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アーカイブ 火星移住の話

2020.09.16 (Wed)
『How We'll Live on Mars』などの著書を持つ、
作家のステファン・ペトラネック氏によれば、我々人類の火星移住は
運命づけられた未来であるという。地球は完全絶滅に向けて動き出しているのであり、
小惑星の衝突、破局的な火山噴火、太陽フレアなどによって、
滅亡へと向かう勢いが加速するということだ。

また、作家のマイク・バラ氏は、「人類が火星で十分に長い期間を経て進化すれば、
彼らの身体は大型化し、特に頭は不自然なまでに大きくなり、
手足はひょろ長くなります。そして地球よりも太陽から離れている火星は、
昼でもあまり明るくないため、ものがしっかり見えるように目が大きくなる。」
と述べています。
(tocana)

今回はこういうお題でいきます。今、宇宙関係の話題がすごく盛り上がっていますね。
前にお伝えした、中国の、月の裏側を探査する「嫦娥」。
それと、アメリカ、NASAの探査機「インサイト」による火星からの画像送信。
まさに、米中の宇宙開発競争の幕が開けたという雰囲気になっています。

火星の低気圧にさらされると
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上掲の記事は、アメリカ人の作家などが、人類の火星移住における身体的な変化に
ついて述べたものですが、自分にはいろいろと疑問のある内容です。
まあ、これは科学的な専門家の意見ではないので、しょうがないのかもしれませんが、
どうしても人類を、「体がひょろ長く目が大きい」ステロタイプの宇宙人に
進化させたがっているという気がします。

さて、人類の火星移住の可能性については、当ブログでも前に書いていますが、
さまざまな困難が予想されています。まず一つめが、
火星は地球よりも太陽から遠いため、寒いことです。
火星の平均表面温度は-43℃、最低温度は-140℃になります。
これだと、南極で暮らしているようなもんですよね。

2つめは、低重力です。火星の表面重力は地球の約1/3ですので、
そのまま暮せば、人間の体にいろんな悪影響が出ると予想されます。ちなみに、
国際宇宙ステーションの宇宙飛行士には、長期の無重力下での滞在で、
筋力の低下、骨量の減少、カルシウム不足等が見られ、
さらに頭部への血流過大なども指摘されています。

火星への移住
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3つめ、宇宙からの放射線による被爆ですね。火星の大気は薄く、
地球のような強い地磁気もないため、ほぼ素通しで放射線に晒されてしまいます。
ですから、何らかの形で体を保護する必要があります。
4つめは、火星大気に酸素が少ないこと。まだこの他にも、
障害はいろいろあると思われます。

で、上の記事は、「火星の低重力で人間の身長が伸び、体がひょろ長くなる」
という意見なんですが、これ、火星移住にあたって低重力対策をしないってこと
なんですかね。しかし、それは無理でしょう。では、低重力にそのまま晒されていると、
どんな危険があるか、もう少しくわしく考えてみましょう。

まず考えられるのは、宇宙ステーション内と同じく、
骨がもろくなることです。人間の体は、地球上では重力によって、
絶えず下方へと引っぱられていて、骨は、それに負けないような
強度を維持しているんですよね。あと、循環器系はどうでしょうか。

探査機インサイトからの「宇宙人の写った」画像
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心臓から出た血液は、地球の重力に逆らって上、つまり頭の方向に上っていきます。
ところが、低重力下では心臓ポンプの勢いが強すぎて、
頭にいく血液が多くなり、足にいく血液はその分少なくなるでしょう。
昔の火星人の想像図は、「頭が大きく、足は触手のようなタコ型」
が多かったんですが、これはこのあたりのことを考えてのことなのかもしれません。

あとまあ、人間の体は細胞から成り立っていますよね。細胞は水の詰まった袋で、
60兆個もあるとされる細胞の一つ一つにも地球の重力が働いています。
それが低重力に長期間さらされることで、どう変化するかはわかりません。
また、火星で妊娠したとして、子宮内の胎児がどのように成長するのかも不明です。
ということで、人類が火星上で「そのまま暮らす」のは無理です。

では、どうやって低重力を克服するか。まあ、最も簡単なのは、
頭部に、地球上での体重の2倍程度の重りをつけること(笑)。
でもそれだと、姿勢を変えるたびに、重りの重心がずれてしまいます。
これは、足の裏に強力な電磁石をつけて、鉄の床を歩くとかでも同じことです。

人工重力として、よくSF小説に出てくるのは、遠心力を利用したものです。
巨大な、そして高速で回る観覧車を想像してみてください。
回転するものには、中心から外側に向かって遠心力が働きます。
この場合、回転の中心が、地球上でいえば上の方向、
円の外周が下の方向ということになります。(下図)

人工重力
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次に、これも超巨大なジェットコースターのようなものをつくり、
地球の重力加速度1Gで走らせる。このときに、進行方向が地球での下になり、
後ろ側が上になります。あれ、人工重力って、なんか遊園地みたい、
と思われた人がいるんじゃないでしょうか。

それは正解です。遊園地の乗り物は、重力(加速度)を操って、
ふだんとは違う感覚を味わわせるものが大部分なんですね。まあ、この他にも、
火星上に大規模な電磁場を発生させて重力のかわりにするとかも
理論的にはあるんでしょうが、それはさすがに非現実的です。

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さてさて、ここまで、主に低重力について書いてきましたが、
おそらく、火星に移住した人類は、厚いドームの中にいないと、
生きていけないでしょう。そのドームの中は暖かく、空気があり、
重力が地球程度で、さらに宇宙放射線から守られている。

こう考えると、人類の火星移住がいかに難しいかがわかると思います。
もう100年程度でできるようになるとは、とても思えません。
フィリップ・K・ディック原作の映画、『トータル・リコール』では、
ドーム内の酸素供給をめぐる利権が、テーマの一つになってましたよね。
では、今回はこのへんで。

関連記事 『Mars hoax』

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