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神の道

2014.11.24 (Mon)
2週間前、俺のダチが引っ越しをしたんだ。
アパートからアパートにだよ。どうやら前のとこより家賃が安かったらしい。
越すときは手伝いに行ったよ。そんときは古いけど悪くはない感じだと思った。
それから10日ほどした夜に、そいつから電話がかかってきたんだ。
「すげえことを発見したから、俺んとこにこねえか」って。
ま、特に予定もなかったから承知したんだが、「酒 持ってきてくれ」って言う。
「面白いことを見せてやる。お前の力次第では見られないかもしれないが・・・
 安酒でいいからコンビニで買って持ってこいよ」って。
それでパック入りの一番安い日本酒1Lのを買って持ってったんだ。
場所は歩いて20分ほど、時間は9時過ぎだったな。
面白れえことってのが何かは電話じゃ教えてもらえなかった。

そいつの一間の部屋に入って、そしたらダチは1人でビールをやってたが、
天井から1Lのペットボトルが2本、高さを違えてヒモで吊り下げられてたんだ。
一本は天井から20cmほどの高いところで、
もう一本はその1mほど下の部屋の中ほどの高さあたり。
「何だよこれ?」って聞いたら、
「ある種の装置だな。まあ説明するより見ればすぐわかるから。
 ただ時間がまだ少し早い。いつも11時過ぎに始まるから、
 それまでビールでも飲んどけ」こう言われた。さすがに気になるだろ。
このダチは実家が神社で、いつ霊がなんちゃらとか話してたから、
それに関係したことなんじゃないかと想像がついたが。
ペットボトルは、上のほうのはやや黄色っぽい液体が入ってて、下のは空だった。

で、テレビ見ながらダベってたが、11時を過ぎたあたりで、
ダチは「そろそろ来るかな?」と言ってテレビを消した。
「何だよ? 何が起きるん?」
「まあ見てればわかる。それよりお前、
 買ってきた酒を下のほうのペットボトルに入れろよ」
こう言われ、紙パックから、こぼさないようにして酒を注ぎ込んだ。
それが終わるとダチは電気も消し、
「そっちの壁を見てろよ」と上のペットボトルの高さの北側の壁を指さした。
ダチの部屋は2階の角なんで、そこの壁の外は何もないはずだった。
言われたとおり5分くらいそのあたりを見てたら、
表面がぼうっと光ったんだ。光は壁の内部からにじみ出してくるように思えた。

「何なんだよ、これ?」 「しっ!」
で、壁からじわじわと出てきたのは舟形の白い雲・・・
と言っても20cmくらいの大きさで、上に10cmないくらいの人が1人乗ってた。
「これは・・・?」「天の浮船ってやつだと思う」
雲の上の人は歴史の教科書なんかに載ってる古墳時代のような服装で、
腰に針ほどの剣を吊り下げていた。「すげえじゃねえか」
「だろ。神人だと思う。引っ越してきた次の晩に発見したんだが、
 利用方法を思いつくまで黙ってたんだ」
「利用って?」 「いいから見てろ」
小さい神人はいかめしい表情で前方を見つめてて、俺らのことは気にしてないようだった。
もしかしたら見えてないのかもしれなかった。

そう言ってるうちにも雲の船はゆっくりゆっくり進んで、
上のペットボトルにコツンと当たった。と、見るまにひらひらと舞い落ちてきた。
神人はあわてたような驚いたような表情をしてたな。
そのまま船は床に落ちそうに見えたが、中空で体勢を立て直し、
さっき酒を入れた2本目のペットボトルにぶちあたった・・・
ように見えたが、スーッとその中を通り抜け、
また高く上がって南側の天井近くに消えていったんだ。
「はーすげえ、すげえもの見た。これ何なんだ?」
「うん。お前はこういうの見える素質があると前々から思ってたから、今夜呼んだんだよ。
 俺もはっきりしたことはわからないが、この部屋の上部が霊道になってるんだと思う。
 いや、霊道っていうか、神様の通り道だな」

「今のが神様なのか。そう言えばそうも思えたけど、いやに小さかったぞ」
「位が低いやつなんじゃないかな。でも、そこそこ御利益はあるみたいだぜ」
ダチは電気をつけ、ヒモから下のペットボトルを外し、
台所から新しいコップを出して中の酒を注いだ。
「まあ飲んでみろよ」 「大丈夫なのか? さっき神様がこん中を抜けてったぜ」
「問題ない。何度か試してみたし、俺も今、飲むから」
ダチはビールのコップを洗って酒を注ぎ、
2人で「かんぱーい」とコップを合わせてから一口飲んでみた。
そしたらこれが、ぜんぜん安酒の味じゃなかった。
そうだなあ、外国で賞をとるレベルの日本酒、それも純米酒の味だったんだよ。
「こりゃうめえ。何でこうなるんだ?」 「やっぱ神人が通ったからだろ」

「うーんなるほど。この目で見なけりゃ信じなかっただろうな。
 でもよくわからんところがたくさんある。最初は上のほうを通ってたのに、
 あの高いとこのペットボトルに遮られて下に落ちてきただろ。
 どうしてあっちのほうは通り抜けできなかったんだろう?」
 俺が聞くと、ダチは自慢げな顔をし、
「そこが工夫なんだよ。いろいろ考えて頭を使ったんだぜ。
 神様は不浄なものが嫌いだろ。だからあっちには俺の小便が入れてある」
「げっ!・・・何て罰当たりなことを・・・ていうか、
 最初からあっちに酒を入れときゃいいじゃないか」
「高いから上げ下げがめんどくさいだろ。それにお供えの酒が美味くなるのは
 前から知ってたし、これは実験だから」 「・・・」
これが3日前のことで、まだ罰は当たってないが、
こいつとつき合うのはやめたほうがいいかな?

『装飾古墳壁画 天鳥船?』





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