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化鯨とオオムカデクジラ

2020.05.24 (Sun)
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今回は妖怪談義です。取り上げるのは化鯨(ばけくじら)。
これは骨鯨とも言い、かの水木しげる御大も描いています。
ただこれ、結論の出る話ではないので、あっちこっちを
さまよったあげく、まとまったことは言えないで終わると思います。

まず、伝承を見てみましょう。出雲の国とありますから、
現在の島根県で、神話の里として有名ですよね。
当時はまだ日本海でもクジラ漁が行われており、
島根半島沖は漁場として知られていました。

ある雨の夜、沖合いから大きくて白い何者かが海岸へと
近づいてきた。漁師たちが眼を凝らして見ると、どうやら
それはクジラらしいとわかったので、みなこぞって
舟を漕ぎ出していつもの漁にかかったが、いくら銛を
投げ込んでもその獲物はビクともしない。

スコロペンドラ、一説にはガレー船の比喩とも言われます
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不思議に思ってよく見れば、獲物と映っていた大きな
体はただ白い骨ばかりのヒゲクジラで、皮や肉はどこにも
見当たらなかったという。そのうち、あたり一面は奇妙な
姿の魚で満ち溢れ、さらには妖しげな鳥までが
目の前に現れたが、潮が引くにつれ、

それらははるか沖の彼方へと去って行った。漁師たちはこの怪を、
死んだクジラが怨霊となって現れたものだろうと噂し合った。
だいたいこんなお話です。クジラ目はヒゲクジラとハクジラに
分けられるのはご存知だと思います。ヒゲクジラは歯がなく、
そのかわりにプランクトンを濾し取るヒゲを持っています。

マッコウクジラとナガスクジラの骨格
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シロナガスクジラ、セミクジラ、ニタリクジラ、イワシクジラ
などがいます。生きている骨だけのクジラというのは
信じがたいような話なんですが、普段からクジラ漁を行っている
漁師たちが、他のものと見間違えることはないと思います。

うーん、何から書いていきましょうか。これは妖怪というより
UMAなんですが、「オオムカデクジラ」というのがあります。
側面や背中に多数のヒレがあるとされている海棲生物で、
ムカデのように体がいくつもの体節に分かれ、その両側に
ヒレがついている。クジラの仲間かどうかもわかりません。

ベトナムのUMA コン・リット
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世界各地で目撃例があり、大きなものはシロナガスクジラの
最大個体ほどにもなるという話もあります。
古代ギリシアではスコロペンドラ、ベトナムではコン・リットと
言うようですが、同じ種類を指しているかも不明。

また、日本では、本草学者の南方熊楠が、貝原益軒が編纂した
『大和本草』に出てくるムカデクジラが、スコロペンドラのこと
ではないかと考察しています。ベトナムでは、1883年、
硬い外皮に覆われたシーサーペントの死体がアロン湾で
発見されたという話が残っていますね。

海岸に打ち上げられたクジラの骨
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目撃者のトラン・ヴァン・コンは、死体の全長は18mほどあり、
全体にわたって60センチの間隔で甲殻の体節があったと
証言。それぞれの体節には一対の突起がついていて、
70cmの長さがあった。この話、もし本当ならクジラとは
思えませんよね。体節が30個もあったことになります。

まさにムカデです、うーん。ただ、これが絶滅種の巨大生物
だとしても、それらしい化石は発見されていません。
バシロサウルスやモササウルスの化石は見つかっているのに、
不自然な気がします。半分腐ったクジラが脊椎を
むき出しにして流れてきたもの。

海底のクジラの骨と、それを食べるタコの仲間
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あるいは、海岸に打ち上げられた死体が骨だけになったのを
発見し、やはり脊椎と突起がムカデのように見えた・・・
しかし、これが化鯨の正体とは思えないですよね。
クジラ漁師なら鯨の骨は見慣れたものだったはずです。

次に、恵比須様について。恵比寿は蛭子(えびす)とも書き、
漂着物を表します。日本神話で、イザナギとイザナミの最初の子が
不具の蛭子・蛭児(ひるこ)だったので、葦の船に乗せて
流してしまったことから来ています。で、昔から海岸にクジラ類が
打ち上げられるストランディングは知られていました。

流される蛭子
キャプチャ

そういうクジラは、寄り鯨や流れ鯨と呼ばれ、日本では
海からの恵みと考えられることが多かったんです。
クジラが座礁する原因はいろいろ考えられます。ハクジラ類は
超音波を用いて行動しますが、それが何かの原因で狂った。
近年は軍事用潜水艦のソナーの影響とも言われます。

この寄り鯨が化鯨と何か関係があるのか? でも、寄り鯨は
「寄り神信仰」のもとになっていて、クジラの怨霊とは
正反対のものです。やはり化鯨はたくさん獲られた鯨が
化けた純妖怪なんでしょうかねえ。

古生代の最大種のヤスデ アースロプレウラ この化石は60cmほど
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さてさて、ということで、まったく目処が立たないまま
お時間になってしまいました。自分ながらモヤモヤする内容です。
もしみなさんの中で、化鯨あるいはオオムカデクジラについての
情報をお持ちの方はコメントでご教示いただけたら幸いです。
では、今回はこのへんで。




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