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家電(いえでん)の話

2020.05.28 (Thu)
こんばんは、都内の高校2年の森田ともうします。よろしくお願いします。
これから話すのは、私が中学1年から3年間の間に起きた出来事です。
と言っても、不可思議なことはその3年間で2回だけ・・・
最後も入れれば3回になりますか。うちの父は加工食品卸の会社に
勤めてるんですが、転勤族だったんです。日本各地の主だった都市に
支店があって、3、4年いたら次に移ってました。今は東京の本社勤務で、
もう転勤はないと言ってましたね。それで、私は小学校で2回
転校しましたけど、中学校は3年間同じ学校で過ごすことができたんです。
そのときに住んでたのが〇〇県の△△市。一軒家で父の会社が
社員用に借りてたものです。いえ、お化けが出たとかそういうことは
なかったです。不思議なことは、その家の固定電話で起きたんですよ。

固定電話って、今はどこの家でもめったに使わないですよね。
家族の一人ひとりがスマホを持ってるのが珍しくないから。
だからその固定電話も、かかってくるのは何かの調査やセールスの
ようなのばっかり。1ヶ月に数回しか鳴らなかったと思います。
それで、言い忘れてたんですが、私には4つ下の弟がいるんです。
最初に起きたのは、私が中1、弟が小3のときのですね。
夏休み中の8月でした。時間は午後の6時過ぎくらいだったと思います。
家族、両親と私、それから弟の4人で居間にいました。
夕食はまだです。父が仕事から戻ってきたばかりでしたから。
そのとき、固定電話が鳴ったんです。普通の呼び出し音にしてました。
弟が、「僕出るよ~」と言って受話器を取り、

何やら話をしてました。私はテレビを見てたので、ちゃんと聞いて
なかったんです。けっこう長く話してたように思うんですが、
「今ね、お母さんと代わるからね」と言って母親を呼びました。
私がその言葉を聞きとがめて、「あんたね、お客さんにそんな
 言葉使っちゃだめでしょ」みたいなことを言ったと思います。
母が電話に出て、そのやりとりが変だったんです。
「え、ええ? 孝之?? いえ、息子は今うちにいるんだけど、
 あなた誰? 孝之のお友だちなの」こんな感じでした。
それから通話口を手でおさえ、弟に向かって、「この電話の子
 あんたのお友だちなの? クラスにもう一人、たかゆきって
 名前の子いるの?」こう聞いたんです。

そしたら弟は、「いないよ・・・けど、それね、孝之なんだよ。
 僕が電話かけてるんだと思う」 そんなわけないですよね。
それだと弟が2人いることになってしまうんですが、そのときの
弟の顔はけっこう真剣だったのを覚えてます。母は、
「え、それは大変ね。お家に連絡してあげましょうか。
 それとも警察とかにかける?」そんなことを言っていて、
穏やかじゃないですよね。なので父が「どうしたんだ?」と
聞いたんです。母は「今ね、たかゆきって名のる子どもから
 かかってるんだけど、近くの稲荷神社の境内で動けないから
 迎えに来てって言ってる」 父が「本当に子どもか?」
なおも母に聞くと、「男の子の声、孝之の声にそっくりの」

そこで、父は弟に「お前の友だちじゃないのか?」と念を押し、
弟が首を振ったので、「どれ、俺が代わる」と出たんです。
しばらく「もしもし、もしもし」と呼びかけてましたが、
「切れてるな、イタズラか」と受話器を置いたんです。
稲荷神社というのは、うちから歩いて500mくらいの児童公園の
脇にある赤い鳥居の小さな神社で、いちおうまばらな林もありました。
母が、「イタズラにしては真剣な声だった、それにやっぱり孝之そっくり」
父は少し考え込んでましたが、「じゃあ、近くだからちょっと行ってみるか」
それで、家族そろって出てみたんです。500mだからすぐ着きますよね。
外は夏なのでまだ明るかったです。鳥居の前までくると、弟が
「僕、怖いからここで待ってる」そう言って動かなくなり、

それで3人で参道に入りました。社殿まではすぐで、誰もいません。
「いないわね」母がそう言ったとき、父が「あっ!!」と大声を
上げ、走って林に入りました。子どもがうつぶせに倒れてたんです。
弟だと思いました。着てるものも同じだし。でも、そんなはずが・・・
父が抱き上げた顔はやっぱり弟で、赤くなって汗をかいてました。
私はそのとき、確かめなくちゃと思って鳥居の外に出たんですが、
待ってるって言った弟の姿はありませんでした。どうにもならず、
父がその場で救急車を呼んだんです。病院では熱中症という診断で、
点滴をして2日入院したら治りましたが、けっこう危ないとこだった
みたいです。それで、そこの神社と児童公園の間に公衆電話があるんです。
後で弟に、「おまえ電話かけたか?」と聞いても首をふってました。

それにしても、弟がずっと神社で倒れてたんだとしたら、私たち
家族全員が家で見てた弟は何だったのか? どうしても説明がつかない
ですよね。でも、このときは電話が変なんだとは思ってなかったです。
2回目は私が中3のときです。そのときはまだ父の両親は健在で、
ずっと離れたとこに住んでました。父は次男で、長男の伯父さんの家族と
同居してたんです。たしか4月で、やはり夕方の6時過ぎ。固定電話が
鳴ったんです。母が出ると父の兄からで、「母さん(父の母、私の祖母)が
 いなくなった。さっきまで外で草むしりしてたのが、まだ戻ってこない」
こういう内容だったみたいです。はい、認知症が進んできてて、
伯父さんから様子を聞いて父も心配してたんです。もう少し探して、
それでも見つからなければ警察に連絡するということだったそうです。

伯父さんはいつも父と直接スマホでやりとりしてるので、固定電話に
かかってきたのは初めてでしたが、父とは連絡がつかなかったそうです。
母が父に電話したんですが、やはり不通でした。で、40分くらいして
父が帰ってきて、同時に固定電話が鳴ったんです。父が出ました。
少し話して受話器を置き、「母さんからだった、お別れだって・・・」
青い顔をしてこうつぶやきました。そのとき父のスーツのスマホが鳴って、
また伯父さんから。祖母が庭で倒れてるのが見つかり、すぐに病院に運んだが
ダメだったってことだったんです。はい、急いで支度をして、
家族でそこの県に行きました。で、そのままお葬式まで滞在したんです。
それでですね、父にかかってきた祖母からのお別れの電話って・・・
父はあれ以来、その話は一切しないので、ほんとうに祖母からだったのかは

わかりません。こんなことがあって、弟以外の家族はみんな、
口では言いませんでしたけど、その電話が鳴るのを怖がってたと思います。
何か不思議なことがまた起きるんじゃないかと思って。それで、
その年度が終わって、うちは東京に引っ越すことになりました。
私は東京の高校に合格が決まってたので、もうワクワクしてたんです。
家の引っ越しは、父の会社が業者を頼んで行うんです。荷物が運び出され、
広くなった家の中で弟が走り回ってましたが、あの固定電話の線に
足を引っ掛け、電話機が台から落ち、壁にあたって端のほうが割れました。
「あんた何やってるのよ」私が戻そうと電話機を持ち上げたとき、
その割れた部分から中に片目が見えたんです。黒目がちの女の人の
目だったと思います。怖かったので、そのことは誰にも言いませんでした。






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