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目覚まし

2014.08.02 (Sat)
2年前のことだ。運送会社で長距離トラック乗ってるんだよ。
で、日曜の夜に少し早めに寝た。
というのは月朝5時に荷主のとこに行くことになってたからだ。
いや、発泡酒は飲んでたけど、これは毎日のことだし。
そのとき夢は見なかったと思うんだよな。
見ても忘れて記憶にないのかもしんないけど。いや、後で夢の話が出てくんだよ。
普通に寝てたんだと思うけど、それが夜中に起こされちまった。
目覚ましが鳴ったんだ。
その時計はだいぶ前に買った安いデジタルのやつで、
反射的に時間を見たら13時58分だった。

時間の不規則な仕事だから、こまめにセットを変えたりしてるが、
いくらなんでもその時間に起きるってことはない。
それに、寝る前に確かに4時10分に自分でセットしたんだよ。
じゃなきゃとても起きる自信はないからな。
あと、前の晩彼女が泊まりに来てたんだが、この目覚ましをいじるとは思えない。
もしいじったとしたって、その後俺がセットし直してるんだからな。
まあ、そんときは自分が何かの勘違いをして、
その時間に合わせちゃったんだと思うことにした。
・・・あまり深くは考えなかったんだよ。セットし直してまた寝たんだ。

ちゃんと4時10分に鳴ったよ。それから出かけて、月の夜は配送先で一泊、
火曜の夕方に帰ってきた。水曜は休みだったから目覚ましはかけないで寝た。
その夜に夢を見たんだが、うまく説明できるかなあ・・・
気がついたら自分はビルの床に立ってた。
で、上は天井がなくて、ゆがんだ鉄骨がむき出しで空が見えてた。
立ってる床もあちこちに残骸が散乱してたな。
元々は天井があって、その破片が落ちてるんじゃないかと思った。
目の前にプールみたいな大きな水たまりがあって、湯気が立ち上ってた。
煮えたぎってるとか、そんな感じじゃなかったな。

ちょうどいい感じの温泉みたいなプール。
水の色が不思議な緑色をしてたような気がする。
細部まで覚えているわけじゃないんだ。
「変なところだなあ」と感じてると、
「たすけて○○、たすけて」と俺の名を呼んでる声が小さく聞こえてきた。
プールのほうからだ。彼女の声じゃないかと思った。
・・・プールは一段低くなったところにあったんだ。
それで、背丈ほどの高さを飛び降りてプールの縁に立った。
かがんで水に手をつけてみると風呂より少しぬるい程度、
ただ水はどろどろしてて手をうまく動かせなかった、

プールの縁をあちこち走り回ってると、
落ちてきた鉄骨やコンクリが水中に積もってるとこがあって、
その中に彼女がはさまってた。
そこらあたりは特に緑色が濃くて、水中にいるのかそうでないのかよくわからなかった。
口を開けてて「たすけて」という声が聞こえるんだから、
瓦礫の上に立って半分水に漬かってるんだろうと思った。
とにかく水に入って泳いで近づこうとした。
泳ぎはそこそこできるんだが、水がゼリーみたいに固まってたんだよ。
なかなか近づけない。それでも少しずつ進んでいって2mくらいのとこまで行った。
彼女の表情が安堵した感じに変わっていたな。

「服がはさまってるから引っぱって」みたいなことを言ってた気がする。
そばまで行って、水の中の鉄骨に立ち、両手を腰のあたりに回して抱き上げようとした。
だけどやっぱりスカートの裾のあたりが巻き込まれているようだった。
ひっぱってもとれないんで、「脱がせるからな」と言い、
脇のチャックを下ろして足を抜かせようとした。
なんだか、プールの緑の水が熱くなってきてる感じがした。
まわりが湯気で見えなくなってきてた。
「ほら、早くこの足上げろ」と怒鳴って、あともう片足を抜けばってとき、
夢の中のすべてのものがぐにゃっとゆがんだように見えた。
「時間切れです」という機械のような声が頭の中で響いたんだ。

「時間切れです、時間切れです、時間、時、ジ、ジ、ジ・・・」目が覚めた。
目覚ましの音だった。セットしてない目覚ましが鳴ってて、13時58分だったんだよ。
目覚ましを止めようとして、ベッドから落としてしまった。
すごい息切れがして、心臓がどきどきしてた。
手が濡れてるような感触があったが、電気をつけてみたら何もついてなかった。
とにかく目覚ましを止めて、その後眠れそうになかったから、車の雑誌を読んでたんだ。
1時間ほどして、めったにかからない固定電話が鳴った。
出てみると彼女の友だちからで、
彼女の乗ってた夜行バスが事故を起こしたみたいだという内容だった。

専門学校の2年で、就職活動のためにたびたび東京に行ってたんだ。
友だちは彼女の実家から聞いたみたいで、それまで連絡したことはなかったんだが、
思い切って電話をかけてみた。
父親が出て「高速道路上でバスが横の壁にぶつかったらしい」と話した。
これから現場に向かうということだったんで、場所を聞いて俺も行くことにした。
・・・4時間かけて近くまで行ったが、
道路は通行止めになってて関係者ではない俺はそれ以上近づけなかった。
・・・大事故で、4人が亡くなって、彼女がそのうちの一人だったんだよ。
事故った時間が、13時58分・・・そのあたりだった。



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コメント
 何となく、一昨年くらいにあった高速ツアーバス事故を思い出しました。そして、この手の夢話で命が救われる展開はありがちだけど、中には助けられない例だってあるんだよ、と冷や水をかけられるような読後感です。
 しかし、こういう「チャンス」をくれるのは(そして取り上げるのは)誰なんでしょうね…。
| 2014.08.06 22:17 | 編集
コメントありがとうございます
夜行の高速バスというのは、いろいろと怖い話の題材になっていますね
すぐ隣に見知らぬ人がいて一夜を過ごすわけですから
このプールの描写は、原発事故の現場をイメージして書きました
本物の悪夢ですね
bigbossman | 2014.08.06 22:58 | 編集
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