謎を投げ出す3

2013.07.16 (Tue)
 これは出てくる奇妙な男は死神です。ちょっと変わった死神像を描いてみたかったのです。

 頭にあったのは中国の伝承にある「縊鬼」で、冥界の人口が定まっているため、
住人が転生してこの世に戻るためには、自分の代わりの誰かを引っ張ってこなくてはならず、
積極的に自殺や事故死を幇助することで自分の代わりを求めることを「鬼求代」というらしいです。
「縊鬼」は首を吊って死んだ人の霊で、
この世に現れては自分と同じように誰かの首をくくらせようとする。

 日本でもこんな話が伝わっています。(鈴木桃野『反古のうらがき』)
『ある組頭が江戸の麹町で酒宴を開き、ある同心も客の1人として来るはずだったが、
なかなか現れない。やがて現れた同心は「急用があるので断りに来た」と言って帰ろうとした。
組頭が訳を問いただすと「首をくくる約束をした」と言い、しきりに帰ろうとした。
組頭はその同心が乱心したと見て、酒を飲ませて引き止めたところ、やがて同心は落ち着いた。

やがて、喰違御門で首吊り自殺があったという報せが届いた。
組頭は、縊鬼がこの同心を殺そうとしたものの諦め、別の者に取り憑いた。
これで彼に憑いた縊鬼は離れたと考え、再度事情を問うた。
すると同心は、夢の中のようなぼんやりした状態だったのでよく覚えていないがと言いつつ、
経緯を話した。
それによれば、喰違御門のもとまで彼がやって来たところ、
何者かが「首をくくれ」と言った。なぜか彼は拒否できない気持ちになり
「組頭のもとへ言って断ってからにしたい」と答えると、
相手は「早く断って来い」と送り出したのだという。

事情を知った組頭が「今でも首をくくりたいのか」と尋ねると、
同心は首をくくるそぶりをしながら「あなおそろしやおそろしや」と答えたという。』


 それから落語の『死神』も子どもの頃にテレビで見て、強い印象がありました。
たしか圓生だったと思います。
寿命を表すろうそくがたくさん立っている洞窟で、今にも消えそうな自分の命のろうそくの火を
他に継ぎ足そうとするが、死神が「消えるよ(けえるよ 江戸弁)、・・・消えたぁ」と言って、
演者ががくりと前にのめるあれです。

『Hidden Camera Death』


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