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蛇の子の話

2020.10.03 (Sat)
Bigbossmanです。今回は、大阪市内のある鮮魚料理の店で、
Bさんという方からうかがった話です。Bさんは工業高校の土木科を
出た後、ずっと建設業界で働いておられ、最近引退したばかり。
年齢は60代の後半です。自分とは、トレーニングジムで
お近づきになったんですが、背は高くないものの筋骨隆々です。
ユンボその他、作業機械の免許をいくつも持っておられ、
ずっとその運転一筋でやってこられたんですね。
「Bさん、引退なさったとか」 「ああ、会社のほうからは、
 まだまだ いてくれって言われてたんだが、もう潮時かなと思って」
「はああ、それはまたどうして」 「うん、一番の理由は、
 末の娘が嫁に行って、子どもらの心配がなくなったことだな」

「それはおめでとうございます。お子さんは多かったんですよね」
「ああ、全部で6人」 「それは今どき珍しいですよ」 「まあな、
 あとは女房と2人だし、年金で食っていけるだろうから、
 のんびりしようと思ってね」 「うらやましいかぎりです」
「で、今日は怖い話を聞きたいんだって」 「はい、じつは自分、
 怖い話のブログをやってまして、建設業界での怖い話というのが
 あれば、ぜひお聞かせ願いたいと思って」 「ああ、ブログは
 見てるよ」 「ありがとうございます」 「うーん、最近な、
 テレビとかで事故物件って話をやってるだろ」 「あ、はい。
 ある芸人の方が、わざと事故物件に住んで、そこでの体験を
 語ったり、本を出したりして話題になってますね」

「まあ、俺らの場合、戸建てやアパートの工事をするんじゃなく、
 もっと大がかりな仕事だから、あんまり詳しいわけじゃないが、
 そういう話は眉唾だと思ってる」 「はああ、それはどうして」
「だってよ、自殺とか殺人でアパートの前の住人が死んだったって、
 一人だけだろ」 「まあ、ふつうはそうですね」 
「で、新しくその部屋に入ってくる住人も一人、つまり、一対一だろ。
 幽霊ってのは体がなくて魂だけの存在。生きた人間は肉体も
 魂もどっちも持ってる。いくら幽霊のうらみが強いたって、
 生きた人間にはかなわねえよ」 「なるほど、そういう意見は初めて
 聞きました」 「それに、幽霊はべつに、新しい住人をうらんでる
 わけでもない」 「そう言われればそうですね」

「だから、面白半分でそういう話が出てきてるんじゃないか。
 実際は、事故物件で家賃が半分なんてとこがあればスゴイ人気になるよ。
 今の人間はドライだし、何より金がものを言う世の中だから」
「ははあ、じゃ、特に怖い話はなかったですか」 「いや・・・
 あるはある。俺の経験では、大きく2つの場合があるみたいだ」
「それはどんな」 「うん、まず1つ目は、わざと呪いみたいなのが
 仕掛けられているもの」 「へええ、そんなのあるんですか」
「あるよ。昔、俺がまだ駆け出しの小僧だった頃、ある旧家の解体に
 加わったんだ。そこの家の住人が、使用人も含めてたくさん死んで、
 屋敷を相続した息子さんに頼まれた」 「で」
「でな、旧家だからほとんどが木造で、解体自体はわけはねえ。

 機械でがーっとやっちまえばいいんだが、そこの家のな、居間の
 床下から嫌なものがたくさん出てきたんだ」 「何でした」
「遺影だよ。写真ができてからのことだから、明治以降のもんだろうが、
 額に入った遺影が8枚出てきたん」 「うわ、嫌ですね」
「それだけじゃなく、動物の死体が8つ」 「・・・犬ですか」
「それがな、当時の社長が大学に鑑定に出したら、アナグマって答えが
 返ってきた。いわゆるムジナだな。それが首だけ出して、
 床下の土に埋められてたんだ」 「明らかに呪いですね」
「そうだ」 「その遺影の人たちの身元は判明したんですか」
「何人かはな。そこの家は、大正時代から質屋をやってて、いろんな
 人の恨みを買ってたみたいだ。で、身元がわかった遺影は、
 
 すべてその家に遺恨を持つ人だったんだよ」 「うわ、狗神の法に 
 似てるけど、ちょっと違う」 「あとはな、これは俺が40代くらい
 だったか、バブルの終わり頃だよ。滋賀県のある市の集合ビルの
 解体のとき。そこのビルは、場所は悪くないんだが、どういうわけか
 入ったテナントが次々につぶれてしまう」 「ははあ」
「そのうちに、震度4くらいの地震で壁に大きな亀裂が入った。
 それでビルのオーナーが、もう築30年過ぎてるし、建て替えようって
 ことで依頼されたわけ」 「で」 「ビルの上層の解体は問題なかったが、
 地下な。駐車場と小部屋があって、その部屋は物置になってた。
 で、地下だからコンクリ造りなのに、変な断熱材みたいなのがはってある。
 本来必要のないものだよ。それを剥がしてみたら、何が出てきたと思う」

「わかりません」 「梵字だよ。ほら、お寺さんで書く字。あれはインドの      
 ものか」 「そうです」 「それがな、1つ10cm四方くらいの大きさで
 20くらいあったんだよ。で、嫌なのは、その梵字、髪の毛を膠で固めて
 字の形にし、はりつけてあったことだ」 「うわあ、誰がやったのか
 わかったんですか」 「30年以上前の工事だからねえ。
 それ施行した会社はもうつぶれてて、事情はわからずじまいさ」
「怖い話です。あ、さっき、住人に障りがあるのは2つって言って
 ましたよね。一つは意図的に呪いが仕掛けられている場合で、
 もう一つのほうは」 「それはな、昔からの言い伝えがある場所さ」
「昔から」 「そう、おそらく古代から。そういうのはお前のほうが
 詳しいだろ」 「まあ、で、どんなことがあったんです」

「これはちょっと場所はボカさせてもらうから。バブルの頃、さっきの
 ビルの話の少し前。ある川に橋がかかることになった。で、川向うには
 400mくらいの山が5つ連なってて、地元では、その姿を蛇に見立てた
 名前がついてたんだ」「ああ、山の尾根の凹凸が這っている蛇に見える」
「そうだ」 「で」 「その下に、100mに満たない小山があって、
 地元では蛇の子って呼ばれてたんだ」 「はい」 「そこは私有地で、
 近辺の実業家が買ってな、料亭兼結婚式場を建てようとした」
「で」 「地元では、蛇の子に手を入れるのはよくないって話は当然
 出たが、バブルの頃だし、人の土地だし、表立って反対する者も
 いなかった。それで、山裾を崩して、まず料亭の敷地を造った」
「で」 「それからプレハブの作業事務所を建てて測量をする。

 工事現場でよく見かけるだろ」 「はい」 「そこに測量班がつめてて、
 夜は当番が泊まり込むんだが、蛇が出るって話になった」
「本物の蛇ってことですよね」 「ああ、まあ山だから、蛇がいるのに
 何の不思議もないんだが、せまい作業事務所だろ。中を確認して
 戸締まりすれば蛇は入ってこれない。木造小屋と違ってプレハブだから
 すき間がない」 「そうですよね」 「なのに、夜中に顔の上で
 ぬるっとした感触があって、立って電気をつけると仮眠所の
 布団に蛇がいる」 「うわ」 「ま、マムシとか毒蛇じゃないし、
 見つけるたびに金ばさみでつまんで外に捨ててたんだが、
 それにしても変だろ」 「はい」 「しかもだ、だんだん蛇の数が
 増えていった。シマヘビ、青大将、種類もまちまちの蛇が

 あっちこっちで見つかる」 「で」 「測量のキャップが頭にきて、
 大々的に近くの草刈りをやったんだよ。野球のグランドの何倍もの
 面積を。そしたら、いるわいるわ、何百という蛇が出てきたんだ」
「どうしたんですか」 「もちろん全部殺して、死骸は大きな穴に埋めた。
 その穴を機械で掘ったのが俺なんだよ」 「あ」 「その翌日な、
 蛇殺しを指示した設計のキャップが、川向うにいて手を振ってるのを
 作業員が見つけた。どうしたんだろうと思って見てたら、キャップは
 服を脱ぎ始め、全裸になって、近くの木の下に入り首を吊ったんだよ」 
「う」 「川向うだからすぐに駆けつけることができない。みながそっちに
 渡ったときには、すでに事切れてた。でな、首吊りはロープじゃなく、
 2m以上の生きた蛇」 「うう」 「ぬるりと動いたそうだよ」

キャプチャ
 



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