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死んだ2

2014.07.27 (Sun)
某証券会社に勤めています。3ヶ月前にあったことです。
その日は仕事が遅くなって、
会社から最寄りの駅に着いたのが終電の少し前でした。
そんな時間だったので人もまばらで、
疲れて早く帰りたいということしか頭にありませんでした。
もうすぐ電車が来そうなので、ホームの白線の近くまで歩み寄って・・・
そのとき背中をドーンと押されました。
私はつんのめるようにして胸から線路に落ちたんです。
頬と両膝を強く打ったんですが、痛みを感じている暇がありませんでした。
列車到着のアナウンスが始まったんです。

飛び起きて、ホームによじ登ろうとしました。
幸い、何人かの人が駆け寄ってきて手を引っぱり上げてくれたんです。
ホームに上がって、手をつきながら後ろをふり向いたとき、
線路上に人がうつ伏せに倒れているのがちらっと見えた気がしました。
自分と同じ服を着ていたと思うんですが、
一瞬で電車が走りこんできたため、自信はないんです。
というか、その後、事故があったという話はまったくなかったので、
転落のショックで幻覚を見たんだと思いました・・・そのときは。

私はあえぎながら「背中を押された」とまわりを囲んだ人に訴ました。
すると「よかった」という顔をしていた親切な人たちは、
急に不審な表情になったんです。そしてお互いの顔を見合っていましたが、
その中の年配の一人が、
「あなたね、わたしはたまたま見ていたけど、誰も後ろに人はいなかったよ。
 一人で前に崩れるようにして落ちていった」
他の人もうなずいていました。
駅員さんが駆けつけてきて、「ケガはないですか」と聞かれました。
膝が特に痛かったのでそのことを言うと、救護室に連れていかれました。

その途中、携帯に着信があったので、出てみると彼氏からでした。
いきなり「無事か?何か変わったことなかったか」と聞かれました。
そのときはたてこんでいて長くは話せませんでしたが、
あとで部屋に帰ってゆっくり聞いたところ、
「一人で部屋でネットを見ていたら、窓を閉めてたのにカーテンが異様に膨らんだ。
 おかしいと思って近づいて開けてみたら、窓の外、4階の暗い空にお前が立ってた。
 ただ俯いているだけで、数秒で消えた。それで、気になって電話したんだ」
ということでした。彼が私の姿を見たのは、
ちょうどホームに落ちた時間だったんです。

それだけじゃなく、実家の母からも連絡がありました。
実家にいる高校生の妹が、「姉さんが死んだ」と言って、
泣きじゃくりながら居間に飛び込んできたということでした。
寝転がってメールを打っていたら、天井に私の姿が見えたんだそうです。
その表情が悲しくて、何かを訴えているみたいで、
「何かあったんだ」と直感した、ということでした。
そしてその時間も、やはり私がホームに落ちたのと同じ頃合いだったんです。
さらにです・・・仲のいい同僚からもメールが入っていて、
翌日会社で話を聞いたところ、
早めにベッドに入っていたら私が死んだ夢を見たということでした。
血まみれで体の部分が欠けたりして、ありえないほどリアルな夢だったそうです・・・

ええと、話が前後してしまいました。
駅の救護室で治療を受けましたが、膝と顔の打撲ということでした。
「救急車を呼びますか?」と言われたので、それは断ったんです。
それから警察官が来て事情を聞かれました。
そのときには、まわりの人の話で自信をなくしていましたので、
「背中を押されたような気がしたが、見ていた人はみな一人で落ちたと言っていた。
 疲れていたので、そうかもしれない」程度の話をしたんです。
警察の方は困ったような様子でしたが、
「目撃情報をあたってみます」ということでした。

それからはホームにいるときは、列車がくるギリギリまで後ろに引っ込んでいました。
1ヶ月間は特におかしなことはなかったと思います。
それで、5月のちょうど4月に線路に落ちたのと同じ日のことです。
その日は前ほど遅くはなかったけど、時間は9時を過ぎていました。
「そういえば、ちょうどひと月前の今日だったな」と、
あのときのことを思い返していました。
「背中を押されたと思ったんだけど、後で警察から連絡あって、
 目撃された人の話はみな一致していて、私の近くには人はいなかったって。
 事件性なしということで処理しますがいいですか・・・」
その日もホームのずっと後ろに引っ込んで立ってたんですが、
首筋に何かが触れました。

ツツーと爪で後ろ首を横に引っ掻くような感触でした。
反射的に後ろを向くと、植え込みに人が、私が立っていました。
全身血にまみれて、頭が半分に欠けて頭の皮が髪といっしょに垂れ下がっていました。
それでも自分であることははっきりわかりました。
絶叫しました。叫んで、叫んで叫び続けたんです。
駅員さんに揺さぶられるのも気がつきませんでした。
救護室でも平静には戻らず、今度こそ救急車で病院に運ばれることになりました。
鎮静剤を打たれたのだと思います。
一晩中半睡半醒の状態でしたが、
頭の中では血まみれの私が一言だけもらした言葉がぐるぐる回っていました。
「・・・命日」と聞こえました。

入院は2週間間に及び、彼や実家の両親、会社の上司も見舞いにきてくださいました。
その間、様々な検査や治療を受け、なんとか会社に復帰することができました。
幻覚、と皆がそう言い、私も納得するようになりました。
あれ以来、あの駅は行っていません。
やや時間がかかってしまいますが、バス通勤にしたんです。
もう駅や線路、電車もホームも何もかも嫌だったので、これでいいと思っていたんですが、
つい昨日、バスに乗る高校生の会話を耳にしてしまったんです。
それは、あの駅に幽霊が出るという噂でした。
若い女の幽霊が、急に建物近くの植え込みから顔を出す。
その姿はぐしゃぐしゃに崩れていて、
「代わって、代わって」と叫んですぐに消える、という・・・

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コメント
 連載とはいかなくても、こうして繋がりを感じる話がたまに出ると嬉しいですね。特に「死んだ」は怖くて印象に残っていたので。
 そして、今回は前回と趣が違いますね。「もう一人の自分」のアピールが激しいというか何というか。前回はお祖父さんが即座に「対策」を練ってくれたから、ということでしょうか…。
| 2014.07.28 22:37 | 編集
コメントありがとうございます
これは・・・自分でもよくわからないですが、
何か時空が変な具合になってるんだろうと思います
死んだ自分と、生きた自分が重ねあ合わせられているというか
そういうことは昔からあったんで、じいさんが対策を知っているのかも
bigbossman | 2014.07.29 00:23 | 編集
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