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アーカイブ 納涼の話

2020.08.10 (Mon)


毎日、暑いですね。エアコンの効いた屋内から外へ出ると、
ドアが開いた瞬間にくらっときます。自分はけっこう寒さには強いんですが、
暑がりなので、エアコンがないと、とても生きていけません。
でも、あんまり冷風にあたってばかりいてもよくないと言いますし、
賢く利用するようにしたいものです。



熱中症による死亡者数は、平成25年が1077人で、
男性586人、女性481人。また、年齢的には65歳以上の高齢者が8割です。
それと、死亡した場所がわかっているケースの8割が、
住居内においてのものなんです。

これ、けっこう意外です。炎天下の外ってわけじゃないんですね。
で、お年寄りが室内で亡くなった場合で、エアコン未設置だったかというと
そうでもなくて、あってももったいないからと使わなかったり、
高齢のために、あまり暑さを感じなくなっていたり、リモコンの使い方が
わからなくなったり、そんなケースも多いんです。

「昔の夏はここまで暑くなかった」という話はよく聞きますよね。実際、
気象庁の発表では、100年前と現在の東京を比較すると、年間の平均気温で
3.2度上がっています。最低気温が4.4度、最高気温は1.7度上昇。
最低気温が上がるのは、地球温暖化の影響が大きいでしょうが、
夏が暑くなったのは、ほとんどヒートアイランド現象によるものです。

ヒートアイランド現象


ヒートアイランド現象とは、都市部の気温がその周辺の郊外部に比べて
高温を示すことで、日本では1950年代から言われるようになってきました。
主な原因は2つ。一つは地表から緑地や水面が失われ、
熱の冷めにくいコンクリート、アスファルトが増えたこと。

もう一つは、排熱の増加です。今、窓辺に出て外を見渡せば、
エアコンの室外機がそこらじゅうに目につきます。これももちろんそうですが、
その他にも自動車や公共交通機関、工場などが原因となって、
都会の夏を暑くしているわけです。

さて、「納涼」という言葉があります。Wikiを見ると、
「夏の盛りの暑さを避けるために、涼しさや過ごしやすさを工夫して創り出し、
味わうこと」と出てきます。浴衣を着て川に舟を浮かべ、花火を見物する。
それに生ビールと枝豆があれば、暑いのもいいなあと思いますよね。

で、納涼の催しの一つに怪談会もあります。夏になると、
TVでは怪奇心霊特集をやりますし、コンビニの書棚には、
オカルト本やDVDが並びます。ではこれ、怪談って、
どうして夏のものってことになったんでしょう。

外国では、夏と怪談が結びついてるという話は聞いたことがありません。
どっちかというと冬のものです。ヨーロッパは緯度が高く、
冬は夜が長いので、暖炉の火を前にしてひとしきり怪談を語る。
また、ハロウィンが冬が始まる10月の31日にあることとも、
関係しているのかもしれません。

では、なんで日本では怪談と夏が結びついたのか。
一つにはお盆があるせいでしょう。お盆は、仏教の「盂蘭盆会」と
日本古来からの祖霊信仰が結びついたもので、中国を経由して
日本に伝わりました。亡くなったご先祖様たちが帰ってくると言われます。

お盆の迎え火


もう一つは、文字どおり納涼のためです。怖い話を聞いて、
背筋をぞくぞくさせることで暑さを忘れる。具体的には、肝試しや
百物語会ですね。百物語会は、江戸の初期にはすでに行われていたようです。
新月の夜に人が集まって怪異を語る。99話まででやめればよいが、
100話 語ってしまうと、本物の怪異が出現する。



これは、レクリエーションでもあり、江戸の粋な文化の一つでもありました。
99話語り終わったら、部屋の行灯をともし、厄払いと称して
朝まで大いに飲み食いをする。むしろこっちのほうが
本来の目的だったのかもしれませんね。

さて、話変わって、ホラー作家で、俳句にも造形の深い倉阪鬼一郎氏が、
『怖い俳句』という本を出されています。古今の、ぞっとするような
俳句を集めたものですが、幽霊などが出てくるものばかりではなく、
人間の心の闇が覗けるような句も収録されています。

俳句といえば、「幽霊」、「百物語」は夏の季語になっています。
「コカコーラ 持つて幽霊 見物に  宇多喜代子」 お化け屋敷を詠んだんでしょう。
「幽霊が 出る理科室も 夏休み  三村純也」いいですねえ。
「川に無数の 幽霊の手や 原爆忌  田川飛旅子」・・・・

さてさて、ということで、まとまらない話になってしまいましたが、
怪談はこれからの季節が本番です。背筋が凍るような話が書けるといいですねえ。
みなさんも熱中症には十分お気をつけください。
では、今回はこのへんで。






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