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恐竜はどこまで再現できる?

2020.04.09 (Thu)
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今回はこういうお題でいきます。またまた映画のお話です。
みなさんは、映画の『ジェラシック・パーク』のシリーズは、
何作ごらんになったでしょうか。自分は恐竜フアンですので
全作見ています。第一作が1993年、最新作が2018年で、
比べてみるとCGの進歩がよくわかります。

さて、このシリーズにはさまざまな恐竜が登場しますが、
はたしてどこまで正確に再現されているものでしょうか。
まず体長や体高、これは化石からわかります。恐竜の化石の
多くは骨格だけなんですが、それをもとに、
筋肉のつき方もだいたいわかりますよね。

ですから走る速さや動きの特徴なども、まずまず正確では
ないかと思うんですが、問題は外見です。特に皮膚の色。
恐竜の皮膚が化石化したものはきわめて少ないので、
色や模様を再現するのは難しかったんです。

ノドザウルス(5.5m)の皮膚を含む貴重な化石
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あれ、でも、子どもの頃に見た恐竜図鑑では、恐竜の色は普通に
あったぞとおっしゃられるかもしれません。じつは、あれは
すべて想像だったんです。まずは現生する動物を参考にした。
大型恐竜であればゾウやサイ。小型のものだったら
トカゲ類をもとに再現。

あとは、生息環境から、草原にすむものはカナヘビのような保護色。
森林地帯にすむものは、虎のような縦縞。トサカなどがある種類は、
異性にアピールするために派手な色をしていたんじゃないか、など。
それが最近、少しずつですが恐竜の体色についての理解が
進んできました。これは、恐竜が羽毛を持つことと関係があります。

T・レックスはふたたび羽毛なしで再現されることが多くなった
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このところ、恐竜の再現図が変化してきましたよね。
鳥のような羽毛を持った姿で多く描かれるようになりました。
最初の羽毛恐竜が発見されたのは1996年で、その後次々に
見つかるようになったんですが、全体からみればまだ少数です。

で、羽毛恐竜の化石をくわしく調べたところ、メラノソームという
器官が見つかったんです。これはメラニン色素を含む細胞小器官で、
多くの生物にあります。始祖鳥のメラノソームを分析した結果、
羽根の色は黒であることがわかりました。その後、さらに分析が
進められ、羽根の内側はもっと明るい色であることも判明しました。

羽毛化石の多くは中国の遼寧省で見つかりますが、2010年、
ジュラ紀後期(約1億5000万年前)の地層から見つかった
アンキオルニスという羽毛恐竜の化石から、全身の色を推定する
ことに米中の合同研究チームが成功しました。下図をごらん
いただければわかりますが、まんま鳥ですよね。

アンキオルニス


やはり鳥類は恐竜の子孫というか、恐竜の一部が進化した種で
あることがよくわかります。研究チームは、色や模様が
わかっているさまざまな現生鳥類の羽毛を調べ、細胞内の
メラニン色素を含むメラノソームの形や大きさ、
密度と実際の羽の色との関係をデータベース化。

その上で、ほぼ全身の羽毛が保存されていたアンキオルニスの
化石から、29カ所の羽毛を顕微鏡で観察。メラニン色素の分布を
データベースにあてはめ、各部位の色を推定したんです。
電子顕微鏡やコンピュータ技術がなかった昔では無理な話ですね。

T・レックスの貴重な皮膚化石
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さて、ここまで書いてきたのはあくまで羽毛恐竜の色ですが、
そうではない恐竜はどうだったのか。スウェーデン・ルンド大学の
研究チームは、モササウルスやイクチオサウルスなどの化石から
分子を抽出して分析。その結果、やはりメラニン色素が見つかり、

また、色素密度が非常に高かったことから、「全体的に黒ずんだ
色合いの皮膚」と結論づけています。ですから、将来的には
ティラノサウルス・レックスの色もわかるかもしれません。
ちなみに、T・レックスの皮膚化石は見つかっており、
それはウロコ肌で、羽毛説に疑問を投げかけています。

パラサウロロフス
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さて、残り字数が少なくなってきました。次に恐竜の声は
どうだったのか。これも化石からはノドの構造はわかりません。
ただ、カモノハシ竜の仲間であるパラサウロロフスの研究では、
この種類は頭部から後ろに1mも伸びる長いトサカを持っていて、

その内部は空洞です。この模型をつくり、空気を通してみたところ、
管楽器のオーボエをもう少し低くしたような音が出ました。
子どもの頃はトサカが短いので、大人よりは高い音だったと
推測できます。ただ、動物が音を出すしくみはいろいろで、
これ以外の恐竜についてはよくわかっていません。

映画で主人公たちを追いつめたヴェロキラプトル
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さてさて、映画の話に戻って、『ジェラシック・パーク』では
鳴き声はどうしていたかというと、ヴェロキラプトルのうなり声は、
カメの交尾するときの音を録音して合成しています。
また、T・レックスの吠え声は、犬・ペンギン・トラ・ワニ・ゾウ、
この5種類の動物の鳴き声をミックスしたものだそうです。

この他にも、複数の恐竜にウマの声が使われているということです。
ということで、恐竜の体色と声の話でしたが、
まだ書くことはたくさんありますので、そのうち続きを
やりたいと思います。では、今回はこのへんで。

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コメント
 私や管理人さんの世代なら、幼少時に図鑑で見た恐竜は「尻尾を地面に引きずっていた」ことと思いますw 今やあのスタイルを継承するのは特撮怪獣のみとなってしまいましたが、これも知見の進歩によるものですね。
 あと鳴き声といえば、ゴジラの咆哮は弦楽器を使っているんだったかな? すごい工夫だと思います。
| 2020.04.12 20:35 | 編集
コメントありがとうございます
そうですね、考えてみれば
あんな重いものを引きずって歩く必然性がないですよね
しっぽを鳥の尾羽根と考えれば
やはりバランスを取るためのものだったんでしょう
bigbossman | 2020.04.13 01:15 | 編集
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