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怖い話のアイテム①

2014.05.20 (Tue)
今回は、怖い話によく登場するアイテムについて書いてみます。
ここでアイテムというのは「道具」という意味ではなく「道具だて」ということで、
怖い話によく登場するもの、くらいの意味にとってください。
それから、これは自分の話だけでなく、
プロの作家の方の作品やネットで見る怖い話全般に頻出するものについて書いています。

*幼女
しょっぱなにこれかよ、と思われた方が多いでしょうが・・・
自分の話にはそんなに出てこないですが、よく見かけます。
なぜなんでしょうね・・・映画などの影響もあるのかもしれません。
典型的なのは、オカッパの髪で和服を着て、毬をついている少女とか・・・
しかしさすがにこれだとテンプレすぎて陳腐化してしまっているでしょう。

幼女に限らず子どもの霊というのは、何を考えているかよくわからないですよね。
次にどう行動するのかもつかめない。
人は、相手の感情を読み取ることができれば、たとえそれが強い怒りや恨みであっても、
どうすれば和らげられるか、対策を考えることができると思います。
それに対して、幼女の無心・無表情というのはどういうリアクションをとればいいかわからない。
そのあたりが読み手にとっては不気味で、書き手には便利ということがあるのかもしれません。

*骨董
これもよく見ますし、自分の話にもけっこう出てきます。
多くの骨董というのは、人間の平均寿命以上の年月、この世で形を保っていますし、
その間に、所有者の不幸や死を見たり、
多くの人の手に渡って家庭の秘密をのぞいたりしているわけです。
長い時を経た物には感情が宿る、と擬人化してしまうのは、
妖怪の「付喪神」のところでも書きましたが、ごく自然な感情であるのかもしれません。
また、骨董には刀などのように元々は人の命をとるために造られたものもありますし、
骨董までいかない中古でも、戦場を経験した軍用品などもあるわけです。

*鏡
これもよく怖い話には登場します。
古代から、自分の姿を映すだけでなく、光を遠くまで反射させる効果などによって、
呪具として用いられることが多かったものです。
そういう記憶がわれわれの中に残っているのかもしれませんし、
鏡像は左右が逆になってしまう(前後が逆になるともいえるでしょう)という、
不可思議な点を、無意識のうちに感じ取っているからかもしれません。
合わせ鏡の中を悪魔が通っていくとか、未来の自分の姿が見えてしまうとか、
さまざまなテンプレ話がありますね。

*トンネル
暗い、せまいトンネルはこの世と異界を結ぶ通路として考えるのがよいかもしれません。
加えて、地中を掘り進んだものであるため、
根の国、黄泉の国につながるという感覚も日本人にはあるのではないかと思います。
進行が前後方向に限定されてしまうというのも、閉所恐怖症気味の自分は怖いです。
さらに、大きなトンネルの場合は工事中の事故ということも連想してしまいます。
戦前、戦中に他国人に大きな犠牲を払わせて完成させたなどの話もありますし・・・
あと、トンネルの壁を伝ってしたたり落ちる水のイメージもありますね。

*アパート
アパートの部屋というのも、多くの怖い話に出てきますね。いわくつき物件、事故物件とか。
これは部屋自体はもちろん移動しないものの、
骨董と同じような点があって、所有者が次々に変わっているわけです。
同じ部屋に住むことによって他人の過去に触れているということですね。
自分の書く話には、アパートや団地が多く出てきます。
これにはまた別の理由があって、一軒家の怪異を書くとすれば、
登場人物も場面転換も多くなり、どうしても長くなってしまうからです。
時間の制約がなければ、一軒家と家族に起きる恐怖もじっくり書いてみたいとは思いますが。

*人形
人型のものには魂が宿るといわれます。
これは、人形そのものが命を持つ「付喪神」の場合と、
何らかの事情で他の人間の魂を宿す場合とがあるようです。
映画の『チャイルド・プレイ』では、ヴードゥー呪術によって、
グッドガイ人形に、殺人鬼の魂が封入されるというストーリーになっています。
また文化人類学者のジェームズ・フレイザーによれば、
人形に釘を打ち付けるなどの呪いは「類感呪術」に分類されていて、
日本でも平安京址から多数の呪いの木製人形が発掘されるなど、
古くから行われてきたことです。

*猫
猫ブログなんかもよく拝見させていただいていて、猫好きの方が多いのは承知していますが、
この生き物はよく怖い話に登場します。
「猫は七生祟る」などという俗信もありますが、気まぐれな
その習性にもかかわりがあるようです。
猫が登場する怖い話のパターンとしては、
猫を殺して猫の霊に祟られる、猫が飼い主の敵を討つ、などの他、
ただ残虐に殺されるという話の雰囲気づくりに利用される場合もあります。

*山
自分も山の怪異の話はいくつか書いているんですが、
考えてみれば、100年足らずで約800人が亡くなっているという魔の山、
谷川岳などの特殊な場合を除いて、
そこらの山で亡くなった人なんてけして多くはないと思います。
むしろ都会のほうが、病死・事故死・自殺・・・たくさんの人が亡くなっているはずですよね。
やはり一つには、山には闇があり人気がないという、
怖い話の舞台装置として便利だということがあるんでしょう。
それと、山は古来より聖地としてあがめられている場所も多く、
パワースポット的なイメージで話に登場してくる場合もあります。

*神社
神社も出てきますねえ・・・自分の話では特に、神社ものという分類ができるほど多いです。
そのかわりお寺はあんまり出てきません。
これは仏教の教義を考えてみれば、
多くの寺院というのは僧たちの厳しい修業と学問の場であったわけで、
歴史的には、昨今の葬式仏教とはあり方がだいぶ違います。
そうそう気軽に怪異の舞台としては使えないという気がします。
神社の場合は、日本の八百万(やおよろず)の神の中には、
人間の理解を超えた悪神・乱神もいるわけです。
また、参拝者、祀るものが途絶えて、そこの神がだんだんに恐ろしいものに変貌していった、
などという形で話に取り入れやすいと思います。
今回はこのあたりで。
関連記事 『怖い話のアイテム②』





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