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黒いジョークとダーウイン賞

2020.06.30 (Tue)
アーカイブ312



今回はこのお話ですが、これ、けっこう危険な要素をはらんでるんですよね。
ブラックジョークについて、Wikiを引いてみると
「倫理的に避けられるタブー(生死・差別・偏見・政治など)についての
風刺的な描写や、ネガティブ・グロテスクな内容を含んだジョーク・コメディ・
ユーモアを指す言葉である。」
こんなふうに出てきます。
「黒い笑い」と訳されることもあります。

1935年、フランスの詩人、シュールレアリストであるアンドレ・ブルトンが、
「ブラック・ユーモア」という言葉を使って、上記したような笑いを分類した
のが始まりとされているようです。でも、このブルトンが言ったような
意味でのブラックユーモアは、おそらく今の日本では無理だと思います。

アンドレ・ブルトン
キャプチャ

例えばの話ですが、「障害」や「部落差別」なんかを題材にして、
戯画化した話を書けば、現代の日本では雨あられと抗議がくると思うんです。
世間からの批判にさらされ、ブログだと炎上するかもしれません。
いわゆる「良識」が幅を利かせる社会なんですね。

日本人は真面目なので、笑いをとるために、
世間的にタブーとされていることをテーマにして書くと、
「面白ければ何をやってもいいのか」と言われてしまいます。
このことは、筒井康隆氏のエッセイに出てきていて、
筒井氏は、初期には、エロ・グロ・ナンセンスで売り出したんですが、
ずいぶん悩んでいた様子がうかがえます。

Wikiの記述にある「風刺」という言葉も、誤解を招く一因かもしれません。
日本だと、風刺といえば「今の政治のあり方を風刺する」みたいに、
正しくないもの、矛盾を含んだものを嘲笑し、それを阻止する、
あるいは変化させるためにあると考えられる傾向があります。

筒井康隆氏
キャプチャffff

ですから、最初から、悪ふざけ、悪趣味、弱者をいたぶる・・・
などの目的で書かれた話は、「なんだよ、このトンデモない内容は」
となってしまいます。でもまあ、しかたがないんでしょう。
これは世の中の流れで、「表現の自由」で済まされなくなってきています。

さて、じゃあ自分が考えるブラックユーモアはどんなものかいうと、
そうですね、「ダーウイン賞 Darwin awards」なんかがわりと近いんじゃないかと
思います。これは、進化論の始祖であるチャールズ・ダーウインにちなんで
設けられた、インターネット上の架空の賞です。



1985年頃から始まり、1994年度から毎年、受賞者が発表されています。
もちろんジョークなので、勝手に発表するだけで、
記念のメダルとか賞金があるわけではありません。複数のサイトで
やってるんですが、最も有名なのが、ダーウィン賞に関する本を書いている、
ウェンディー・ノースカットという女性が管理しているサイトです。

ダーウイン賞の受賞資格としては、まず「子孫がいない」ということが
絶対条件です。そして、受賞対象者は死ぬか、生殖機能を失わなければ
なりません。さらに、それが自殺であってはならないんですね。
また、精神異常や、薬物乱用の状態で行われてもいけません。

つまり、自分が原因で愚かな死に方をした、子孫のない人に
与えられる賞なわけです。受賞の理由はもちろん、
「ダメダメな人間が、自分の劣った遺伝子を残さなかった
ことによって、人類の進化に貢献した」ためということです。このあたりが、
まさにブラックですね。では、どんな人が受賞しているか見てみましょう。

チャールズ・ダーウイン
キャプチャnnfnfg

・1994年「乗用車にジェット推進機を装着し、高速道路を走行したところ車が
 離陸し、高さ約38メートルの崖の壁面に激突して亡くなったアメリカ人男性」
・1996年「友人らの前で、男らしさを誇示しようとしてチェーンソーを
 振り回し、自らの頸動脈を切断して亡くなったポーランド人男性」

・1999年「シャチと泳ごうと夜中に水族館のプールに忍び込み、
 水中に引きずり込まて溺死したアメリカ人男性」
・同年「夏時間と通常時間を取り違えて時限爆弾の時間を設定し、
 運搬中に爆死した3人のパレスチナ人男性」

・2001年「呪術的なローションを2週間使用した後、不死身になった
 ことを確認するため友人に自らを撃たせ死亡したガーナ人男性」
・2005年「自分が指揮する隊に、急襲訓練を行うことを個人的に思い立ち、
 銃剣を手に隊員を襲撃し、驚いた隊員に射殺されたスイス陸軍の中尉」

こんな感じです。もっと知りたい方はWikiを参照してみてください。
ちなみに、昨年度の受賞は、「プロフ画像を撮影しようと、滑走路上で自撮りを
 していた2人のメキシコ人女性。着陸する小型機に気づかずにいたため、
 その翼に頭を強く打たれ死亡(ダブル受賞)」

さてさて、ということで、ブラックユーモアは「不謹慎」だからこそ面白いんですね。
それを「不謹慎だからダメだ」と批判されても、どうしようもないわけです。
このあたりは人間的な性向の違いで、両者が相容れるということはないんでしょう。
あと、日本だと、ダーウイン賞に近いのが「変態番付」かもしれません。
右にリンクを貼っておきます。では、今回はこのへんで。  「変態番付」







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