幽霊はなぜ怖いか

2014.12.16 (Tue)
えーなぜ幽霊は怖いのかという話です。
この手の文章が出てくるのは話のネタがないときと決まっていますw
今さっき、ネットの掲示板に「どうして幽霊は怖いのか」
といった話題を書きました。自分の考えというより、
ネットで検索するとよく出てくるようなものなんですが、

①未知の恐怖
②無意識の罪悪感
③闇や孤立の恐怖との結びつき
④死の恐怖ー死に関するさまざまなものに対する忌避

この他にも、子ども時の「幽霊が来るよ」とおびえさせるような風習
あとは映画、小説等、さまざまなエンタメ作品からの影響
・・・こんな内容です。

①については、幽霊がどういうメカニズムで出てくるのかわからない。
幽霊どころか、魂はあるのかないのか、死後は輪廻転生するのか、
それとも天国(極楽)や地獄に行くのか、
あるいは何もないのどかな彼岸の国へ行くのか、こういうことはわからない。
それだけではなく、幽霊がどんな行動をとるのか、
無差別に襲ってくるのか、精を吸い取られてしまうのか、
それとも無関係な怨みのない人間には何もしないのか、そのあたりもわからない。
だから見たと思った場合はとにかく逃げる、というような面ですね。
ただし、未知だからといって怖いだけではないはずですね。
未知ゆえの好奇心ということもあるでしょう。

②については直接罪になるようなことを他人にしてはいなくても、
知らず知らずのうちに人の心を傷つけたり、
出世や商売で人の邪魔になることをしてはいないかという罪悪感、
これが無意識に心に溜まっていて、「幽霊がいる」という状況になったときに、
自分が害を受けてしまうのではないかという気になってしまう。
こんなところでしょうか。

③については、前に青木ヶ原樹海で単独テント泊をした体験を書きましたが、
まったく明かりのない、自分の手すら見えない闇の中では、
さまざまな怖い幻想がわき上がってきます。
自分の背後あるいは目の前に、見えてないけれど何かがいる、
という実感があるんですね。これは眼で見えていないだけで、
実際に存在してるのと変わりないくらいの現実感があります。
しかも樹海の中ですから、叫んでも助けがくるわけではないし、
近くに逃げ込める民家もない。まったく孤立してしまっています。
そういう状況になったときの恐怖が、
幽霊と結びついているのではないかという話でしょう。
実際、闇の中では何も見えないわけですから、
どこから襲われたとしても対処のしようがない。
生存本能がビンビンと非常ベルを鳴らしているんですね。

関連記事 『真の闇について』

④日本には古くから、死は穢れという考えがあり、
死にまつわるものから身を遠ざけ、忌避してきた時代が長い。
だから死につながる幽霊はよくないものだという、
固定観念ができてしまっているのかもしれません。
血まみれの幽霊、体の部分が一部ない幽霊、生首なども
この範疇に入るかもしれません。グロと肉体損壊の恐怖。

あと、自分も怪談を書いていてこう言うのもなんですが、
エンターティメント作品からの影響というのは大変大きいと思います。
小説も、映画もそうです。
これらは人間の感情に働きかけて能を興奮させるものですが、テーマとしては、
恋愛・ヒロイズム・スリル・謎解き・悲しみ(難病ものとか)さまざまあります。
その中で、「恐怖」というのも売り物になるんですね。
安全な映画館の中で恐怖を楽しむという形。
もちろんハートウオーミングな幽霊作品もあるんですが、
圧倒的に恐怖を主題にしたものが多い。
そしてそういうものの記憶から「幽霊はこういうときに、こうするものだ」
みたいな概念ができあがってしまっている。
ホラー映画の幽霊ですからもちろん、
悪いことをしていなくても、理不尽に襲われたりすることが多いですよね。

これも前に少し書いたことですが、江戸時代の怪談だと、
「四谷怪談」のようなのが主流でした。つまり芝居の筋は勧善懲悪です。
悪人がはびこり、社会的な罰は受けなくても、
幽霊によってさんざんに懲らしめられ、最後に滅びる。
こういう部分に、当時の観衆は拍手を送ったものと思われます。
ま、復讐映画というのは今でもありますし。

ところが最近の幽霊は、「リング」にしても「呪怨」にしても、
特に何もしてない人が、単にビデオを見るとか、
家に足を踏み入れるとかで関わってしまったがために、
悲惨な死を遂げるという形が多くなってきています。
そこには、登場人物がどれほど善良な生活を送ってきたかなどは関係がないのですね。
こういうのも、幽霊=怖い という図式になっている一因かもしれません。

人の生育歴というのは、当たり前ですが一人一人異なっています。
ですから幽霊が怖いという人は、
その人の人生の中で上に書いたいくつかの要因が複合して、
「怖い」という気持ちができてしまっているんではないでしょうか。

最後に、自分は実話怪談を収集していますが、
最も多いのは、俗にいう「虫の知らせ」というやつです。
仏壇の戸が風もないのに急に揺れて、その後すぐに病院から、
お祖母ちゃんが死んだという電話がかかってきたとい類のものです。
この多くは偶然なのでしょうが、「怖い」という面は少ないですよね。
ですから、実際の幽霊譚があるのだとすれば、
恐怖を売りにしたエンタメ作品からの影響をのぞいて、
怖い話というのは少ないのかもしれません。







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コメント
 私はホラーアクションゲームが大好きなのですが、幽霊と対峙するゲームは意外なほど少なく、メジャーな国産タイトルではクリーチャー&ゾンビ系が多くを占めている印象です。
 確かに、街の人々が生ける屍になって襲ってきたり、怪物が徘徊する異界に放り込まれたりする方が、「アクションゲーム」としては分かりやすくはあります。日常の喪失というか何というか・・・それが醍醐味なのかも知れません。
 幽霊の怖さはそこではないんですね。むしろ日常に近いからこそ怖いんだと思います。
| 2014.12.17 21:24 | 編集
コメントありがとうございます
日常にまぎれこんでいるおかしなものをふと見つけてしまう
そして現実感が崩れていくという場面は
一つの醍醐味だと思います
bigbossman | 2014.12.17 23:04 | 編集
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