蛭子温泉2

2013.07.16 (Tue)
若い頃の恥ずかしい話なんでこのスレに書いておく。
ヒルコという神を知ってるだろうか。
これは古事記に出てくる国産み神話で、イザナギ神と
イザナミ神との間に生まれた最初の子のことだ。
しかし子作りの際に女神であるイザナミから
声をかけた事が原因で、不定形の混沌の子として生まれ、
3歳になっても足が立たなかったので、
葦の舟に入れられオノゴロ島から流されてしまう。

このヒルコの境遇が同情されたためであろうか、
日本の各地に流れ着いたとの伝承があるらしい。
そしてこのヒルコ神は海から流れ着いて浜に幸を
もたらすものとして海の幸の神であるエビス神と
同一視された、あるいはエビス神の源流になったとも
言われている。

ジョルジュ・ド・ラトゥール『悔悛するマグダラのマリア』

当時俺は家庭がありながら、会社の若い女子社員と関係を持っていた。
早い話が不倫だが、この女子社員が妊娠し、しかもそのことを隠していた。
ただお腹も大きくなってくるし口調の端々からも薄々感づいてはいたので、
あるとき思い切ってそのことを問い詰めると、絶対に産む、奥さんと別れてほしいと、
安いドラマにあるような修羅場になってしまった。
俺は社会的な信用の大切な職についていて、離婚という選択ははなからできない。
まして二十も年の離れた自社の女子社員と結婚などできるわけがなく、ほとほと困り果てた。
今から思えば身勝手な話だが。

ところがある筋から奇妙な話を聞いた。
琵琶湖の奥に不思議な力を持った温泉があって、そこで湯治するだけで、
お腹に子供がいる場合は母体には何の影響もなくきれいに流れてしまう。
妊娠の後期であってもその力は変わらないという。
何でも神代に近い昔から絶えることなく湯が湧きだし続けていて、
いつ頃からその効能が明らかになったかは不明だが、
江戸時代にはすでに子堕ろしの隠し湯として藩の管理下に置かれていたようだ。

それが明治の世になって政府の知るところになり、
教科書に名前が載っているような元勲らにも利用されていた。
その後、太平洋戦争の混乱でいったん秘密は失われかけたが、
代々その温泉を守ってきた一族が必死に守り通して現在に至るという。
名前をヒルコ温泉という。

結論から書くと、コネがあってその温泉を利用させてもらった。
効き目はものすごいもので、
外科的なものからホルモンの分泌など妊娠していたという痕跡さえ消し去ってしまう。
その女子社員とは、円満とはいえないが金の力で別れることができた。
その後自殺したなどということはない。
会社をやめ若い男と結婚して家に入った。
ただし子供はできなかったようだ。
それが温泉のせいなのかはわからないが。
30年以上前の話。

※ ヒルコは『古事記』において国産みの際、イザナギの命とイザナミの命との間に生まれた最初の神。
しかし子作りの際に女神であるイザナミから声をかけた事が原因で不具の子に生まれたため、
葦の舟に入れられオノゴロ島から流されてしまいます。 
この流されたヒルコ神が流れ着いたという伝説は日本各地に残っていて、
日本沿岸の地域では、漂着物をエビス神として信仰するところが多く、
ヒルコがエビスと習合・同一視されるようになりました。


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コメント
創作でも不愉快
| 2015.08.10 17:11 | 編集
コメントありがとうございます
これは確かに不愉快な話ですね
bigbossman | 2015.08.11 20:35 | 編集
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