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ファウスト伝説と魔法円

2020.09.15 (Tue)
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今回はこういうお題でいきます。悪魔学の一環ですが、
おそらく、そこまで深い話にはならないだろうと思います。
さて、何から話していきましょうか。まず、ゲーテの戯曲の
『ファウスト』のモデルになったのは、15世紀から16世紀に
かけて実在した錬金術師、ヨハン・ゲオルク・ファウスト。

ドイツの人ですね。錬金術を売りに、各地を放浪して、その地の
貴族や領主に取り入り、生計を立てていました。宗教改革者
マルチン・ルターに、悪魔の力を借りていると非難された記録が
残っており、評判のよくない人物だったろうと思われます。

ファウストとメフィストフェレス
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最期は、フォン・シュタオフェン男爵に雇われ、錬金術の実験中に
爆死し、五体がばらばらになったとされ、人々は、
ついに悪魔に魂を取られたと噂しました。1540年のことです。
で、この事実がもとになり、ドイツの民衆本でさまざまに
話が展開していくんですね。

ファウストは悪魔を召喚したが、魂を与える代わりに、
失われた古代の叡智を得たい、あるいは、古代ギリシアの伝説の
美女と恋人になりたいなど、その願いはバラエティに富んでいます。
ここで、注意しなくてはならないのは、ファウストは自ら
望んで悪魔を召喚したことです。

12星座の記号
キャプチャ

これが、19世紀のゲーテ版の『ファウスト』では、神のもとに
悪魔メフィストフェレスが現れ、「あなたは人間に理性を与えた
というが、まったく役に立っていない」と神をからかいます。そこで、
神が理性的な人物の代表としてあげたのが、謹厳な学者としての
生涯を過ごしてきたファウスト博士。伝説とはキャラが違うんですね。

で、悪魔のほうからファウスト博士の前に現れ、死後の魂の支配を
交換条件に、現世で人生のあらゆる快楽や悲哀を体験させる
という契約をもちかけます。ファウスト博士は、学者としての
名誉は得たものの、味気なかった自分の人生を悔いており、
意外にもあっさりと悪魔の軍門に降ってしまうんです。

四大エレメントの記号
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さて、この悪魔メフィストフェレスですが、古い時代の文献には
名前が出てきません。悪魔の多くは、古代イスラエルの周辺国で
信じられていた神だったんですが、メフィストフェレスは中世に
新しく考え出された悪魔だったとみられています。

その分、いかにも悪魔らしい風貌で、行動も洗練されています。
外見は長身の黒い服の男で、紳士然としていますが、その姿は
ファウスト博士にしか見えません。人間の弱みにつけこんで、
堕落へと誘い込むのがメフィストフェレスの仕事です。

メフィストフェレス
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さて、ここで少し話を変えて、伝説のファウストは、
「魔法円 magic circle」を描き、自分はその中にいて、召喚の
呪文を唱えて悪魔を呼び出しました。あれ、でも、日本では
「魔法陣」という言葉が使われますね。どうしてでしょうか。

これ、じつは漫画家の水木しげる氏が、代表作の一つである
『悪魔くん』を描いたときに、魔法陣という言葉を用い、
それが広まってしまったためです。また、魔法円は基本的に
術者が身を守るためのものですが、水木先生は魔法陣の中から
悪魔が現れるということにしてしまいました。

惑星記号
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ですから、誤解されて世に伝わってしまってるんです。 
では、魔法円はどうやって描くんでしょうか。基本は2重の円です。
その中を三角形、五芒星、六芒星などで区切り、
力を持った言葉(記号)を書き込みます。

記号は、12星座、惑星記号、ギリシア哲学の4大元素エレメント、
ルーン文字などです。魔法円って、自分がやっている占星術と
関係が深いものなんです。具体的には、下図を参考にしてもらえば
いいかと思います。これは、『レメゲトン(ソロモンの小さな鍵)』
という中世のグリモワール(魔導書)に出てくるもので、

クリックで拡大できます
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文字の色や距離まで指定されています。みなさんの中で、もし
実際にやってみた方がおられましたら、ぜひとも結果を報告して
いただきたいと思います。はたして悪魔は召喚できるのか。
ただし、召喚の呪文は悪魔ごとに違いますので、
それはご自身で調べてください。

さて、ゲーテ版『ファウスト』の話に戻って、悪魔との契約の中に
「人生の悲哀を味わう」という一節がありました。
若返ったファウストは、素朴な街娘グレートヒェンと恋に落ち、
子供を身籠らせます。そこまではいいんですが、彼女の母親を
毒殺し、兄を決闘で殺してしまうんです。

ルーン文字
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グレートヒェンは赤子殺しの罪で逮捕され、人生がメチャクチャに
なってしまいます。ファウストはメフィストとともに獄中の
グレートヒェンを助けに駆けつけますが、敬虔な彼女は、
ファウストの背後に悪魔の影を見いだし、脱獄を拒否。
ここで、ファウスト博士は初めて人生の悲しみを味わいます。

さてさて、ということで、ファウスト伝説を中心に書いてみました。
ゲーテ版では、ファウスト博士は悪魔に魂を奪われそうになり、
メフィストフェレスが神との賭けに勝つかにみえましたが、
恋人グレートヒェンの天上での祈りによって救済されて終わります。
では、今回はこのへんで。

魔導書『レメゲトン』
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