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使役される話

2020.08.03 (Mon)
こんばんわ、よろしくお願いします。じゃあ、話を始める前に、
まずは簡単に自分のことを話させてもらいます。現在、64歳です。
高校の教員をやってました。校長で退職し、その後2年間、
地域の少年の家の所長をやったんです。今は何もしておらず、
自宅で一人暮らしです。妻は8年前に乳癌で亡くなっています。
子どもは息子が一人おりますが、離れた市で教員をやってます。
忙しいようで、盆正月しかこっちには来ません。こう言うと、
寂しい生活のように思われるかもしれませんが、なにぶん
現役時代が忙しかったもので、今の、毎日が日曜日のような
暮らしは楽しいですよ。時間を決めずふらっと散歩に出たり、
せまいですが家に庭があるので、その手入れをしたりと。

最近はほら、かなり高齢になっても仕事されてる方が多いでしょう。
まあ、それも人生にハリがあっていいのかもしれませんが。
あ、スミマセン、長話をしてしまって。本題に入ります。
ちょうど1ヶ月前のことです。私の趣味の一つがカメラで、
毎日じゃないですけど、朝日や夕日を撮影してるんです。
その日は朝の5時前に起きて、散歩がてら朝日を撮りに出ました。
そしたら、ちょうど家の前の側溝にけつまずいて、手をついて
転んでしまったんです。幸いケガはなかったですけど。
起き上がって見ると、側溝のフタになってるコンクリの4隅の
うち1ヶ所が浮き上がってたんです。「え?」と思いました。
前日まで、そんなことはなかったですから。

それでね、市道だから市役所に連絡すればいいのか。でも、
それだと時間がかかるだろうと考え、車庫からバールを取って
きたんです。フタの浮き上がってるスキマに こじ入れ、
足で踏んで持ち上げてみました。そしたら、逆方向に落ちて
さらにズレたんですが、側溝の中にふわふわした白い毛が
見えたんです。「ええ、何だ?」両手がかけられるようになったので、
しゃがんでさらにズラすと・・・中型犬が真上を向いて
目を開けたまま死んでたんです。「うわあ」尻もちをついて
しまいました。側溝の中に水はなく、乾いた泥に体が
埋まってるように見えました。自分でどっかから入り込んだ
犬なのか、そのときはそう思ったんですが。

保健所に連絡しました。午後に所員が来てその犬の死骸を回収
してったんですが、その人たちが言うには、泥にシャベルの跡があって、
人間が埋めたのではないか。さらに周囲を爪で引っ掻いでるので、
埋められたときには犬はまだ生きていただろうと思われる・・・
そんな話だったんです。こちらから警察に通報しますので、
何か気がついたことがあったら後は警察に言ってください、とも。
ねえ、気味の悪い話でしょう。何でわざわざ、私の家の前で、
あの重いコンクリを外して犬なんか埋めたのか・・・
考えてもわかりませんでした。前夜は早く寝たので、犬の声などは
聞いていません。人様に恨まれるようなことはしてない・・・
とはいえ、昔の生徒の中には、生活指導や進路指導で、

私を憎んでる子もいるのかもしれません。ですが、そこまで
されるようなことは・・・ 翌日、警察が来て簡単に事情を聞いて
いきました。それで、3日ほどしてから、夢を見るようになったんです、
自分が首まで土に埋められている。暗い場所で周囲の様子がわからない。
体は土の中でピクリとも動きません。首だけがかろうじて数cmだけ
動かせる。で、そのまま長い時間がたつんです。夢なのにおかしい
ですよね。その後、何も起きないまま朝になって目が覚めました。
それで、起きると息苦しいんです。うまく息が吸えない感じです。
その状態はずっと続いて、その日はずっとベッドで体を起こしたまま、
食事もとれませんでした。翌日には何とか回復したんですが、その晩、
また同じ夢を見たんです。そのときに、ああこれはもしや自分が、

あの側溝に埋められてた犬になってるんじゃないか、と思いあたった
んです。目覚めてからの息苦しさは同じで、2日間回復しませんでした。
でまた、同じ夢・・・ どんどん体が衰弱していったんです。
もちろん病院には行きました。けど、大がかりな検査をしても
異常はなし。多少は呼吸機能が落ちているが、年齢相応ですよ、
と言われました。で、検査結果を聞きにいったその晩、
またあの夢ですよ。もう、寝るのが怖くなってしまいまして。
夜ずっと起きてて昼に眠るようにしてみましたが、結果は同じでした。
その間、ほとんど物を食べてないので、どんどん体重が落ちて。
それでね、体に異常がないなら、精神的なものかと考えまして、
心療内科に行ったんです。話は聞いてもらえましたが、

向精神薬と睡眠導入剤を処方されただけでした。その帰りです。
病院の駐車場に向かってると、後ろから声をかけられたんです。
「もし!」かなりの大声で、ドキッとしてふり向くと、白い和服の
人が立ってたんです。いや、お坊さんや神主さんではなく、着流し
と言えばいいのか。年は私より若い、50代くらいかと思いました。
「は、何でしょう」 「あなたね、いきなりこう言っても信じないだろうが、
 背中に犬をおぶっているよ。それもタダの犬じゃなく、狗神だ。
 そのままだと近いうちに死ぬよ」いきなり何を言い出すんだろうと
思いましたが、声に力がこもってるのがわかりました。ほら、
私はもと教員ですから、生徒の心に響くような話し方というのが
あるのは知ってます。私がそこに突っ立っていると、

さらにその人は、「○○市の〇〇神社。そこでお祓いを受けなさい。
 狗神には特に霊験のある御社だ」大きな声でそう言うと、
くるりと踵を返して歩き去っていったんです。いや、後を追いかけて
もっと詳しい話を聞こうとは思ったんですが、体が動きませんでした。
その夜です。処方された薬は飲んだのに、またあの夢を見たんです。
ただ、前とは違っているところがあり、土に埋められた私の頭上で、
「成就は近い、成就は近い」という声がずっと聞こえていたことです。
その声ですが、後になって考えると、あの駐車場の人物のものに
似ていたような気がするんです。翌朝、起きたときにはまったく
体が動きませんでした。息苦しさと倦怠感です。それは3日間続き、
水以外は喉を通りません。ああ、このままだと本当に死んでしまう。

やっと回復した後、あの人物の言葉にあった神社に行ってみようと
思ったんです。〇〇社は隣県で、車で3時間ほど。午後に着いたので、
それほど参拝者は多くなかったんです。社務所に入ってお祓いを申し込み、
その前にお話したいことがあるとも言いました。そしたら若い神職の方が、
「では、宮司を呼んでまいりますので、お待ち下さい」出されたイスに
腰掛けて待っていると、奥の御簾を上げて宮司さんが出てこられたんです。
そして私の顔を見るなり大声で「あっ!!」と叫び、そのとき
私の頭の中で、「成就なり」という声と「ギャウン」という動物の声、
たぶん犬の声でしょうが、それが同時に響いたんです。
宮司さんは胸をかきむしって倒れ、神職たちが駆け寄りましたが、
白目をむいていびきをかいていました。はい、聞いた話では、

救急車の中で亡くなられたそうです。急な心臓発作ということでしたが、
それまで特に持病などはなかったそうです。そういう事情で、
私のお祓いはできませんでした。ただこの後、夢は一切見なくなり、
体重も回復してきています。それでね、まだ嫌な話があるんです。
ことの発端になった側溝、そのあたりできつい腐敗臭がするように
なりまして。自分で開けるのは怖かったので、市の道路課に言って業者に
フタを外してもらうと、大小種類の違う犬が4匹、最初の白犬と同じように
埋められて腐ってたんです・・・ これ、どういうことなんでしょうか。
自分なりに考えてはみました。もしかして、私はあの神社の
宮司さんを害するための、言葉は変ですが、時限爆弾みたいに
使われたんじゃないかって。でも、いったいどうして、私なんでしょうか。

キャプチャ



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