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インディと考古学

2020.07.11 (Sat)


今回はこういうお題でいきます。カテゴリは何だかわからない
ので、オカルト論にぶっ込んでおきますね。さて、
インディ・ジョーンズは、ジョージ・ルーカスと
スティーヴン・スピルバーグの2大巨頭が創造した、
アメリカ映画のキャラクターです。これまでに4作がつくられ、

みなさんも何作かはご覧になったんじゃないでしょうか。
この人物、本名は、「ヘンリー・ウォルトン・“インディアナ”
・ジョーンズ・ジュニア」 なんですね。第一作を見たときには、
インディは愛称で、本名がインディアナだと誰もが思って
いたんですが、第二作で、インディアナは昔飼っていた犬の

名前であることが判明します。演じる俳優はハリソン・フォード。
このシリーズと『スター・ウォーズ』で大スターとなりました。
そこまで二枚目ではないところがよかったんでしょう。
映画のキャラクターのインディ・ジョーンズは、アメリカの
映画雑誌などで投票すれば、10位以内には必ず入る人気者です。

大学教授としてのインディ
vdv

職業は考古学者。これは大学の考古学教授で、実際に講座を
持っているので間違いありません。勤めている大学は映画ごとに
違っていましたね。大学でのジョーンズ博士は、
ツイードジャケットを着て眼鏡をかけた紳士です。

ところが、当人がフィールドワークと呼ぶ調査に入るときには、
一転して、中折れ帽に革ジャケット、手には牛追い用の鞭という
ワイルドな姿に変身します。キャラクターの人気は、
このギャップがウケたのも一つの要因なんでしょう。

あと、時代的には第一作でナチスドイツが出てきますので、
1930年代に活躍した人物という設定です。インディ・
ジョーンズは単独で遺跡に向かい、ピンポイントでお宝を発見する。
でもねえ、いくら昔のことだと言っても、また、アメリカの
話だとしてもですね、こんな考古学者はいないですよ。

発掘された土器
キャプチャvsvsvsvs

まあ、映画だからしょうがないと言ってしまえばそれまでなんですが、
大学で考古学を専攻した自分が最も違和感を持ったのは、
考古学というのは、最も単独研究が向かない学問の一つだという
ことです。どういうことか話していきたいと思います。

ある遺跡の発掘をしたとします。一定の層まで重機で表土を
削ります。そこからはバイトの人や学生が手作業で、
スコップやヘラ、刷毛などを使って少しずつ掘り進めて
いきます。で、土器片が見つかったら、まず洗浄して
整理番号をつけ、もしひとかたまりの土器片だった場合、

接着剤を使って接合し、欠けた部分は石膏で埋め、もとの形に
復元します。それから土器の形や大きさ、文様などを正確に
測って実測図を作成。さらに、どこから出てきたかがわかるよう、
遺構の測量図も併せて製図し、最後に写真を撮ります。
ものすごく地味で、手間と時間がかかる作業です。



もちろん費用もかかります。で、これで何がわかるかというと、
まあ、土器がどの時代のどの系統なのかくらいは言えますが、
たいしたことはわからないんです。じゃあ、考古学が役に
立たない学問なのかというと、そうではなく、たくさんの
調査の成果が集積することで、見えてくるものがあるんです。

例えば、下の画像をご覧ください。これは佐賀県の縄文早期の
遺跡から出土した8000年前のポシェット、編みかごです。
現代の目で見てもすごく精巧ですよね。縄文時代のかごの編み方は、
網代編みなど10通りくらいあることがわかっています。

キャプチャ

このような遺物が全国から出土することにより、編みかごが
どのように進化してきたのかという、ものの歴史が浮かび上がって
きます。時代を縦糸に、地域を横糸にして、編みかごの編年ができる。
これは釣り針とか漁網なんかでも同じです。つまり、考古学は
一発勝負ではなく、積み重ねの学問だということです。

さて、じゃあインディ・ジョーンズのイメージはどっから来てる
かというと、いろんな人がモデルにあげられますが、自分は
19世紀から20世紀初頭の探検家なんだと思います。下図は、
呪われた水晶髑髏、ヘッジススカルで有名なイギリスの探検家、
F・A・ミッチェル・ヘッジスです。どことなくインディっぽいですよね。

F・A・ミッチェル・ヘッジス
キャプチャfhhhg

当時の探検家は、命の危険を犯して未開の地に分け入り、
中には現地人に殺されたり行方不明になった人もいます。
そんな中で、金製品などの宝を探すとともに、探検先にどんな
山や川があるかなどの地理的情報を本国にもたらしました。

また、珍しい現地の品も持ち帰るので、地理学者や博物学者と
言えないこともありませんが、それほど歴史に詳しかったわけでは
ありません。あと最後に、ジョーンズ博士のように、現地国の
許可を得ないで宝だけを手に入れようとするのは盗掘ですし、
下手をすれば国際紛争の原因になります。

ロゼッタストーン
キャプチャgfg

例えば、大英博物館などは「文化的略奪者」とまで言われ、
エジプト政府から返還要求があるロゼッタストーンをはじめ、
国際問題になってる収蔵品がいろいろあるんですね。ただ、
じゃあ本国にあったら文化財がしっかり保存されていたかと
いうと それも怪しいですし、難しい問題なんです。

さてさて、ということで、大人気なくフィクションに文句を
つけたような格好になってしまいました。まあジョーンズ博士の
頃は、発掘に関する国際的なルールも未整備でしたし、現在とは
考古学の学問としての緻密さも段違いではあるんですが。
では、今回はこのへんで。




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