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怖い古代史8(大黒天)

2014.05.30 (Fri)
今夜は大黒様について書いてみます。Wikiで「大黒天」を検索すると、
「ヒンドゥー教のシヴァ神の化身であるマハーカーラ(摩訶迦羅)のことである」
と出ています。マハーは「大いなる」、カーラは「黒、暗黒」という意ですので、
大黒天と訳されました。これはそのとおりなんですが、
では日本人の中にどれほどヒンドゥー教のイメージがあったかというと、
歴史的に見てもそんなに大きかったとは思えないんですね。

日本の神々は仏教と習合して様々に変質してしまっていますが、
この大黒様の場合は、元々の日本の神であり、
因幡の白兎などの逸話で有名な「大国主命」
のイメージが強く残っていると思うのです。

大国主命は、『日本書紀』本文によればスサノオの息子であり、
小さな神、スクナビコナと協力して葦原中国の国作りを完成させます。
しかし高天原からの使者(天津神)に国譲りを強要され、
この世から姿を隠してしまいました。
これを「自殺した」ことの比喩とみる研究者も多いです。

また息子の一人である事代主(コトシロヌシ)も天の逆手を打って
自殺したように書かれています。この国譲りの際に大国主命は、
姿を隠す条件として自分を祀る大きな宮殿を建てて欲しいと言い、
天津神がそれを承知して、杵築大神(出雲大社)
が建てられたということになっています。

この国譲り神話は、古来から日本列島に住んでいた国津神から、
新しくやってきた天津神の一族が支配権を奪い取った、
というふうに読み解かれることが多いのですが、
ここでは政治的なこととは離れて、
少し別の角度から考えてみたいと思います。

出雲大社といえば巨大な神社建築として有名で、
現在の本殿は1744年に作られ、高さ8丈(およそ24m)です。
しかし、かつての本殿は現在よりもはるかに高く、
中古には16丈(48m)、上古には32丈(およそ96m)
であったと伝えられています。

96m説にはかなりの疑問もありますが、
48m説は、中世の史書に「地震などでたびたび倒壊した」
という記事が残っており、近年、巨大な柱跡も発掘されました。
自分は事実であった可能性が高いのではないかと思います。
建築会社の大林組がプロジェクトとして作成した、
中古48m時の復元図も有名になっていますね。

さて、縄文時代には日本海側を中心として、
巨木を立てる宗教的な文化があったと考えられています。例えば、
青森の三内丸山遺跡で復元された、巨木を用いた掘立柱遺構は有名ですし、
その他にも、島根から日本海の海岸沿い各地にその形跡が見られます。

また大国主命の息子の一人である建御名方(タケミナカタ)は、
天津神側の建御雷(タケミカズチ)に力くらべを申し出ますが、
負けて逃げ出し、諏訪方面まで追いつめられます。
建御雷が建御名方を殺そうとしたとき、建御名方は、
「もうこの地から出ない」と言い、降伏しました。
これを祀るのが諏訪神社ですが、
諏訪神社は4本の巨木を立てる御柱祭で知られています。

このように大国主命は巨柱と関係が深いのですが、
では、巨木を立てる信仰にはどんな意味があったのでしょうか。
これも諸説がありますが、一つには樹木信仰ということが言われます。
冬に葉を落とし、春になればまた新芽を吹き出す樹木に、
古代人が死と再生のイメージを読み取ったのではないかとするものです。

縄文時代の信仰は、生殖と関係の深いものが多いのです。
縄文時代の土偶の大半は女性を表しており、
女性器がはっきり刻まれているものが多いですし、
石棒と言われる男性器をかたどった石製品も多数発掘されています。

まとめとはとうてい言えませんが、大国主命と巨柱について、
何らかの性的なイメージが,
連綿と受け継がれてきているのではないかと思います。
なぜなら、大黒様には子宝や子作りに験があるという信仰があり、
大黒天の像が二つの米俵に載っているのは、
実は男性器を表すためであるとも言われます。
頭巾が男性器の先端部分をあらわし、体が男性器本体、
そして米俵が陰嚢(タマタマ)となるのです。
あれ、何だかあんまり怖くありませんでしたねw

『出雲大社 柱跡』
izumo taisha-91

『出雲大社 復元図』(株)大林組
izumo taisha-00

『石棒』縄文中期


 『大黒天像』





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コメント
 タケミナカタは一番好きな神です。たらい回しになった事案に取り組む姿勢とか、左遷先でも頑張った点とかw

>起子の冬
 起子の描写に禍々しいエロスを感じました。身に受けた災厄とかを、男と交わって増幅したりするんでしょうか。人形祓いの亜種のようでいて、何かもっと複雑怪奇な歴史や裏事情がありそうでワクワクします。

>拝み屋
 方言からして九州の話かな? こちらも人形ものですが、何となく西行法師の反魂術を思い出しますね。お祖父さんが勿体ぶることなく終始淡々としていてカッコいい。
| 2014.05.30 21:14 | 編集
コメントありがとうございます
出雲神話について少し補足すると、大国主の国譲りは
ずっと後代にヤマト王権が出雲地方を懐柔するために取り込んだものであるとか、
縄文から弥生に切りかわるころの話であるとか、
弥生時代中・後期の話であるとか諸説ある現状で、確たる定説はないと思います
また、柱を建てることについても封印という説もあります
古代史は難しいです
bigbossman | 2014.05.30 21:52 | 編集
おっしゃるように、一般的な大黒天像を後ろから見ると男性器にそっくり似せてつくってあるもんなんですよ。頭巾の部分が亀頭、米俵は睾丸。昔の人は意識的に作ったようですね。不思議な話ですがリンガ信仰を大衆がどこかで肌に感じていたのかもしれません。
makakaraten | 2014.08.05 19:11 | 編集
コメントありがとうございます
縄文時代の土偶はほぼすべて女性で、女性器がついてますし
石棒というリンガ型のものも多く出土しています
おそらくかなりの古くから受け継がれてきたものと思います
bigbossman | 2014.08.05 22:18 | 編集
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