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お盆

2014.07.05 (Sat)
昨年のお盆のときのことです。一家で実家のある町のお寺さんに行きました。
なに、実家といっても車で1時間少しなんですが。
自分らのところでは、墓に参る前にお寺さんに寄って位牌堂でお経をあげてもらうんです。
20畳の部屋が開放され、そこで参拝者が待っていることができるようになっていました。
部屋にはエアコンもありましたが、それは使用されておらず、
かわりに大きな池に面した縁側のサッシがすべて開け放たれ、
風が通って気持ちがよかったのを覚えています。

読経が終わり大広間に戻って、私たち家族はサイダーをいただいて、
住職から実家のある町の知り合いの近況などを聞いておりました。
それから、来年3回忌となる母の法要の打ち合わせをして、
お布施をお渡しし、さておいとましようとしたときのことです。
縁側の庭木のほうから一匹の大きな足の長いヤブ蚊が、
フーンと音を立てて部屋の中に入ってきたのです。
それはふらふらと飛んで住職の顔の前を横切ろうとしました。

住職が両の手のひらを宙に出してパンと強く打ち合わせました。
そのとき私の耳に「あぎゃあっ!」という大きな悲鳴が聞こえたように感じました。
聞き覚えのある声でした。・・・末期ガンで亡くなった母が、
病院で麻酔が切れかかったときに、何度も漏らしていた悲鳴にそっくりだったんです。
「ああっ」と住職が驚いたような声を上げました。
「ああ、わたしとしたことが蚊を打ちつぶしてしまいました。今とっさに・・・
 これまでこんな殺生はしたことがなかったんですが・・・」

住職は困惑したように声を落とすと、手を洗うと言って席を外しました。
私は妻に「今、何か声が聞こえなかったか?」と聞きましたが、
妻は「いいえ、何にも」と、まったく気づいていない様子でした。
それでそのときは自分の空耳だと思ったんです。
住職が戻ってきたので、あいさつをして席を立ちました。
車に乗り込もうとしたとき、小学6年生の息子が小さな声で、
「お父さん、さっき和尚さんが蚊をつぶしたとき、死んだおばあちゃんの声がしたよね」
と、ささやいてきたんですよ。



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コメント
蚊になったことといい、お坊様がウッカリ「いつもはこんなことはしないのに」潰してしまう辺り地獄の責め苦とかの一環なんでしょうか…。
血縁のあるものだけ悲鳴が聞こえたのも怖いですね。
通りすがり | 2018.02.21 14:06 | 編集
コメントありがとうございます
うーん、お祖母さんが蚊になってお盆に戻ってきたのかもしれませんが
もしこれが地獄の責めだとしたら怖いですよね
bigbossman | 2018.02.22 08:26 | 編集
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