そこで、無理やり
サインさせられたことにしてくれと頼み込む者もいたそうです。

アレキサンダー・セルカーク
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さて、マーローン(Maroon)について。掟に背いた場合の死刑は
基本的に銃殺でしたが、長い間 船で行動をともにした仲間を直接
殺すのがしのびない場合もあります。そこで置き去りの刑(マーローン)
が行われたんです。無人島に、わずかな食事や水の入った容器と、
弾丸が装填されたピストルを渡されて置き去りにされる。

ピストルは鳥などを撃てということではなく、自殺用です。
ただ、無人島といっても、岩礁しかない島もあれば、
森があり、泉が湧いていて食料となる動物がいるような島もあって、
後者の場合は命が助かる可能性があります。

アニメ『宝島』のベン・ガン
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ロバート・スティーヴンソンが書いた冒険小説、『宝島』には、
ベン・ガンという登場人物が出てきますが、彼は海賊フリントに
よって宝島に置き去りの刑にされ、10年間もそこで生き延びてきた
設定でした。ダニエル・デフォーの『ロビンソン・クルーソー』の
モデルとなったとされる海賊、アレキサンダー・セルカークは、

その性格が船の仲間すべてに嫌われ、マスケット銃、火薬、
大工道具、ナイフ、聖書、それに衣服だけを与えられて
ファン・フェルナンデス諸島の無人島に置き去りにされましたが、
4年4か月を生きのびて別の海賊船に救出されています。

さてさて、最初の話に戻って、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の
第1作、「呪われた海賊たち」で、ジャックとエリザベスは
置き去りの刑を受けてましたが、すぐに救けられ、無人島生活の
詳しい描写はありませんでしたね。まあ、ディズニー映画ですから、
そこはしかたありません。では、今回はこのへんで。






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