電気猫!?

2014.06.21 (Sat)
OLをしています。この間部屋を移ったんです。
前は6畳のキッチン・バス・トイレ付アパートだったんですが、
もう少しいい部屋に、と思って賃貸マンションと呼んでもおかしくないところに引っ越しました。
ダイニングと寝室が分かれた2部屋です。家電もいくらか新しいのを買いましたよ。
・・・独身です。もうアラフォーですから、一生独身覚悟で、
そのうちマンションを買うことになるかもしれません。
あ、すみません。ネガティブな愚痴を聞いてもらう場所じゃないんですよね。
金曜日に業者に荷物を運びこんでもらって、
その日はあいさつ回りをしたり、物の整理で一日つぶれて、
ビールと焼酎を少し飲んで早く寝たんです。

その夜のことです。「ジジジジ」という音で目が覚めました。
薄目を開けてそちらを見ると、なにか青白く光るものがいました。
蛍光塗料・・・という光り方じゃなくて、電気を帯びているような感じですね。
火花も飛び散っていました。
猫です。黒いんだと思いましたが違うかもしれません。青い光でよくわからなかったんです。
ただ、模様のない一色だけのように見えました。
その猫はベッドの足元のほうにいて、伸びをするような仕草をしましたが、
とんとん、と軽快に走って窓の下あたりで消えたんです。その間、数秒でした。
「ええっ」と思って起き上がり、電気をつけて部屋の中を確かめました。
でも、何もいなかったんです。怖くはなかったし、夢だったんだろうと考えてそのまま寝ました。

次の晩ですね。翌日は日曜日なので、遅くまでベッドで本を読んでたんです。
午前2時をすぎたあたりで、昨夜と同じ「ジジジジ」という音がまたしました。
見ると、やはり帯電したような猫が前の夜と同じあたりにいるんです。
ただ・・・体が半分になってました。
何と言ったらいいか・・・後頭部から背中に線を引いたように、縦に真っ二つに切れていたんです。
だから足は前後2本しかないし、体を動かすたびに切断面が見えたんです・・・内臓とかいろいろ。
猫は、2本しかない足なのにしなやかな動きで前と同じあたりで消えました。
この日はお酒も飲んでないし、意識もはっきりしてました。絶対に夢じゃないんです。
それで、こういうことに詳しい人が会社の庶務課にいると知ってたので、
翌週すぐに相談してみました。

「それは電気猫ね」昼休みの社員食堂で、先輩はこともなげに言いました。
「何ですか? 電気猫!?」
「そう。噂としては広まってないけど、けっこう目撃例があるのよ。
 電気を帯びてるように見えたって言ったじゃない」
「そうですけど・・・それって本物の猫なんですか?」
「わからない。猫の見る夢とも言われてるし、猫型の妖怪じみたものという説もあるわ」
「・・・じゃあ、次の日半分になってたのはどうしてですか?」
「電気猫はね、部屋のコンセントの差し込み口があるでしょ。
 あれから、あれへと移動するの。猫が出たあたりと消えたあたりに差し込み口があるんじゃない?」
確かにそうでした。でも・・・電気猫!! とても信じられません。

そう言うと「じゃあ、夢を見たってことでもいいわよ。出なくするのは簡単だから」 
「どうやるんですか」
「2日目の夜は体が半分になってたって言ったわよね。
 えーと出たほうの差し込み口はベッドの足元だっけ」 「そうです」
「そこのコンセントの一方を使ってなかった?」
そう言えば、そこから電源をとって枕元にアーム式のスタンドライトをつけてました。
「電気猫はね、コンセントが縦2つ並んだとこからしか出てこられないみたいなの。
 それから、消えるときも縦2つ並んだコンセントから出ていく。出口があるのがわかるみたい。
 体が半分だったのは、猫も昨日の今日で油断してて、うっかり間違えたんじゃないかな」
 だから一般の家庭だとあんまり見ないのよ。使ってない部屋には出てるかもしれないけど、
 夜中見にいくこともないだろうし」

「!?」
「だからね、差し込み口使っちゃえばいいの。それだけで解決するから」
自信たっぷりの口調に、なんとなく納得させられてしまいました。
「それにしても、世の中には不思議なことがあるもんですねえ。
 先輩はそういう知識をどこで得られるんですか?」
「フフン、それはまあいろいろ。不可思議はたくさんあるし、
 私たちが生きてるのは、ある意味そういうものをうまくすり抜け、やり過ごしているからよ。
 あなたの場合も、出たのが電気猫だったのはラッキーだから」
「どういうことですか?」
「・・・聞いた話だと、電気河童というのもいるみたいよ」
「カッパ!? って妖怪の河童ですか、皿のある。それが出るとどんなことになるんですか?」
「尻子玉が・・・ああ、知らないほうがいいわね」 こんなやりとりで終わりました。


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