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すねこすり

2014.09.14 (Sun)
岡山県に住んでる中学校1年生です。
夏休み前に、郷土学習で地元の歴史を研究しているおじいさんが学校に来られて、
体育館で昔の市内の様子や、不思議な話などをしてくださったんです。
最初は退屈かなと思ってたんですが、
プレゼンソフトで写真もたくさん見せてもらったし、けっこう面白かったです。
その中で印象に残っているのが、地元につたわる妖怪「すねこすり」の話です。
すねこすりは雨の降るくらい夜に現れ、
夜道を歩いている人足のを毛皮でこするんだそうです。

多くの絵が残っているそうですが、イヌの姿で描かれることが多く、
漫画家の水木しげるさんもイヌのイメージでマンガにしてるということでした。
ただ「すねこすり」という言葉の中には「ねこ」という語が入っていて、
ネコとイヌが混ざったような姿で描かれたものもあるともおっしゃってました。
その講演会があった日の帰り、友だちと妖怪の話をあれこれしたんです。
「すねこすりなんて、本当にいたんだろうか」
「うーん、でも雨が降る暗い夜にしか出てこないってのが怪しいよな。
 これって、本物の犬猫が走りぬけたのを、驚いた人が大げさに言って広まったのかも」

「・・・そうかも。今みたいに街灯も懐中電灯もない昔だしね」
「だけど、妖怪っていろいろ他にもいるよな。
 幽霊の話は今でも信じる人はけっこういそうなのに、
 妖怪はアニメだけにしか出てこなくなちゃったのはどうしてだろう」
「妖怪は幽霊みたいに怨みを持ってなくて、あんまり怖くないからじゃないか」
「そっか、妖怪は幽霊みたいに復讐するなんかの目的がないから、
 夜が明るくなると山の中に引っ込んでいったとか」
「ゲゲゲの鬼太郎でもそんな話になってたよな」
こんな会話をしました。

僕たちは2人とも、運動が苦手で部活動に入ってなくて、
その代わりというか、週に3日いっしょの塾に行ってるんです。家もすぐ近くです。
「妖怪でも、すねこすり程度のやつなら出たとしても怖くはないような気がする」
「あの絵のとおりならむしろ可愛いよな」
「転んで鼻の頭をぶつけたって子どもの話があるけど、せいぜいその程度みたい」
「じゃ今日の塾の帰り、裏通りの神社のある道を通って帰ってみないか」
「あそこだって街灯はあるし、そんなに暗いわけでもないけどな」
「あの神社はときどきロウソクがついてるのが道から見えるって話もあるし、
 けっこう怖いよ」

「人通りはたしかに少ないな。じゃあ、あの鳥居の前あたりで、
 すねこすりさん出てきてください、とかお願いしてみたらどうだろ」
「それバカバカしいけど面白いな・・・でもお前んち、母さんが車で迎えにくるだろ」
「おまえんとこで来るって聞いたから、乗せてもらうって言ってみる」
こんな風に相談がまとまりました。
塾が終わったのは9時半で、いつもは大通りを帰るんですが、
住宅地のほうに入って裏道に出ました。ここは堰に沿った細い道で、
途中舗装されてない砂利のとこがあって、神社もそのあたりにあるんです。

そっちに回ったのは久々で、ぜんぜん人は通ってませんでした。
でも距離的には家まで15分ちょいくらいしかかからないんです。
「明るいよな、これだと出そうもないな」
「携帯持ってきてるよな。何かあったら写真撮ろう」
足下はザクザクした砂利に変わって、神社の鳥居が見えてきました。
いくつも鳥居が連なった奥に建物が少しだけ見えるんですが、
ぼうっとオレンジ色に明るかったんです。
「あれロウソクあげる人がいるんだって」
「そうかなあ、電気がついてるんだと思うけど」

立ち止まって携帯を取り出し、
2人でいっせいので「すねこすりさん出てきてください」と言うことにしました。
でもやっぱりアホみたいなので、心の中でです。
「いっせいの-」と小声で言ったとき、近くの街灯がふっと消えたんです。
「ああ、何だ!」
あまりにタイミングが合ってたので驚きましたが、でも真っ暗ということはありません。
街の空は明るいし、携帯も光ってます。
そのとき足のあたりに何かいるような気がしました。
僕はズボンをはいてたのではっきりしませんでしたが、
「毛がこすれてる、何かいる」と短パンの友だちが叫びました。

でも、目をこらしても砂利の地面があるとしか見えませんでした。
「写真撮ろう!」2人で小さなものの感触があるあたりを何度も写しました。
そのうち、立ち止まってるのが怖くなってきて、どちらからともなく走り出しました。
次の街灯のとこで横道に入って、大通りに出たんです。
車がたくさん走ってて、さっきの怖さが嘘みたいに消えました。
「写真見よう、ぜったい何かいた感触があったよな」
ところが、2人の携帯のどっちにも何も写ってなかったんです。
真っ黒でした。「やっぱダメか」
「でもこんな真っ黒になるってのも意味わからないし。
 帰ってからソフトで画面を明るくしてみる」友だちが言いました。

僕の携帯は、家に戻るとなぜか電話もメールもできなくなってました。
電源自体が入らないし、いくら充電してもダメだったんです。
父さんにそれを言うと、修理に出すといって預かられました。
次の日学校で友だちにどうなったかを聞いたら、
やっぱり携帯の調子が悪いということでした。
その日は塾がなかったんで、寄り道になるけど友だちの家に寄ったんです。
携帯を見せてもらうと、電源は入りましたが動きがすごく遅くなってました。
しばらく時間がかかって、なんとか真っ暗な画像を1枚だけパソコンに取り込みました。
それを画像ソフトに入れようとしたら、パソコンの動きも悪くなったんです。

ようやっとソフトに入れて、画質調整から明度を上げると・・・
ひどいノイズが走ってましたが、白いズックの足下が見えました。友だちの右足です。
そしてそのまわりを囲むように、黒い丸いものがいくつもあったんです。
変な例えですが、スイカ畑の中にいるみたいな。
何が写っているかがわかって、僕たち2人ともパソコンから跳びのきました。
かわいいすねこすりではなく、坊主刈りやボサボサ頭の子ども・・・
幼児の頭がたくさん地面から生えてたんです。
幸い・・・顔は見えませんでした。え、その画像はどうなったかって?
この後すぐ、友だちのパソコンも携帯も壊れちゃったんですよ・・・
今修理中なんですが、もし直ってきたらどうすればいいんでしょうか?

『すねこすり』
すねこすり



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コメント
 妖怪シリーズですね。前回が超大物で今回はえらく小物ですがw
 一般的に、妖怪の正体を解釈するときは「なんでもないもの」に結論付けるパターンが多いですが、その逆・・・つまり、「何かもっと恐ろしいものの片鱗」である、というのは少ない気がします。そして、この話はそっち寄りのにおいがします。
| 2014.09.15 00:11 | 編集
コメントありがとうございます
妖怪の復権というのも当ブログの小さいテーマの一つです
調べれば調べるほど裏に深い部分があったりするんですよね
そしておっしゃったように、あまりに忌まわしいこと(人間の所行)を
妖怪として昇華させている場合も
このあたりは京極夏彦さんのテーマだと思います
bigbossman | 2014.09.15 01:09 | 編集
妖怪は面白いですよね。
水木先生のお気持ちがよくわかります。
makakaraten | 2014.09.17 18:42 | 編集
コメントありがとうございます
水木先生の功罪というのはよく言われます
失われかけていた妖怪を世間に再認識させ親しみやすいものとした
功のほうがずっと大きいのは確かですが、
あえて罪を言えば、妖怪のイメージがマンガに出てくる形で
固定されてしまったと
bigbossman | 2014.09.18 22:25 | 編集
ひー! 怖いです!

前半ですりこまれた「すねこすり」のイメージを引っくり返されました。

叙述の足払いですね;;
椿 | 2014.09.20 00:00 | 編集
コメントありがとうございます
水木先生の妖怪は、子ども向けのマンガで登場するので
どうしても役割分担があって、すねこすりなどは
かわいい系を受け持っているのだと思いますが
正体が本当にそうかはわからないんじゃないでしょうか
bigbossman | 2014.09.20 01:00 | 編集
すねこすり。。
もしかしたら本当に水木しげる先生が描いた通りの存在かもしれません。

以前霊力のある人から話しを聞いたんですが、その人がデパートへ行った時にいきなり時間が止まったらしいです。周りを見渡すと、自分以外の人達が皆止まっていたらしく「えっ?」と思いふと前を見たら、水木先生の漫画に出てきたあのねずみ男がそっくりそのまま居たらしいです。ねずみ男も彼女に気付いたみたいで指で自分を指し、「見えるの?」って聞いてきたみたい。そしたら彼女は無言で「うんうん」と頷いたそうです。そして頷いた後、時間がいきなり動き出しました。彼女はその時ねずみ男が本当にあのままの姿で居るんだと、確信したみたいです。

話しを聞いただけで自分の体験ではないですが、私は彼女の話しを信じたいです。
ある和歌山の山間部では昔助けてくれたかっぱの為に、今もかっぱにお供え物の胡瓜を上げているみたいです。信じているんでしょうね。

私もいつか妖怪に会ってみたいです。
| 2018.05.15 03:49 | 編集
コメントありがとうございます
時間が止まるというのは不思議ですね
自分も「だるまさんが・・・」という話を書いてますので
よろしければお読みください
http://scoby.blog.fc2.com/blog-entry-72.html
bigbossman | 2018.05.15 11:34 | 編集
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