夢の活用

2014.12.23 (Tue)
自分の話もそうですが、一般的に怪談には「夢」が出てくることが多いです。
これについて少し考えてみたいと思います。

まず、見た夢をそのまま書く、あるいは多少修正・変形して書くというのは、
シュールレアリズムの手法としてはポピュラーですが、
さすがに「~というところで目が覚めた」で終わらなくても、
夢の内容を書いただけでは怪談としては成立しない気がしますね。
やはり現実に起こっていることと上手にリンクさせて書くのがよいと思われます。
夢が出てくる怪談としては、

①予知夢、つまり夢で見たことが現実に起きるということですが、
これは過去にあまりにも多くの例があって、使い古されている感じがします。
よほどひねりを加えて書かないと新味は出ないんじゃないでしょうか。
例えば、夢で見たのと同じことが実際に起きる。
主人公は「ああ、これは夢で見たとおりだ」と考えて、そのとおりに対処するが、
最後の最後で夢のとおりにならず、裏切られた形で終わるとか。
それと、未来予知であれば夢でなくてもいいわけですね。
明日発行の新聞をたまたま手に入れてしまったとか。

②夢で過去に遡る、このパターンも多いです。
子どもの頃、若い頃の夢をくり返し見て、
それが自分の記憶と微妙に違ってる気がする。
それで不安になって、アルバムを見返したり、昔の担任に話を聞きに行ったりする。
その過程で、じつは自分の過去の記憶は、
都合のいいように改変されたものであったことがわかる・・・
このパターンもかなりの作品を見ています。
自分の記憶が本当のものではなく、罪悪感などのために無意識に変えていた。
確かに怖い話の流れではありますが、
奇妙な味やホラー短編をたくさん読んでいる人には、
ああこのパターンかと悟られてしまいそうです。

③夢の中で危険な状態におかれていて、何かをするとと現実に影響を受ける。
これはどういうことかというと、2chにわかりやすい例があるのであげてみます。

『転んだら死んでしまう村』の夢を見たことがありますか?
 これは共通夢といって、誰でも一生のうちに一度はみる夢だそうです。
 ほとんどの人は夢を見てもその内容を忘れてしまうので、
 記憶に残ることは少ないですが、
 この夢に関しては、全国から数多くの共通の証言が上がってます。

 舞台は夕暮れ時の農村で、そこら中に青紫色に変色した死体が横たわっている。
 しばらくすると、着物を着た数人の少女が近寄って来て、
 「ここは転んだら死んでしまう村なんだよ」
 と説明があった後、少女の中の一人が死体につまづいて転んでしまう。
 少女は絶叫をあげながら、みるみる青紫色に変色していき、
 やがてピクリとも動かなくなる。

もし転んでしまったら、突然死して目覚めることはないということでしょうか。
確かこの類話で、ただ歩いているのではなく、
竹馬に乗ってるというバージョンもあったような気がします。
他には、「夢の試練」といわれる種類の話

眠りに落ち、気がつくとそこに老婆がいるというのだ。
 ただ、その状況というのがただ事ではない。その老婆は夢を見た人を追いかけている。
 追いかけられている人は、その老婆に捕まったら殺されてしまうので、
 必死で逃げるのだ。
 老婆から逃げていく途中、最初の角は右に曲がらなければならない。
 その次の角もまた右に曲がらなければならない。
 そうしなければ老婆に追い詰められて捕まってしまうからだ。
 さらにしばらく行くと、赤の扉と緑の扉がある。
 ここでは赤の扉を選ばなければならない・・・

 さて、この夢の話を聞いた人はそれから数日以内にこの話と同じ夢を見る。
 もちろん、その夢の中では今の話と同じように行動しなければならない。
 もしも道を間違えたならば、その時が老婆に捕まり殺される時である。


という具合に、間違えそうだったり覚えにくい指示がたくさんあって、
全部上手くやらないと不幸が起きてしまう、というパターンもあります。
たいがいの人は、もしその夢を見てしまっても、
複雑すぎてマニュアルどおりにできそうに思えないので、不安を感じるというわけです。
あと、夢の中でとてもおいしそうなケーキを勧められる。
だけど食べれば自分が死んでしまうこともなぜかわかっている。
だから我慢して食べないけれど、いつかこらえきれずに食べてしまうかもしれない・・・
なんてパターンもあります。(自分も似たのを書いてます)

④他人に入り込まれる、これは、生霊が何らかの力で自分の夢の中に出てくる、
つまり自分の夢を他者に支配されてしまうということです。
生霊でなく死霊でもいいわけですが、死霊なら夢より実際に出てきたほうが怖いせいか、
生霊パターンのほうが多いようです。
これを止めるためには、夢の中で解決する、あるいは現実の中で生霊の本体を攻撃する、
という2通りの方法があります。
生霊に祟られる→お祓いする だけでは話としてつまらないので、
バリエーションとして出てきたのかもしれません。

⑤先祖が夢に出てきて何かを告げる、これは怪談というより昔話に多いですね。
先祖が教えてくれるのは、宝の隠し場所だったり、
命を狙っている人物だったり、特定の日時の不幸な事故だったりします。
先祖は基本的に自分の味方なわけですから、
そういうパターンの話になるのでしょう。
これも、ひとひねりしないと使えないという感じがしますね。

⑥現実が夢に影響を与える、こう書くとわかりにくいですが、
夢を見て寝言を言っている人に話しかけると、
意味の通る答えが返ってきたりすることがあります。
また、寝ている人の顔の上でオレンジを切ったすると、オレンジを食べる夢を見る。
もしあなたの同居人が、あなたに自殺してもらいたいために、
あなたが寝てから耳元でずっと自殺の話をし続けていた・・・とか。
あるいは、毎日顔を舌で舐められる夢を見る。決まって夜中の2時頃に見るので、
その時刻に目覚ましをかけておいた。
やはり顔を舐められる夢を見ている最中、けたたましくベルが鳴った。
目を開けると、すーっと長い長い舌が天井板の隙間に引っ込んでいくのが見えた・・・






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コメント
おお、偶然にも今日は私も夢で見た怖い話をネタにしてましたw
夢ってどんなにありえないことでも違和感なく見えてしまうのが恐ろしいですね。
何か霊的な力が加わったのか
子供ながらにショックな出来事だったので悪い発想がぐるぐる回ったのか
崖から霧のような白い手が無数に現れて手招きをする怖い夢でした。
西條すみれ | 2014.12.23 09:54 | 編集
コメントありがとうございます
夢を見ていて、なおかつ夢だと自分でわかっていて
これはスゴイ話だと思っていても
目が覚めると「なんだこりゃダメだ」となることは
よくありますね
あと、夢の話をすると、したり顔で分析する人が
自分のまわりには多くてちょっとイヤです
bigbossman | 2014.12.23 11:02 | 編集
 夢といえば、個人的には「胡蝶の夢」はホラーだと思っています。いやまあ、「マトリックス」でも「世界5分前仮説」でも「2chにはお前と俺とひろゆきしかいない」(ちょっと違うか)でもいいんですが。「現実が夢になる」のは怖いですね。
| 2014.12.23 21:44 | 編集
コメントありがとうございます
現実だと思っていたのが実は夢だったということですね
「トータルリコール」とかもそうかも
bigbossman | 2014.12.25 00:09 | 編集
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