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でろれん

2014.04.16 (Wed)
えー、最初に個人情報がわからない程度に自己紹介すればいいんですね。
今22歳で、某大学の医学部に在学中です。
子どもの頃の不思議な記憶について話をします。
自分の父親はある地方の旧家の三男でして、今は別の土地で開業医をやっています。
医者の多い家系で、当時の実家の当主
・・・父方の祖父ですが、その人も大病院の院長だったんです。
一族も相当な人数で、お盆はそうでもないんですが、
毎年の正月には実家に必ず集まるしきたりになっていまして、
何十部屋もあるたいそうなお屋敷に親戚一同が揃うとそれは壮観でした。
子どもだけでも10人以上はいたはずですね。

旧家に住んでる長男の子どもが4人、外から集まってくる孫が7~8人はいました。
1年ぶりに会うという子もいたし、父母といっしょに実家に帰るのは楽しみでしたよ。
自分は一人っ子でしたから、お年玉をもらうより、
その子たちといっしょに遊べるのがうれしかったんです。
小学校4年生の正月だったと思います。そのときも実家に親戚が集まっていまして、
雪の多い地方だったので、毎日いとこたちと庭で雪遊びをしていました。
それで雪合戦になったんですが、
自分は中につららを割った氷の入った雪玉をもろに顔面にぶつけられて、
顔を真っ赤に腫らして大泣きしたんです。

そしたら赤いヤッケを着た自分より少し年上くらいの女の子が、
寄せた雪が積み上げられて山のようになっている陰に手を引っぱって連れていって、
タオルを出して顔をふいてくれました。
それまで見たことのない子だと思いましたが、
前に遊んだことがあるような気もしました。・・・名前は覚えていません。
そこでその子と話をしたんですが、子どもなのですぐ話すことがなくなって、
その頃できるようになった、指の第一関節だけ曲げるのをやってみせたんです。
そう、指先が爪みたいになるやつです。
そしたら、その子はつまらなそうな顔をして「そんなのたいしたことがない」って言うんです。
「じゃ、何ができるの?」って聞いたら少し考え込んでいましたが、
「じゃスゴイのやってみせたげる。ただ元に戻るまで時間がかかるから必ず待っててよね」

そう言うと、口を大きく開けて両手の指を左右から口の中に突っ込んだんです。
にょーという感じで、口が横に伸びました。顔全体が真横に伸びたといえばいいか。
その子はその状態のまましばらくよだれを垂らしていましたが、
「でろれん」という大きな音がして、体全体が裏返ったんです。
手袋とか靴下が裏返しになるあんな具合にです。
驚きましたよ。2・3歩後ずさりして逃げかけました。
赤いヤッケはどこにも見えなくなって、白い雪の上に、
ピンクと緑のブドウの房みたいなものがたくさんついた塊がうねうね蠢いていました。
医学生だからわかるんですけど、その房のようなのは人間の内臓とはまったく違う形でした。
少し離れたところで固まって見ていると、房のようなものの一つの先端が開いて、
紫色の液体を噴きだし始めました。それで怖くなって母屋に逃げ帰ったんです。

どうしよう、助けを呼べばいいんだろうか思案しましたが、
いくら子どもでも人間の体が裏返るなんてありえないことはわかります。
だから、信じてもらえないだろうなーと迷ってたんです。
そのうち昼ご飯の時間になって、鮭とイクラの入ったお雑煮だったと思います。
それを盛りつけてもらっているとき、女の子が赤いヤッケ姿に戻って母屋の中に入ってきたんです。
すたすたと自分の背後に回るってくると、耳元で、
「どうして待っててくれなかったのよ。あのまま犬なんかがきて食べられちゃったら大変じゃない」
それからこうも言いました。
「あんたは信用できそうだったからやってみせたけど、逃げ出すようじゃがっかりね。
もしこのことを大人や他の子に言ったら存在を滅却させるから」

・・・「存在を滅却」というのがどういう意味かわかりませんでしたが、
とてもヤバイことだろうとは予想がつきました。
怖かったんでその子とはもう遊ばず、2日後に両親と家に帰りました。
・・・体が裏返ったのを見た話だけはずっと誰にもしませんでした。これが初めてなんですよ。
ハハ、まさかね。十年以上前のことだし、存在を滅却させられるなんてないですよねえ・・・
あれは幻の記憶というか、子どもにありがちな幻想なんだと思います。
後日談としては、その後も何度も実家には行ったんですが、
その子がいるのを見かけたことはありませんでした。
父母や他の親戚の人に聞いても、どの子のことを自分が言ってるかわからないようなんです。

当主の祖父が自分が中3のときに亡くなって、それが実家に行った最後のことなんですが、
そのときに昔のアルバムを見せてもらったんです。
その子のことが気になってたし、何かわかると思って。
正月の写真はいっぱいありましたが、
年代ごとに整理されていて自分が小4のときのもすぐ見つかりました。
やっぱり、その子の姿はどの写真にも写っていなかったんです。
ただ・・・外の庭でそのときいた子どもが全員で写っている写真があって、背景は鉛色の空でした。
赤いヤッケの子は見あたりませんでしたが、空の低いところに灰皿のような形をした銀色の・・・
UFOがはっきりと写っていたんですよ。

(管理人注:この後彼とは一切の連絡が取れなくなっています)

『アダムスキー型』



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