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ウナギのオカルト

2020.08.09 (Sun)
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今回はこういうお題でいきます。今年の土用の丑の日は7月27日の
ようです。まだ一ヶ月以上ありますが、もうウナギの予約を始めている
店もあるようです。ちなみに、土用の丑の日にウナギを食べると体に良い
という宣伝を始めたのは、江戸時代の蘭学者・本草学者、
平賀源内であると言われるのは、みなさんご存知だと思います。

源内が、夏場に売り上げが落ちるという鰻屋からの相談を受け、
「本日丑の日、土用の丑の日うなぎの日、食すれば夏負けすることなし」
という看板を店先に立てさせたら大繁盛したことで、
他の店もマネするようになったとされています。
これを、日本初のコピーライティングとする人もいますね。

平賀源内
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さて、ウナギと日本人の関わりは古く、縄文時代の貝塚からウナギの骨が
出土しています。今のように農薬のなかったころなので、
たくさんいたんだと思われます。また、奈良時代の『万葉集』には、
撰者である大伴家持の歌として、

「石麻呂に われ物もうす 夏痩せに よしといふものぞ 鰻捕りめせ」
というのが出てきます。石麻呂という老人が夏痩せしていたので、
滋養によいからウナギを食べなさいと言っているわけですが、
研究によれば、家持が石麻呂の体を気づかってというより、
痩せた姿を馬鹿にしているみたいですね。

ウナギは上記の『万葉集』には「武奈伎(むなぎ)」と出てきていて、
その語源は「胸黄 むなぎ」、つまり胸部がかすかに黄色く見えることから
つけられたという説があります。ただ他にも、家屋の「棟木(むなぎ)」
のように丸くて細長いからなど、いろんな説があってよくわかっていません。

さて、ウナギの最大の謎といえば、その生態にあります。
日本では年間10万トン以上消費されていますが、生態は長年にわたって
不明でした。ウナギは一生のうち、異常な長距離の大回遊をします。
深海で産卵・孵化し、成長すると汽水や淡水域にさかのぼる
「降河回遊」という型ですが、なぜこれほどの回遊が必要なのかがまず謎。

ウナギの成長
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若いウナギが、どうやって決まった産卵場所にたどり着くのかも謎。
それと、産卵する海域もよくわかってなかったんです。
これは、日本が世界的なウナギ消費国として、きちんと生態データを
集めていないと言われてもしかたがないように思います。ちなみに、
現在、世界のウナギの7割を消費しているのが中国、日本は1割ほどです。

ということで、精力的に研究が進められ、産卵場所については、
マリアナ諸島西方海域にあることがほぼ確定してきています。
「海山仮説」と「新月仮説」というのがあって、
ニホンウナギの産卵の場所は、西マリアナ海嶺の3つの海山、
また産卵する時期は各月の新月前後の日と決まっているようです。

うーん、わがままというか、なかなか難しい魚ですね。
さて、世界からよくいじめられる日本ですが、ウナギについても乱獲で資源を
減少させているというイチャモンがついています。まあ、これは大外れ
ではないので、日本の水産関係者は必死で養殖に取り組んできました。

ウナギの完全養殖
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これについては涙ぐましい歴史があるんですが、ここでは割愛します。
これまでの養殖は、シラスウナギの稚魚のうちに海岸で獲って育てる形でした。
ウナギの卵を孵化させる、また幼生をシラスウナギに変態させるには
困難を極めたんですが、2010年、水産総合研究センターが、

人工孵化したウナギを親ウナギに成長させ、
さらに次の世代を誕生させるという完全養殖に世界で初めて成功しました。
孵化したばかりのウナギの仔魚は、サメの卵しか食べないことがわかった
んですね。これ、自分は趣味で海水魚を飼育しているので理解できます。

海水魚って、ある一定の餌しか食べないものが多いんですね。
栄養価や味、形がよく似たものを与えても食べません。
海水魚店に行けば色鮮やかなウミウシが売られていますが、
特定種のカイメンなどしか食べないため、長期飼育はきわめて難しいんです。
で、サメの卵ですが、それ自体がたいへんに希少なもので、

bigbossman家の水槽


養殖のために用意することはできません。代替飼料を研究しているうちに、
プランクトンの糞や死骸が餌となることが判明し、現在では仔魚の9割が
成体に育つまでになりました。ただ・・・何でもそうですが、
問題はコスト面です。ウナギの完全養殖についてもコスト高が指摘され、
商業化をはばんでるんです。天然ウナギにしても完全養殖ウナギにしても、
今後は庶民には手の届きにくい食べ物になりそうです。

さて、ウナギのオカルトとしては、UMAの「大海蛇 シーサーペント」
と呼ばれるものの分類には「ウナギ型」というのが存在します。
色や頭部の形が巨大なウナギに似てるんですが、それに加えて、
タテガミ状のものがあったという目撃例もあります。

巨大なレプトセファルス
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あと「巨大なレプトセファルス」の話。ウナギ目の幼生をレプトセファルス
と言って、透明な柳の葉のような形をしています。1930年、
セントヘレナ島付近で1.8mもある巨大なレプトセファルスが捕獲され、
世界的な話題となりました。それまで知られていたウナギ類の
レプトセファルスは、成長後には数十倍の大きさになることから、

これが大海蛇の正体ではないかとされたんです。しかし研究の結果、
ソコギス類の魚のものであることが判明しました。ソコギスの仲間は、
レプトケセファルスと成体のサイズがほとんど変わらないんですね。
あ、もうこんなに長くなってしまいました。今回はこのへんにしておきます。

ウナギ型シーサーペント
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