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霊に何ができるのか?

2014.01.27 (Mon)
 これはオカルト論ではなく、怪談論として書いています。
自分が怖い話を書くときには、霊には何ができるかということを考えます。
ただし、すべての話を同じ世界観(心霊観)で統一するのは無理がありますので、
話ごとに考えていくしかありません。
具体的にどういうことかというと、話の中に出てくる霊は、
ただ姿を現すだけなのか、音声を発することができるのか、
物を動かしたり人を叩いたりできるのか、
写真や動画に写るのかどうか、そんなことですね。

 プロが書いている実話怪談をみても、このあたりはさまざまです。
霊はドアノブをまわしたり、カーテンを揺らしたり、
さらには生きている人を平手でひっぱたりたりもします。
実話怪談がもし取材対象から聞いたことをそのまま書いていて、
霊の世界にはある程度の法則があるのであれば、すべての実話怪談を通して、
霊がどういうものであるか、ある程度は見えてくるはずなんですが、そうはなっていない。
姿を見せるだけの無力な霊もいれば、携帯に着信履歴を残すような霊もいます。

 このあたりは難しいんですよね。統一的な霊の世界の法則というのを決めてから、
それをすべての話に敷衍させるというのは、はっきり無理です。
制約が大きくなってしまって、
アイデアを思いついても書けない話というのが出てきてしまいます。
・・・じつは、本の中ではない実際の霊の目撃談というのも同じなんですよね。
目撃した人によって霊のできることはさまざまに違っている。
だから本に書かれていることは逆にリアリテイがあるとも言えると思うんですw

 さらには、物理的ではないことも含めると、これはもう収集がつかなくなります。
霊は祟ることができるのか、祟りによって生きている人を病気にさせたりできるのか。
滑って転んだのは霊の仕業なのか?株で損を出したのは霊障によるのか?
息子の学校の成績が悪いのは霊の呪いのせいなのか?・・・
バカバカしいと思うかもしれませんが、このようなことを言う霊能者は実際にいます。
みなさんも聞いたことがあると思います。
娘の結婚が遅れているのは祖先の供養を粗末にしているからだとか、
家運が傾いたのは、一族に恨みをもつ人の生霊が障っているからであるとか。
もう何でもありです。

 どうしたらいいのでしょう?
ここで怖い話を書く上で考えなくてはならないのが、リアリテイということです。
そういうことを霊がするのはリアリテイがあるかどうか。
まあ霊の存在自体リアリテイがないと考える人は、そもそも怖い話を好んで読まないだろうし、
実話怪談が好きな人で、
話がオカルト的なリアリテイをもっているかどうかを気にする人はけっこう多いのです。
書き方のテクニックの問題もあります。
絶対にありえそうもないことを、あっても不思議じゃないよなと思わせる作文の技量。
これもまた大切です。

 実話怪談本の批評として「創作くさい」というのがあります。
これは、読後の第一感が「んなことありえねえだろ」というような話に対して使われます。
またあまりに首尾一貫していて、オチが決まりすぎる話にも使われますね。
読む側は贅沢なのです。
また、作家側でも常にリアリテイを追求するのも飽きがくるでしょうし、
たまには幻想的なファンタジックな心霊譚を書いてみたい気にもなるでしょうが、
そういう話にも使われてしまいます。
「取材対象から聞いた話を報告的に記録したもの」
という実話怪談の建前を守っていくのはなかなか難しいのです。



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