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アーカイブ 赤い御札の話

2020.08.11 (Tue)
年末から正月限定で、近くの神社で巫女のアルバイトをしていました。
高校から専門学校のときで、4年やりましたよ。
正式にはアルバイトとは言わないんです。私が出ていた御社では、
「助勤」といってましたが、「助務」というとこもあるみたいです。
それとお仕事は労働ではなく、奉仕です。だからお給料も奉仕料になります。
そうですねえ、これからやってみたいという人にアドバイスするなら、
もし選べるのであれば、奉仕の時間をよく調べるといいです。
交替要員が多くて、1日6時間ほどであればそれほど苦痛ではありません。
小さいところだと、休憩・仮眠をはさんで十数時間続くところもあるみたいです。
あと寒いので、防寒対策をしっかり。足首までの袴で中は見えないので、
ちゃんと寒くないようにしておいたほうがいいですよ。使い捨てカイロは必需品です。

最初の年から、作法習得の研修の後に私は古札箱の担当になったんです。
これは前の年の御札や破魔矢などを回収する箱で、
社殿の脇のテント前に設置されてました。そこで「回収しています」
と呼びかけたり、ある程度溜まったら社務所に運び込むんです。
これは御札やお守りの授与・・・まあ売ることなんですが・・・よりも
ずっと楽です。研修のときには振る舞いや言葉遣いの練習もあったんですが、
私はあんまり上手にできなかったし、暗算も苦手なのでラッキーと思いました。
でも、御札の授与所にはストーブが入ってましたが、古札箱の前は
当然暖房はなくて。ときどきテントに入って火鉢で手を温めてました。
それでこのとき、担当の神職の方に、「回収したのを仕分けするとき、
赤い御札があったら持ってきなさい」と言われたんです。

それと「あなたなら見えるだろうから」とも。
意味がわかりませんでしたが、詳しくは教えていただけませんでした。
大晦日の夜になり、私は言われたとおりに古札箱の前に立っていました。
やがて新年を迎える時刻になり、参道は人が列になってほとんど
進まない状態でした。古札を収める方はその列から抜けて箱の前まで
来られますが、けっこうな人数がいて、箱はすぐいっぱいになりました。
溜まったところで替えの箱を設置して、いっぱいになったのを社務所に
持っていきます。そこで中から御札類を取りだして仕分けをするんです。
そんなの後でやればいいと思うかもしれませんが、
古札の中にお金を入れてらっしゃる方もいるんです。500円玉や
お札が入ってたりします。そういうのをよく調べて回収するんですよ。

それから、その神社と関係のないものもよく入っています。例えば人形・・・
怖いですよね。それから故人のものではないかと思われる手紙、
手帳、写真なんかも。それと数珠など、神道のものではない品も。赤い御札は、
何百とあった中で3体だけでした。ああ、御札などは1体、2体と数えます。
それは作りは他の御札と変わりません。全体が赤い色をしてるわけではなく、
和紙の表面がぼうっと赤くなってるんです。中にライトが仕込んであって、
それで内側から照らされているみたいな感じです。
もちろん薄っぺらいものですから、そんなことはないんですけど。
それと、持ったときにすごく嫌な感じがしました。背中がぞくぞくするっていうか。
赤い御札は見つけ次第、担当の神職の方に持っていきます。
一度その途中で、同じ高校からやはり奉仕に来ている子に会ったので、

「これ、赤く見える?」って聞いてみたんです。
「えー、別にふつうの白い御札だよ」という答えが返ってきました。
もしかしたら、赤い色は私にしか見えないのかなって、そのときに思いました。
古札は、初詣の忙しい時期が過ぎたら、まとめて御祈祷して
御焚き上げするんですが、赤い御札はすぐに御祈祷されるようでした。
正月3が日が終わって参拝者が少なくなり、
私は別の仕事も兼務することになったんですが、そのとき、
神職の方に「赤い御札ってどういうものですか?」って聞いてみたんです。
「本来とは違う用いられ方をしたものだ」というお答えがあって、
それ以上は教えていただけませんでした。
高校を卒業して、専門学校に在学してたときは、もっと早い時期から

ご奉仕に出るようになりました。事前準備ということです。
御神酒所で出される御神酒、コンブやスルメの準備、御撰米の仕分け。
年末からは同じ古札箱の仕事でした。前の年に経験したので不安は
なかったです。やはり赤い御札があったら奥に持ってくるように言われました。
その年は4体あったんです。正月3日のことだったと思います。
最後の赤い御札を神職の方に渡しにいこうと立ち上がったとき、
手の中の御札が動いたんです。いえ、正確には御札の中に何かがあって、
それが動いた感じでした。思わず手を離すと御札は畳に落ち、
御札に破れ目はないのに、中から10cmもないほどの深紅の蛇が出てきました。
蛇は素早い動きで、私がいた社務所の一室から出ていこうとしたんです。気味が
悪かったですが、追いかけました。蛇はちょろちょろと御祈祷所に入っていきました。

私はそこへは入れないので、担当の方に知らせにいこうと思ったんですが・・・
蛇は御祈祷を受けている方の列の前までいき、前で正座されていた
40歳くらいの女の方の膝を駆け上がって襟首の中に消えました。
走って担当の方に報告すると、「返ったんだな」と一言おっしゃられてました。
その女の方は、御祈祷のあと呼び止められて奥に連れていかれましたよ。
その後どうなったかはわからないです。その年のご奉仕が終わって
ご挨拶をしたとき、担当の神職の方に呼び止められ、
宮司様のところにいったんです。宮司様は私をしげしげと見つめられ、

「赤い蛇が見えたそうだってね。それはたいへんすごいことです。
 どうですか、当社で専属の巫女を務められませんか」こう言われました。
突然のことで返答できませんでしたが、よく話をうかがうと、
かなりの修行をしなくてはならないらしく、
考えた末に後日お断りさせていただいたんです。・・・残りの2年間に
経験したことは、またお話しする機会があるかと思います。





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