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2014.05.15 (Thu)
世の中にはちょっとしたタイミングで、
運命が大きく変わってしまうってことありますよね。
前に交通事故を起こしてしまった加害者の人に話を聞いたことがあるんですが、
たびたび考えることがあるんだそうです。
・・・もう1ページ新聞を読んでから家を出ていれば・・・
あの交差点で赤信号にひっかかっていたら・・・
事故は起こさなかったんじゃないかって。
これもそういうことと関係があるかもしれない話なんです。

大学1年のときのことです。当時は大学に合格したばかりで、
新入生歓迎会があったりしてかなり気分的にハイになっていました。
初めてのアパートでの一人暮らしでしたし、
大学生活を楽しんでやろうって気満々だったんです。
ある日、男3人、女3人で心霊スポット探索に行きました。
学生会館で遅くまでダベってて、勢いがついてそのまま出かけたんです。
時間は夜の9時過ぎ頃でした。キューブという車一台に男2人、女3人が乗り、
もう一人はバイクで車の後を追っかけてきました。

そのバイクの彼とは数日前にメアドを交換したばかりで、
今後おつき合いすることになるかもしれない、と思っていたんです。
行った先は、車で1時間ばかりの郊外にある廃ドライブインで、
その市ではけっこう有名な心霊スポットだったんです。
といっても何か事件にかかわりがあったというわけでもなかったんですが・・・
行ってみるとそこは県道沿いで、
街灯の光も届いて明るく、そんなに怖い感じはしませんでした。
中も広くはなく、10分もかからず全部を回りきれるようなところでした。

ちょっと拍子抜けしてしまい、ドライブインの前に集まって相談した結果、
今度は男女2人ずつの組で、
建物の中に入っていって2階の窓から手をふるということになりました。
私はバイクの彼と、他の4人も予想していたとおりのペアになりました。
私と彼とは入る順番が最後で、前の2ペアはそれぞれ5分くらいで、
「いやあ、けっこう怖かった」なんて言いながらもどってきました。
私たちの番になり、彼が懐中電灯を持ち、
私がシャツをつかむようにして後ろになって入っていきました。
私は・・・昔からあんまり幽霊なんて信じてなかったし、
そんなに怖いとは思いませんでした。

中に入って、さっき確かめていた階段を上って、
すぐに2階の窓に出て下に向かって手をふりました。
下からも手を振っているのが見えました。
そのとき急に、彼が持っていたはずの懐中電灯が窓から下に落ちたんです。
懐中電灯は屋根の上を転がって見えなくなってしまいました。
「えっ」と思って横を見ると、彼の姿がなかったんです。
ほんの一瞬のことでした。
・・・私を怖がらせようとしてしゃがんだりしてるのかもと思い、
「ちょっと、どこにいるの!?」と声をかけたんですが反応がありませんでした。

それで下にいる人たちを大声で呼んだんです。
下の仲間はすぐに上がってきてくれましたが、せまい2階にも、
1階にも彼の姿はなかったんです。4人は、彼が私と並んで窓から手を振り、
そのまま後ろの闇に引っぱられるようにして見えなくなったと言ってました。
でも・・・そのときもまだ、何か大変なことだとは誰もわかっていませんでした。
彼がふざけて裏口なんかから出て、隠れてるんだと思ってたんです。
車を停めた場所に戻ってみると、彼のバイクがなくなっていましたから。
「なにふざけてんだよ、あいつ」そう言いながら男の人の一人が彼の携帯に連絡しましたが、
電源が入っていないようでした。

どうしようもないので車であたりをしばらくうろうろしましたが、
彼の姿は見えず、そうするうちに12時を過ぎてしまったので街に戻ることになりました。
バイクがないので、もう建物の中にはいないと思ってたんです。
車の中でも携帯はつながらず、
「あいつ、なにKYなことやってんだよな」男の人たちはさんざん文句を言いながら、
それぞれのアパートの前まで送ってくれました。
もう遅かったので、シャワーを浴び寝ようとしましたが、
今夜の出来事が釈然としなかったので、彼にメールしてみようかと思いました。
そのとき、アパートの固定電話の呼び出しと携帯の着信音が同時に鳴ったんです。

この市にきてまだ1ヶ月にもならず、固定電話のほうの番号は実家くらいしか知りません。
・・・そのときはそんなことを考える余裕もなく、手近にあった携帯のほうに出たんですが、
すぐプツンと切れてしまいました。
固定電話のほうはまだ鳴り続けていましたので、そちらに出たら、
「・・・何で、こっちに先に出てくれなかったんだよ」彼の声だと思いました。
生気が感じられず、なんだか苦しそうな感じでした。
「〇〇君? さっきはどうしたの? 今・・・」こちらもそれだけで切れてしまったんです。
着信の履歴を調べましたが・・・不思議なことにどちらも残っていませんでした。
それと彼が電話をかけたんだとしても、どっちの番号も知らないはずです。

ますます釈然としない気持ちが強まりましたが、
彼にメールをして返事を待たずに寝てしまいました。
・・・朝早くに昨夜の女友達から電話があり、彼が事故死したということを聞かされました。
あのドライブインがあった県道のずっと奥のダム湖で、
バイクとともに倒れているのが見つかったんです。
管理事務所のコンクリートの建物に正面から激突して、即死だったようです。
なぜそんなとこに行ったのか、誰にもわかりませんでした・・・
いまだに何がどうなっているのか解釈できません。ただ、ときどき考えるんです。
もし、固定電話のほうに先に出ていたらどうなっていたんだろうって・・・

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コメント
 着信の時点で彼はもう怪異に取り込まれた状態だった気がしますが、もし固定に先に出ていたら

  1:一発逆転、彼は死なずにすんだ
  2:死は避けられないまでも、彼の魂だけは救われた
  3:彼女も怪異に巻き込まれた

 …どれなんでしょうねぇ。
| 2014.05.16 22:26 | 編集
コメントありがとうございます
正直考えてはいないんですが、話の流れ的には
3でどっか異界に助けに行くことになるような気がします
bigbossman | 2014.05.16 23:59 | 編集
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